こぐれ日録 KOGURE Diary 2009.8/31〜9/6


こぐれ日録656 2009年 8/31〜9/6

8/31(月)

衆議院選挙の結果を見ている。悲喜交交。平野博文という側用人がクローズアップされていたり、知らないこと、これからの制度づくりでチェックしなくちゃいけないことも多い。たとえば、国家戦略局(国家戦略室)の仕組みと権限、機能。

他方、最高裁の裁判員のあり方も、国民審査のあり方も含めて(もっと大きな差が出てもよかったのに、と思う人もいたのだったが)、検討の余地が多い。
裁判員制度もはじまって、今度は青森で性犯罪が対象だということ。国民への説明が少なすぎてしかも問題が多すぎる制度創設だった。観光庁とか消費者庁とかいう二重行政に結果的になってしまう恐れのある官庁づくりも含めて、「やり逃げ」の後始末も大変そうだ。

夜、小暮はなのライブ。レコーディングや映像づくりなどがあったので、大阪RUIDOでのライブも久しぶりだ。関西ラジオのパーソナリティ・中村よおさん(http://jocr.txt-nifty.com/toorinuke/2009/09/post-ac15.html)やディレクターさん、ファンの方(http://plaza.rakuten.co.jp/banbaninu/diary/200909010000/)たちも久しぶりという感じで来てくださっていた。

はなのブログ(http://hanakogure.exblog.jp/12239730/)より以下引用。
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3ヶ月ぶりの今回のライヴは、レコーディングやラジオなどで、学んだことを挑戦して、歌ってみました。
ある時期から、ほとんどしなかったMCにも挑戦!(まだまだあまり喋れなかったけれど。。)
(うたった曲目)
1.花火
2.リタ
3.あたしはビンビンビン(仮)
4.お別れ
5.モノクロの夢の中で
6.タンポポのように
(詞・曲/小暮はな)
秋の訪れを感じながら、これからも一歩一歩、うたっていきます。
ありがとうございました。
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9/1(火)

すこしずつ、夏休みモードをなくさなくちゃ、と思いつつ、でも、ぐずぐず。
天狗オンリーだったので、もう一つの課題、山科の歴史を分かりやすく説明するという初年度授業資料づくりを考え出す。

読んだ本。
湯浅治久『戦国仏教―中世社会と日蓮宗』(中公新書1983、2009年)。
日蓮宗(法華宗)は、東日本中心ということもあって、ほとんど知らないことばかりで、とても勉強になった。そのなかで、洛中にやってくる部分がもちろん一番興味深いところではあるが、肥前や牛窓など、水運とともに鎌倉や品川からつながっていくところも面白い。

「有徳人」(お金持ちの実業家)の来歴なども興味深いし、その人たちがしばしば僧姿であるあたりも中世的である。

直接的には、蓮如の話ばかり読んできたので、その裏側が出てくるとはっとする。P154-155
《 すると(細川)晴元は一向宗が邪魔になり、今度は日蓮宗と組んで一向宗と戦う。天文元年(7月に享禄から改元:1532年)8月24日、ついに晴元と六角定頼、そして日蓮宗門徒が合力して山科の本願寺を陥落させるに至るのである。
《 この天文元年の8月は、日蓮宗門徒の行動がもっとも活発化した時期であり、法華一揆が成立した時期だとされる。この時期、法華一揆はしきりと京内外で「打ち廻り」と称された示威行進を行い、一向宗門徒と各地で小競り合いを繰り返している。また一揆は京の町の税である地子銭の不払い運動を通じて反権力の性格を鮮明にしていった。》


9/2(水)

10時半から、アウトサイダーライブを行う『第八回音楽祭〜ぼくらのサウンド・オブ・ミュージック〜』の実行委員会。11/3(祝・火)。当日にリハーサルが11時からある予定だというので、学生のなかで、演習をする人たちには、本番の14:30〜の前にリハーサルから鑑賞しそのプロセスまで見せることがしたいというお願いをしておく。

帰ってからさっそく『サウンド・オブ・ミュージック』の映像をアマゾンで注文した。このなかで、武満徹作曲の「つばざ」も使われる予定とのこと(7場:ザルツブルグ音楽祭の一こま)。これは、武満をほとんど知らない学生たちにとってはいいきっかけになるな(石川せりと小室等の聴き比べもできそうだ)とかってに授業計画上ほくそ笑む。

南草津にある、しが県民芸術創造館(北村想さんが館長だったところ)の存続があぶないということで、署名用紙が回ってきて、署名する。びわ湖ホール集中しか道がなかったのかなあ。滋賀県文化政策として。前から、びわ湖ホールを新国立劇場の西日本分館に格上げするという奇策をかってに思っているんだけれど。

15:30から阿倍野のロクソドンタで『ダンスの時間23』なので、少し微妙な時間の隙間あり。御堂筋線本町駅を降りて、一駅東へ。このあたりに、巣箱とか水都の東横堀(水の回廊)関係があるのかとうろちょろ。少しは分かったが(Bird Houseの位置とかシティプラザ大阪とか)、もう少し北に上がるとよかったのだが、時間が中途半端になって、谷町4丁目まで急ぐ。このあたりイタリアン料理店など気の効いたお店が多いように見える。

さて、『ダンスの時間23』。二人の女性のソロ。そして、二人の濃い女性のデュオ。けっこう、堪能して、ポストパフォーマンストーク(司会:上念省三さん)まで楽しんだ。
はじめは、原和代「羊の人生」。前半は有名なピアノ曲で踊るパッショネートな世界。ときおりゆるく。後半はうだうだ。突然ロックで叫んだりするけれど。リハより、音楽など引き算されたそう。

音楽の引き算では、つぎの林正美(イム ジョンミ)「クウキの捉え方(重力体)」も同じ。それも後半の無音がけっこう長く、神経がかなり疲れて、でも最後に、冒頭の同じ音楽が流れて、ほっとする。コンテンポラリーダンスって形式がないようでいて、観る方はどこか、ある繰り返しや構造を求めてしまったり、自分で関連付けたりして、自分の鑑賞を地図化していることが逆によく分かって面白かった。

最後は、ドンキホーテの妄想というわかりやすい枠内におけるおどろきの実験。
フラメンコの原点を探りつつ、ギターの音色にうっとりすっきり。
今貂子とベコーニャ・カストロ「恋は盲目」。田舎娘とお姫様をフラメンコダンサーと舞踏家という異文化デュオによって、妄想飛躍に誘う世界だった。


9/3(木)

昨晩観たドキュメンタリー映画『パリ・ルーブル美術館の秘密』(1990年、85分、ニコラ・フィルベール監督)。原題は、La ville Louvre。ルーブル町。1200人が働いているし、2800室もあるので、あたかも町のようだ、ということ。消防士さんとか救護班、清掃専門の人もいる。はじめの方でローラースケートするところは、原題の町に合わせているのかも知れない。

一番面白かったことは、学芸員(キュレーター)は、壁に釘を打たないで、釘を打つ人二人をおいてきぼりにしていなくなってしまい、二人はただぼーっとしているところ。日本の学芸員は雑芸員ってよく自嘲気味に言われるという話もあったが、こういう役割分担(階級差)もちょっと極端な感じはする。

夜は、パレード研究のゼミ生もいることもあって、買っておいてそのままにしていた、1947年の音楽映画『ニューオリンズ』(監督:アーサー・ルービン、89分)。500円の廉価版だからか少し音量が少ないことなどもあって、戦前の映画とばかり思った。ルイ・アームストロングやビリー・ホリデイの年齢とかよく知らないからだけれど。意外と面白かった。

クラシック音楽対大衆酒場(賭博場)音楽。白人+上流対黒人+下流。上が下におりて、下を上にあげる、というような、ストーリーはパタン的な話だが、まあでもうまくできているし、なにせ、いまそこで生まれようとする音楽が描かれるのは楽しくしばらしいこと。ジャズがジャズと名づけられる瞬間とか、歴史研究ではまず再現できないことを映画だから、娯楽だからしてくれるわけで、デキシーからスイングに変わったのも、賭博のテーブルがシカゴで没収させられたからというのも分かりやすいっていうか物語りならでは。でも、ジャズの歴史を知りたくなる映画かも知れない。

昼間は、さきらのMさん、Nさんとこれからの事業の打ち合わせ、説明を聞き、そのあと、栗東市を案内してもらった。
宿場ができなかった栗東(立場〜たてば〜という途中の休憩所。いまでいう「道の駅」が3つある)。やっぱり、新幹線の駅もできなかったわけで、歴史的因縁を感じる。
でも、東海道をたどって田楽や菜めしをいただくのは乙。金勝(こんぜ)の山(ここのお寺は天台宗だがまちはお東さんが多いとのこと)、からの展望、檜の林はすばらしかった。天狗岩が地図に記されていて、比良山次郎坊がここにも来たのかも知れない。蓮如たちと同じように。


9/4(金)

膳所高校の1年生と2年生、合計800名ほどを前にして、お話をする。
総合的な時間。自分たちでテーマを見つけて研究調査するためのきっかけになるような話をしなくちゃいけないのだが、なかなかむずかしいものだった。

冷房もない大きな体育館。残暑が厳しいなかにぎっしり・・・もうすこし声も届くようゆっくりしゃべるべきだったな。天狗のマンガよりも、鬼太郎あたりから天狗へと行くほうがスムーズだったかも知れない(ハリーポッターのトヨハシ・テングも使おうと思ったが、すでに本で導入に使われていることもあってやめたのだった、ハリーポッター自身よく知らないこともあり)。

一番の反省点は、40分(実際は44分ぐらいになったが)にまとめること。
そして、全部パワーポイントだとライブ感がないので、パワーポイントと即興的に話すのを混ぜたほうがうれしいですという高校の先生のご要望に応えようとしたことなどなど。

でも、天狗から世界の身近さと遠さ、広がりを探す「興味の種」のお話ということを事前の打ち合わせで決めさせていただいたので、なんとかできたようにも思える。
生徒の顔が当日とそのあと、テレビの高校生クイズあたりでようやく見えてきて、だったら、こういう話の方がよかったなあとかあれこれ思うけれど、まあ、楽しかったし、いい経験をさせていただいた。

膳所高校には乗馬班というクラブがあることをたまたま知ったし(帰りの京阪電車にて)、校長先生と鷲田学長のお話で盛り上がったり、教頭先生と話していて、鞍馬天狗と水戸天狗党との関係を思ったり、新鮮だった。


9/5(土)

蒸し暑い。
どこからかったるい朝。
12時ぐらいから林加奈さんなどは行っているだろうなと思いつつ、山科青少年活動センターへ。
井手上春香さんもいて、林さんとすでに、めくるめく紙芝居プロジェクトの紹介展示をロビーにしはじめていた。

巻紙(障子紙)を使った巨大絵巻物形式の紙芝居のどこを見せるか、とか、切って見せたら?というような思案もあったが、シンプルに再演の冒頭(表紙のつぎ)をできるだけ長く見せることになる。
あとは、初演のときの標準の紙芝居サイズの作品のセレクション。林さんがあらかじめ選んでいたが、その1/3ぐらいしか展示できないので、選ぶのはなかなかむずかしい。ほんとに一部なので、実際は、めくられていく(最近は巻かれていく)紙芝居を見てもらうしかない。

フットサルをしていた連中もロビーに戻るころあいに(15時すぎ)、林さんが、ミニ紙芝居ライブをする。『天国に続く道』。中3の女子2名とか大学生(サポーター)などがけっこういい加減なようでちゃんと見ている。
そのあと、中会議室でずっとなっていた笛(よし笛)のグループがロビーに。
けっこうな年齢の方だが、おもちゃ楽器群に興味深々。
そのうち、即興のリズムセッションとなる。10年前ぐらいに滋賀の方が開発したというリコーダーの小型版のようなよし笛を吹かせてもらった。

そのあと、中学生(1年生なのでけっこう背丈にばらつきあり)男子たちがやってくる。
打楽器を鳴らすのが面白い!と分かると想像しないぐらい鳴らしに来る。
ジャンベをバチで打ったり、楽器をぽいと投げたり、あれこれ乱暴なところは注意しないといけないが、モーツァルトのトルコ行進曲の一節を再現しようとずっと夢中になっている男子らを見ると、このアウトリーチ的活動が予想以上の効果をもたらすことを確信する。

ただ、すご〜く、くたびれた三名ではあった。中学生男子の方向性のないむき出しのエネルギーはすごいもの。
でも、18時から21時すぎまではほんちゃんのめくるめく紙芝居ワークショップである。
スポーツ室に仰向けに寝転がるとそのまま敷物になってしまいそうだ。
今日はまずゆっくりお絵かきの続き、と加奈さん。
私はテングマンの周りをぎっしり描くことにする。鳥を飛ばしたかったが、あえて、水鳥おもちゃを上空に浮かせたりした。N君は、駅舎の下をきれいなお花畑みたいに模様化している。かわいい。

13日は話さんもNくんもいないワークショップ&デモ(ミニライブ)。


9/6(日)

めずらしく3日連続お仕事だ。
読書中の、大谷晃一『大いなる坂―正と俗の巨人 蓮如』(河出書房新社、1990年)に栗東の地名なども出てきて、興味深い。評伝で小説ぽいので、奥さんと子どもさんの話など具体的に頭に入りやすい。
オープンキャンパスの控え室で、文学部で律宗や時宗などの研究している先生がいて、念仏踊りのことを教えてもらったり、鬼太郎の話などを互いにする。

13:45〜14:45まで、ミニレク。9501教室は広いのだが、みんな素直に前列に座ってくれるので、助かる。カッターと下敷き(足りないので新聞紙)を置いて、興味津々のようでもあり、若干むずかしいことをさせられるかと思って緊張しているようでもある。

宣伝美術の説明やアーツのジャンル分類、そして、クレジットの読み方などアーツマネジメントの教材として実に役立つものとしてのチラシ。これらを使い選ぶ楽しさを使えようとするのはいつものとおりだが、そのあと、チラシを使っての切り起こし(by 池田朗子さんの考案)ワークショップをしてみる。みんなとても面白いところを切り抜く。お父さんでとてものってする人もいた。受験生の方はみんな女子。文化プロデュースとかアーツマネジメントはどうしても女性になるなあと思う。

終わってから、大学院の説明会。途中から入る。清香館の1階の教室。
3回生なのに聴きに来る学生さんもいた。中国地域の学生さんとか社会人。

そのあと、緊急事態が発生しつつあるので、その対応策を学部長室にて話し合う。
一応、自分の対応は、これ!といっておいたが、翌日調べると少し変更しなくちゃいけないことになりそうだ。いずれにせよ、show must go on!である。


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