こぐれ日録 KOGURE Diary 2009.8/24〜8/30


こぐれ日録655 2009年 8/24〜8/30

8/24(月)

市役所で期日前投票をしたあと(国民審査もきちんと判決における個人の意見とか経歴をチェックして裁判官一人ひとり判断しました。行政官が政治的な感じで登用されていいのか、とか、司法官僚的仕事をした人の方が出世できる現状とか、制度変革については別途思いましたが、それはそれとして)、
久しぶりに研究室へ。

すると、あいていて、女性二人がなにやら作業。
パソコンのメンテナンスらしい。
30日に何か楽器を持っていこうかなと思って、口琴とかメロディーパイプとか鳴らす。
すると、お二人とも興味津々。チンドン太鼓を鳴らしたり、偶然アウトリーチ状態に。

メールボックス、多すぎ。少しだけ持って、東部文化会館へ。
第6回子どもの文化フォーラムに向けての実行委員会。アトリエ劇研の上田千尋さんも少し遅れてきてくれる。彼女にもアドバイザー(専門委員)的に加わってもらい、次年度企画にもNPO劇研さんにもお手伝いしてもらいたいなと思っている。彼女のようなかかわり方は、アドバイザー(専門委員)という扱いにすればいいかな・・・この際、補助金もらったり広告もらったりするためにも、実は、不文律(慣習法)体系実行委員会のルールも規約として成文法化されることになる。いいことだ。

第6回から10回へという壮大な話が副館長から出たり、嬉しい展開だった。
だったら、もういっそのこと、体験(ワークショップ)系ばっかりにしようと、山科醍醐こどもの広場前代表からの提案も画期的。
お芝居系はあるし、人形劇づくりワークもぜひ。ダンスも五島さんところにお願いして、あと一つは、バレエ教室さんとかの連携模索。できれば、盆踊り体験も入れたいところだけど・・・
美術デザイン系が課題だという話あり。自由帳の参加がピンチだったということで。
10〜12ぐらいの山科こどもワークショップ祭りのような感じかな?

予想以上にこちらが思ってきた、もっと、子どもの自身がステージへ・・という参加志向が前面に出る話になってとても嬉しい限り。問題は、財団的ルールのこと、人事異動、6月にするとなれば、3月にはチラシができるぐらいのスピードですることになる。助成金を獲得することにおけるいろんな制約とか、あれこれ。でも、努力のかいありメセナ的広告も毎年いただいているし、地元のライオンズさんロータリーさんにも助成でお世話になっていて、従来のつながりをまずは大事にして、有料の鑑賞事業に子どもたちをつれて保護者さんが来なくなってきた現状をどう打開するか、であるわけで・・・

すでに2010年5月30日は、子どもフェスタが東御坊(山科)で行われる予定で、その数週間あとになる。かえっこバザールも、少し日にちが混むが、5/30にあわせてしたらどうかと思った。

帰り、駄菓子屋さんが、通りにあって、少しおつまみを買う。10円、20円、30円の値段設定がかわいい。駄菓子屋さん的なおもちゃとかもあったらいいね、と、7月にオープンしたばかりだという女性の方に話す。

家では、今日はスローストップ運動はしんどいなあといいつつ、『鞍馬天狗 角兵衛獅子』(1951年、91分)を見る。監督、大曽根辰夫。嵐寛寿郎、美空ひばり、山田五十鈴。原作を読んだばかりなので、ラストの付け加え(少し恋物語風)が、大衆向け映画ゆえなのだろうと、にやにや。山田五十鈴の細長い顔、引っ付いた眼と眼がいまどきでない味。彼女風の女優さんは名前が出てこないが、歌舞伎役者の娘さんを一人思い出すぐらいだ。いずれにせよ、鞍馬天狗は新撰組を保守反動の民兵として描いているので、その点は実に気持ちがいい。ただ、じゃあ、明治政府がしたことがどうか、というとホントはいままでの官僚主導政府、中央集権天皇制を作ったわけで、痛し痒しなんだけれど。


8/25(火)

二回生の4名が、水都の水辺の文化座、かえっこバザールを手伝うというので、北浜から行く。
淀川テクニックの2人組がワークショップをするという花輪あり。
気になっていると、スタッフから面白いですよ!と声がかかる。
まあ、でも、学生がいるので、見に行くと拡声器使ってクイズ大会、なぞなぞをやっていた。
う〜ん、アーツ企画の一環なんで、もうすこし、ありものでないものができないかなあと思いつつ、参加者も一人ぐらいだったし、となりで待機。
するとつき山さんが、ヨドテクのワークショップをやってきたという。Tシャツにゴミアート。
いいなと橋の下を覗きに行く。
Tシャツもいいが、断然、花輪がいい。お茶の周りに黄色と赤で花輪にする。
かなりできていたが最後の仕上げに参加。
ホームレスの人からもらったという使い捨てかみそりが、雄蕊のように周りを取り囲み、なかは、小さい子の鞠。穴をあけてもらうと水が出てくる。だから重かったのだ。

「祝 浪花の輪 魔弾天狗一同」と下に書いて仕上げ。うっかり「輪」という字を間違って、変な字になってしまう。まあ、いいか。
かえっこへのゼミ参加について、こちらももう少し、手をかけるか、もっとほっておくべくだったかも知れない。


8/26(水)

昨日のかえっこバザールで学生たちがクイズ大会をしていたことについて色々悩んでしまったが、じゃあ、自分的にどういうクイズだったらよかったのだろうかなあ、とちょっと考えてみた(これは、まあ、またこういうクイズをしてもいいし、なにくそ、そんなんより面白いことしてやる!と発奮してもらってももちろん嬉しい)。

まず、参加し回答して渡すポイント数は、お手伝いとのバランスを考えるべきだというのは、昨日も話したこと。
それと、クイズであっても、少しは、この水都大阪と関係することか何か、ぼんやりとしてでもいいからテーマや特色のようなものがいるだろう。

たとえば、水都の水辺の文化座を中心とした活動に関連したクイズというのが考えられる。
子どもが答えるクイズ問題を子どもたちと一緒につくるワークショップもいいかも知れない。
いずれにせよ、単なる知識を問うのではなく、
KOSUGE16-1のサッカー会場に行くと分る問題(1チームの人数は?)とか、かえる工房のスタッフに聞くと分る問題(かえっこをはじめた家族の名前は?とか)など会場内を観察したり行動すると答えられるものがいいのじゃないかな。観察力とか交流するきっかけになるし。

滋賀県の高校でお話をすることになって(9/4)、その打ち合わせ。
久しぶりに大学へ。
総合的な学習「講演会」
演題「興味の種は身近から―なぜ、いま、天狗か―」
講師から一言:目に見えないものも感じてみよう

体育館で800名強ということ。
もともとは、「身近にある未来、興味の種」がご依頼の仮題だったので、
具体的に、身近、あるいは、みんな知っている「天狗」という妖怪の一種だけからも、
日本史、民俗学、信仰研究、政治と仏教の関係、中国との交流、伝説、説話、能楽、絵画表現、ブランド名、防災、防火、自然現象への畏怖と観察などなど、多くの切り口があり、人文科学だけではなく、社会科学や自然科学にまで及ぶというお話をしつつ、私の半生記みたいなものをして、40分ということ。
「町でうわさの天狗の子」がどれぐらい読んでいるか?というのは興味ぶかいが、女子の一部だけだろうな。
それよりも、ハリー・ポッターの「トヨハシ・テング」の方がキャッチかも知れないということ。そうかもなあ。

今日も精華小劇場に行きそびれてしまった。


8/27(木)

880名ぐらい(教員とか入っているからかな)の前で話す資料づくり。
パソコン利用でしか写真はアップできそうにないので、まったく、使うのをやめていた
パワーポイントを使うことにした。
まず、自分のパソコンに入っていたかな?というところから。
あることはあったが、昔使っていたものでもないので、ずいぶんつまづく。

一応出来上がり、プリントアウトしたり、CDにしたりしたあと、メールボックスを見ると
膳所高校の担当のY先生からメール。写真は、1枚ずつにしてください、1列に20名以上並びますから、ということ。もっとはやくメールをみるべきだったな。

明日直そうと思って、夜は、アニメ。
イジー・トルンカの世界『電子頭脳おばあさん』(1962年、29分)他、あわせて4編。
1949年の『悪魔の水車小屋』(20分)や、『二つの霜』(1954年、13分)は、田舎、牧歌的という形容詞はまるでつかえないが、機械的な悪夢ではない。
それに反して、『電子頭脳おばあさん』は、未来の恐怖アニメ。子どもたちはこれを見てどう思ったんだろう。
だいたい、チェコの当時の子どもたちは、トルンカのアニメにちゃんと向き合えたんだろうか。美しくもおぞましい世界!
最後の『天使ガブリエルと鵞鳥夫人』は、言葉もほとんどないということもあるし、「デカメロン」がベースにあるなど、かなり高踏的シュール作品といっても過言でないもの。こちらも、頭がちょっとくらくらしつつみ終わる。

(参考)
2009.9.4 膳所高校総合的な学習「講演会」
 小暮宣雄@京都橘大学
興味の種は身近から〜いまなぜ天狗なのか〜

◎天狗 の歴史(抄)
o 中国で誕生 司馬遷『史記』天官書  紀元前1 世紀
           『 漢書』 「晋書』 にも記述あり
天狗(てんこう)は、大流星のようで、音(声)がする。落ちて地に止まると狗のように見える。落下の様は火の玉のようで、炎々と燃え盛って天をつくようだ。

◎妖怪学(一瞬)  super natural being
o 妖怪とは、  ←定義ってとても大切!
 祀られていない超自然的な存在 である(祀られる超自然的存在が「神」)。
o →祀られなくなる(お祭りが途絶える)と、神が妖怪にもなる。さらに、付喪神。
o 特徴1 ・・異類異形性(他者性)
o 特徴2 ・・恐怖の念を抱かせる
o 特徴3 ・・祟り・恨みが災厄をもたらす

◎飛鳥時代に、天狗 登場!
o 『日本書紀』 巻二十三
o 637 年(舒明天皇9 年)、2 月23 日) 
      ・・・大化改新が645年
o この頃箒星が流れたり、日蝕があったり天変地異多し。大流星の音を聴いて、地の雷だ!とか色々。
中国留学から帰ってきた旻(みん、僧、二官八省など律令制の基礎を後につくる)が言った
o 「流星に非ず。是天狗 (あまつきつね)なり。其の 吠ゆる 声雷(いかづち)に似たらくのみ」
o (仮説) 中大兄皇子の皇太子継承と同時に僧・旻は、国博士就任(大化改新のクーデターの翌日)・・・天狗が政変を予言するものだということを旻が活用したのでは?

◎日本での天狗の歴史
o 平安後期からとても活躍する。『 今昔物語』『大鏡』『太平記』・・・
o 政争の黒幕になったり、スパイになったり
o 宗派対立と関係し、火事などにも関与?
o 悪いイメージもあるが、怒らせると怖い、という畏怖の対象としての扱いも
o 中国から大天狗が来ても、比叡山の僧侶が対峙したりもする。
o 中世の芸能、お能や狂言の題材に、。鞍馬天狗、松山天狗、大会、花月・・・

◎天狗の能力・魔力
o 飛翔力・・・山の主、半人半鳥、風に乗る
o 変身力・・・鳥(とんび、烏・・)、山伏姿
o 移動力・・・子どもを攫うと非難される
o 怪力・・・天狗の相撲場、天狗倒し
o 怪音、風嵐・火事との関係(火防 ひぶせ )
o 幻影を人々に見せる力
o 恩返しの心
(うぬぼれやすい・・・鼻が高くなってしまう)

◎天狗は妖怪の中でも特別
o 大天狗には名前がついている
o 大日本天狗番付に滋賀県の天狗がいっぱい
関脇・・比良山次郎坊
前頭・・伊吹山飛行上人、横川覚海坊、竹生島行神坊、綿向山光林坊、多賀ノ森生玉坊、伊吹山金谷長円坊、松ヶ崎普門坊
o 天狗は山岳信仰の一つとして、山伏中心にその信仰の対象になっている

◎天狗を調べることの広がりについて
   天狗の話を調べだす(研究しだす)と、
1 )芸術研究・・・図像(絵画、彫刻)、文学(古文が楽しくなるぞ)、絵本、マンガ・映画(メディア芸術)、小説、伝統芸能(能狂言)
2 )文化社会学的な流行・ブランド研究(経営学)のテーマであるとともに、
3 )世界史、日本史、物理(天文学)、民俗学・宗教学・妖怪学 の対象ともなる(更に政治学も社会学も・・・)。

9/4のおしまいのところだけ

【23年の公務員生活にピリオド】
2001年、自治省が省庁合併で総務省に。
その年、京都橘女子大学に文化政策学部ができるということで、転職。
月給は10万円減少した。
でも、自由に、文化のこと芸術(アーツ)のことを研究し企画することができるようになる。
表に出ていないものを発見する楽しさ、
忘れられているものに新しい命を与える術・・

【未来へ】
@ 「身近」から「遠く、広く、深い」未来へ
具体的なことと抽象的なことをつなげること
A 「遊園地遊び」から、「原っぱ遊び」の未来へ
自分でルールをつくる想像力・創発性
B 分からないから面白い!と思える未来へ
不思議だなあと思う気持ちを大切に
・・・・


8/28(金)

AI・HALLでダンス公演があったりはしたのだが、ぐずぐず。

川本三郎『今ひとたびの戦後映画』のなかに、「ゴジラ」の分析があって、見てみた。
たしかに、怪獣映画というよりも、戦争(戦後に戦争を考える)映画だった。

『ゴジラ』1954年、97分。監督:本多猪四郎、出演は、宝田明、河内桃子、平田昭彦(なかなかいい味)、志村喬。
皇居には向かわずに海に入っている、ということは、川本さんに言われていなかったらまるで気づかない。でも、ゴジラが、南方で戦死した無念の兵士たちの集合霊かも?という話は納得。戦中派で戦後に適応せず閉じこもっている、マッドサイエンティストぽい芹沢博士(平田が片眼で演じる)を、ゴジラが誘い出し、ともにもう一度死ぬという暗い映画なんだなあと見ていた。
とくに、はじめの島の風俗・信仰が面白い。ゴジラというのは、まれびと神の名前だったのか。

夜、花札(こいこい)をする。ルールはまるで忘れていたが、たしかに、きれいで楽しい。花札賭博(これは数字のものだが)という印象が強くて、花札がすたれてしまったようで残念。


8/29(土)

セレノグラフィカ『皮から食べて』西陣ファクトリーGARDENにて、研究上演会。
振付・構成・演出:隈地茉歩
試演会よりも少し完成度は高く、でも、毎回の公演であとで鑑賞者との会話などで変化していくことを予定しているもの。
題名もまた、剥いてきれいに切って食べるダンスではなく、皮ごと、つまり、その過程まで楽しんでほしいという意味にもとれるのかも知れない。皮と実の間が一番美味しい、果実も野菜もお魚も・・・などと題名だけでうきうき。

阿比留修一・隈地茉歩。セレノの男女ふたりに、ゲストで花沙と維新派出身でいまは自分のユニットを結成したという升田学。ふたりの顔つき、体つきがすーっと似通っていて、若手デュオユニット風になっていて、でも、その組み合わせだけではなく、何組もの組み合わせがあり、4人のセレノさんにしたらダイナミックなダンスがある。

面白いのは、その盛り上がったあとのカームである。予想を超える長さ。それ以外にもこちらの予想をうまく裏切ることがいくつかあって、私としては、その予想をはずすあたりに一番の面白さがあった。

そのあと、少し時間つぶし(二条駅前でマンガを買ったり)。

そして、やませいでめくるめく紙芝居ワークショップ。太陽クラブの人たちはお泊り会だったりするので、少数のあつまり。でも、今度の新作『ザ.マイクマン』(仮題)の絵を描くことに。
わたしは、天狗ちゃんの絵を描いた。模写(加古さんの絵本)のつもりが、下手がデフォルメされ、ある味?になったみたい・・・


8/30(日)

6:24には、京阪急行の中。
近江八幡駅までの道すがら、対訳でたのしむ『鞍馬天狗』(檜書店、2001年、500円!)を読む。
山伏(鞍馬天狗)は、老いらくの恋をする。衆道である。こんなに若い牛若丸に恋してもいいのか、といいつつ、苦しい山伏。牛若丸もそういう世界が当たり前で、このおじさんならいいかな?とか思っているのかも知れない。
ふと、大仏次郎の鞍馬天狗も、同じなのかも、と思った。映画だったら美空ひばり演じる少年の角兵衛獅子に、あんなに親切にしてあげる(落としたお金をあげる)のは、そういう古典のベースがあって成立するのかも知れない。

ボーダレス・アートミュージアムNO-MA地域交流事業
『八幡山に天狗を探せ』第一条「天狗の住処」之巻。
8時前には近江八幡市立図書館前へ。受付の前に、少年たちが集まってくる。
天狗を呼ぶメロディーパイプに興味津々。天狗は妖怪ですか?神様ですか?ときく「はかせ」とあとで名づけられた少年もいて、びっくり。なんだか、天狗道は赤い糸をたどって怪しき限り・・・
竹林にぽっかりあいた広場で、天狗の住処づくりをするのだという。
まず、1分間、鳥井さんの名司会で、山の声を聴く。まさしく、天狗が声(音)から地球に登場したのにふさわしい導入である。30秒したあとから、山の上で何かが舞う、あるいは、巻くような音がする。天狗の羽音か?すくなくとも、天狗風のような突風が山の辺りで音をたてていた。

5組の天狗の家族ができて、それぞれが、竹だけ(あとは紐)で、住処を作る。定住しない天狗ゆえに、修行のときだけの借りの宿りである。線香とお香がたかれ、蚊がこの周辺だけは寄り付かない。ステキな事前準備である。

私は、11時前から、天狗巻物を広げて、天狗の起源を話す。むずかしい漢字も多かったが、天狗故にみんな静かに集中してくれて、これは、天狗道の賜物だった。

かえって、少しすると、選挙一色になる。投票率が70%を越えなかったことと保坂さんが落選したのがとても残念だった。


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