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こぐれ日録 KOGURE Diary 2009.12/28〜12/31
こぐれ日録673 2009年 12/28〜12/31
12/28(月)
ロバート・アルドリッチ監督作品『ふるえて眠れ』(1964年製作、133分)を見る。65年に日本公開。
モノクロームの陰影が実に深く綺麗。
狂気とそうでない世界とを遊泳するベティ・デイビスはもちろん最高の存在感。可哀相だとか、そういう同情をどんどん超えていってしまうな。
対決する女優さん、オリビア・デ・ハビランドも頭がよく常識的でいい女性そうに見えるので、好対照かも。
上映時間がすこし長いので、いままで敬遠してたのだが、過去の追想的始まりは、『何がジェーンに起こったか?』(1962年)よりも短い(これは、すこし後戻りして過去を回顧してくれないために、すこしわかりづらい短さかも)。逆に、いささか途中の前半部分がすこし長いけれど(もたれる感じはなきにしあらず)、後半はサスペンスのテンポもよくて、何せ、終わり方がカタルシスしてくれるので、実に気持ちがいい。手首が切断したり、首なし人間が出てきた割には。
お昼は、一人芝居を見た。
人間座スタジオ。『売り言葉』作:野田秀樹、演出・出演・制作:戸谷彩。90分強。
高村智恵子さんの一生。最後は光太郎、けっこう悪かったのだなあ、智恵子抄を創るための策略とまでは言わないまでも、逃げてしまう男。でも、まあ、そういうことはよくあるし、彼はまた戦争協力でも弱い男として戦後悔悟するのだから。
帰ってきてからの一時、七声会の声明とバースリー(ヒロスさん)、タンブーラの曲がとくに印象的なCD『天下和順』に身をおきながら、梅原猛の京都の闇のエッセイを読んで、とてもいい気持ちになった。
12/29(火)
きょうは、午前中、生協で正月用品の残り、そして、リカーマウンテンでお酒(珍しく白鹿にしてみた)、焼酎、ビール(ポルトガル産)。
あとは、のんびり。
夜、1/9(土)のアーツ演習Uの教材として、MONOの今年はじめの作品を使おうと決めて、DVDを見る。
MONO第36回公演『床下のほら吹き男』110分(特典の8分ぐらいのものは、次回の『赤い薬』の宣伝かも知れないが授業には不向き。でも『路上生活者』はアゴラ劇場の大世紀末演劇祭で見たので懐かしい)。35回公演と比べるともちろん分かりやすい。前期に見た学生がどれぐらいいるか、聞く必要があるな。
イソップの王様の耳はロバの耳、これがどうも自分ではあやふやで、この作品とどう絡むのか、もうすこし検討が必要に思う。
世紀の映像(NHK1995年放送)は、第1集を映画の始まりとの関係で買ってみたら、なかなか面白く、第2集(大量殺戮の完成:第一次大戦の映像はあんまり見たことがないので色々思う。えげつない世界がすでにいっぱい。ちらりと大正天皇即位式)、第3集(それはマンハッタンから始まった:大衆欲望社会、昭和天皇、皇太子のときもあり)と見ている。中高校での世界史はこういう映像を使っているのかなあ、いまでは。
以下、文科省の政府予算案のメモ
・・・・
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2009/12/28/1288506_1_1.pdf
平成22年度 文部科学省予算(政府案)主要事項
文部科学省総額55,926億円(前年度:52,817億円 3,010億円・5.9%増)
マニフェスト実現:公立高校の授業料無償化及び高等学校等就学支援金の創設 3,933億円
◇文化芸術の振興◇
「文化芸術立国」の実現と文化発信
文化庁予算 102,024百万円(前年度:101,539 485増) 1020億円
(1)豊かな文化芸術の創造と人材育成 14,526百万円(14,048 478増)
○概要: 我が国の文化芸術の振興を図るために、「文化芸術創造活動、地域の文化活動、芸術家等の養成・子どもの文化体験」への支援を実施することにより、豊かな文化芸術の創造と人材育成を推進する。
◆文化芸術創造活動への重点支援 (4,978百万円)
・優れた芸術活動への重点的支援
我が国の芸術水準の向上に資する直接的な牽引力となる芸術水準の高い、音楽、舞踊、演劇、伝統芸能の各分野の意欲的な公演や、優れた映画製作に対する支援を推進する。404件
◆地域の文化活動支援【拡充】 ( 2,744百万円)
・劇場・音楽堂を中核とする特色ある芸術創造・普及活動の推進【新規】(1,600百万円)
劇場・音楽堂が中心となり、地域住民や芸術関係者等が主体となって取り組む、音楽、舞踊、演劇等の舞台芸術の制作、教育普及、人材育成等を支援し、地域の文化芸術活動の活性化と住民の鑑賞機会の充実を図る。 80地域
◆芸術家等の養成・子どもの文化体験の充実【拡充】 (6,804百万円)
・子どものための優れた舞台芸術体験事業 (4,975百万円)
次代の文化の担い手となる子どもたちが優れた舞台芸術を鑑賞し、芸術文化団体等による実演指導などに参加し、優れた舞台芸術等に身近に触れる機会を提供する。1,527公演
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(関連)
◇新しい時代を創る人材の育成◇1.初等・中等教育の充実のうち、
(6)芸術表現を通じたコミュニケーション教育の推進 新規 10百万円
○概要: 多様な価値観を持つ人々との協力・協働できる人材の育成、自分の感情や思いを表現できず容易にキレるなどの課題等の解決を目指し、コミュニケーション教育推進のための具体的な指導法の開発等を行うこととし、「子どものための優れた舞台芸術体験事業」における成果や課題などを活用しながら、芸術表現を通じたコミュニケーション教育の推進を図る。
◆コミュニケーション教育推進のための検討【新規】(10百万円)
言語活動の充実に資する効果や学力・問題行動への効果の検証等を行いながら、コミュニケーション教育推進のための具体的な指導法の開発などの検討を行う。
・演劇・ダンス等の芸術表現を用いた学習プログラムの開発
・国語の学力や学習意欲等との相関関係を分析
・容易にキレるなどの問題行動への効果の検証 等
(注)この他に、子どものための優れた舞台芸術体験事業(4,975百万円)の中で児童生徒の芸術表現体験を実施する。
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(2)我が国のかけがえのない文化財の保存・活用等 42,491百万円 (前年度:41,509 982増)
○概要: 我が国の歴史、文化等の正しい理解のために欠くことのできない文化財について、国宝・重要文化財建造物等の保存修理をするとともに、防災施設の整備を計画的に実施するなど、次世代に確実に継承するための施策を充実する。
◆文化財の保存修理・防災施設等の充実【拡充】( 10,755百万円)
・建造物保存修理・防災施設等
国宝・重要文化財等を適切な周期で修理を実施するための保存修理の充実を図るとともに、震災や火災等の災害から護るため、自動火災報知設備や消火設備等の防災施設の充実を図る。
◆文化財の整備・活用等の推進 ( 30,136百万円)
国宝・重要文化財や史跡等を適切に保護し、その活用を図るため、保存整備、買上げ、鑑賞・体験機会の充実等の事業を一層推進する。
◆地域伝統文化総合活性化事業【新規】 ( 1,600百万円)
地域に伝わる伝統文化の活性化や復興等のための各地域の主体的な取組を支援することにより、有形・無形の歴史的な文化遺産を活かしたまちづくりを推進し、伝統文化の確実な継承と地域の活性化に資する。
(3)我が国の優れた文化の国内外への発信 40,557百万円(前年度:41,367 △ 810)
○概要: 我が国の最新のメディア芸術などの日本文化を戦略的に海外に発信するとともに、海外の文化遺産の保護等による文化財の国際協力の推進や、我が国に滞在する外国人のための日本語教室の設置等による日本語教育を充実する。
また、我が国の文化拠点として、日本の顔となる国立美術館・博物館等の国立文化施設の整備を図るなど文化発信のための国内基盤の整備を推進する。
◆優れた舞台芸術・メディア芸術等の戦略的発信【拡充】(3,618百万円)
・メディア芸術の振興
メディア芸術を一層振興するため、発信、情報収集、展示、創作活動の促進といった「ソフト支援」と優れたクリエイター等を育成する「ヒューマン支援」を重視した施策の充実を図る。
◆文化財の国際協力の推進(496百万円)
我が国が、武力紛争、自然災害等により破壊され、又はそれらのおそれがある、海外の有形・無形の文化遺産の保護について、これまで蓄積してきた知識・技術・経験を活用して協力するなど、我が国の顔の見える迅速で柔軟な国際貢献を図る。
◆文化発信を支える基盤整備(36,173百万円)
我が国の文化発信の拠点として、日本の顔となる国立美術館・博物館等の国立文化施設の整備等を推進する。京都国立博物館平常展示館建替工事(6年計画の第4年次)
ttp://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2009/12/28/1288506_3_1.pdf より
2010年度文科省予算案、事業仕分け関係
P32
子どもゆめ基金→ゼロ ただし、「基金は民間出えん金を残し政府出資金金額を返納しますが、事業費(23億円)を国立青少年教育振興機構運営費交付金の中で予算措置し、確実に事業が実施できるようにして参ります。」国立青少年教育振興機構の予算案9,987百万円(要求額10,495 前年度が知りたいな)
P34
文化関係@ ・芸術創造・地域文化振興事業等 10,458百万円 (要求額:11,637)
(・子どものための優れた舞台芸術体験事業 ・芸術創造・地域文化振興事業)
→ 「優れた芸術活動への重点支援については3年で1/2まで縮減するとおもに、地域の芸術拠点形成事業を2年で廃止するなど効率化を図りつつ、引き続き各般の施策を通じ文化の振興に努めて参ります。」
P35
文化関係A ・芸術家の国際交流 2,695百万円 (要求額:3,211)
→ 「海外公演の公演数や新規派遣の減などの効率化を図りつつ、引き続き各般の施策を通じ文化の振興に努めて参ります。」
・伝統文化こども教室 1,216百万円 (要求額:1,820)
→「当面、委託先の選定について透明性を高めるために一般競争入札の導入を検討して参ります。継続事業を中心に実施しつつ、本事業自体は3年後に廃止することとしておりますが、引き続き各般の施策と相俟って文化の振興に努めて参ります。」
・学校への芸術家派遣 ゼロ(要求額302百円) →「本事業については子どものための優れた舞台芸術体験事業に統合した上で、子どもの芸術体験活動に引き続き取り組んで参ります。」
・コミュニケーション教育拠点形成事業 ゼロ(要求額125百円) →「本事業については行わないことにしますが、文化庁が従来より実施している「子どものための優れた舞台芸術体験事業」の中で行われる学校現場の取組で得られた成果・課題等も活用し、児童・生徒のコミュニケーション能力の育成を図って参ります。」
12/30(水)
のんびり。
夜に見た映画は、この前、京都文化博物館でアイヌの文化・道具の展示を見て、映像で、踊りのすごさをみたこともあり、関連の映像を探していて、そうそう、内田吐夢監督の映画があったことを思い出したことからの鑑賞。
内田吐夢監督『森と湖のまつり』 http://nzm328.exblog.jp/1220704/←この映画批評に自分もほぼ賛同。東京東映1958年11月公開。113分。原作は武田泰淳。
カラー映画で美しい北海道の自然と人びと(アイヌ)の暮らしなのだが、すこし、どこか絵画のような人工的な感じがするのはどうしてだろう。お祭のシーンははじめすこしあり、98分ぐらいして、クライマックスの戦いの合図として出てくる。
それよりも、小舟のところでアイヌの若い女性(中原ひとみ)が演奏するムックリ(竹でできた口琴)に感銘を受ける。もちろん、音と彼女の糸をあやつる動きはまったく合ってはいなかったが。女優では、東京から来た画家に、香川京子、有馬稲子はアイヌの女(アイヌ研究家の教授に捨てられている)。
主人公は、アイヌ(ハーフだと分かるが)の文化的矜持と精神的経済的独立を回復しようとする一太郎(高倉健)。対する三国連太郎ふんする男もアイヌ。どうして決斗することになったのか、とか、あんまりぴんと来ないところあったのは、途中で自分がだれたせいかも知れない。
また、こちらがアイヌの歴史に弱いということもあるかも知れないが、なにせ、大和人がアイヌの女との結婚を逃げるということが二つもあって、それが一番の問題になっている。映画的娯楽性のためだろうが、アイヌ問題が矮小化されているきらいあり。結局、原作にしても監督・役者にしても、どこか、真剣にアイヌのことを内面化していないからかも。
12/31(木)
ツイッターの時間を思い切りとって、来年からはうまく時間配分しようと思った今年最後の日。
夜は、妻が作った正月料理をお重に入れるいつものお手伝い。頭を綺麗に剃ってもらう。それにしても今夜は寒い。
すこしの時間で、短い志賀直哉の小説を読む。「冬の往来」。この端的な描写はいまさらながらにうなる。中年になった男の中途半端な生き方をそのまま提示している。「山科の記憶」を読むために買ったのだが、一つ、老後の楽しみが増えた気持ち。
紅白歌合戦は一瞬見たが、音がうるさいしつまらないので、消音して画面だけ眺める。あわせて、美空ひばりでちゃんと聴いたことがなかったので取り寄せた『河童ブギウギ ベストセレクション』を流す。なかなか面白い組み合わせ。「河童ブギウギ」はもちろん楽しく(水玉とばしておどれよ・・・カッパブギウギ ギャッー)、「あの丘越えて」(ヤッホー ヤッホー)のメロディーなどが新鮮に聴こえる。
お風呂入って寝る前に、神道入門の本を読みながら(ちょうど、植民地だった台湾などの神社のことや移民と神社・新宗教のところ)、マリヤ・グリンベルクのピアノで、月光と熱情を聞く。一年の最後にしみじみとベートーヴェン。なんと幸せな。
昼は、あと3回の授業(イベントデザイン論)の準備をした。以下、そのレジュメメモ。
・・・・
★ 限界芸術論@鶴見俊輔さん
•生活と芸術との交じり合ったところにあるもの。限界政治、限界学問も同じ。
•いままで、芸術(アーツ)は、ハイアートとポピュラーアートというような二分法であった。
•純粋芸術は、専門芸術家が創って専門的鑑賞者だけが享受
•大衆芸術は、経営者(プロデューサ)が専門家を使って、大衆という鑑賞者(消費者)にヒットするように創られた作品(商品)
★ 鶴見俊輔『限界芸術論』(ちくま学芸文庫、1999年)p16
「生活の様式でありながら芸術の様式でもある」様式=フォーマット社会システムの様相
「職業として芸術家になる道をとおらないで生きる大部分の人間にとって、積極的な仕方で参加する芸術のジャンルは、すべて限界芸術にぞくする」
「芸術の意味を、純粋芸術・大衆芸術よりもひろく、人間生活の芸術的側面全体に解放する」
★ 冠婚葬祭やごっこ遊びは限界芸術
•限界芸術とは・・・非専門家によって創られ、非専門家によって享受される芸術
•つまり、人類の一番初めにあったもの。祭りや葬式。
•個人としても、一番初めに愉しんだアーツ。遊びといってもほとんど同じ(たとえば、 ごっこ 遊びは演劇だし、落書きはもちろん美術、体をくねくねするとダンス)
•小さな子は詩人で音楽家で俳優でもある
★ 冠婚葬祭マネジメントとは
•本来は限界芸術マネジメントということ。
•限界芸術は非専門的なのが特色。
•ところが、結婚式にも、専門企業や司祭さまが登場する。レストラン(外食)も。
•つまり、資本主義の進展→経済外部化の一つ。個人サービス業の拡大。
•ただし、俳優の多くは素人であり、手作りを助ける専門家がいるだけ、と考えることができる。そして、アーツ的には企業も宗教家も素人
★ 限界芸術結婚式の今日的復活は?
•大衆芸術結婚式=結婚式場、ホテルに任せる方法。操り人形と観客としての参列者。
•演出は金銭の多寡によって決定。純粋芸術的→クラシック奏者を雇ったり、高級料亭仕出し
•社会的な認知に加え、未来が未定型で不安だから、司祭、神主による神秘的儀式結合が必要
•他方、伝統的結婚式は限界芸術の形だが、
•地域的、家制度的伝統=しきたりに縛られて個人の自由な表現なし
★ 限界芸術結婚式の今日的復活-2
•今日的な限界芸術結婚式がいま必要
•自分たちらしい展開と参列者の祝福が相互・双方向に
•専門家はアドバイザー、ファシリテーター
•アーツプレースとしての式場、披露宴会場選びと演出の工夫
•主役や脇役に個性的表現自由と責任感
•参列者に、音楽・美術・ダンスなどの参加入口→思い出を共有してもらう演出構成と展示プログラム
★ プロセス化する婚礼マネジメント
•出会い→デート→恋の展開と相互理解→価値のすり合わせ→違いの許容→婚約→家族への紹介(→結納→仲人)→参列者・披露宴出席者決め
•限界芸術的に見ると・・・エチュードとワークショップによる試行錯誤、役柄、シナリオづくり、まさしく配役と脚本づくり、そして、観客創造の過程となる・・・・・主役のキャラクターづくり、他の脇役との台詞づくり、ターゲットとなる観客選び
★ プロセス化する婚礼マネジメント-2
•式場・会場・二次会パーティ選び→日時セット→衣装、演出プラン、引き出物→コーディネーターの打ち合わせ→通知→当日掲示・・・→新居、ハネムーンの決定→将来プラン(家庭のスタイル・カラーづくり、マネー計画、人生設計)
•・・・限界芸術マネジメントそのもの。客入れ、席順、プログラムづくり、サプライズ、音楽選び、小物、舞台美術などのほか、アーツマネジメントにおける宣伝美術や資金調達などが応用できる
★ アーツマネジメントは(限界)アーツを社会へ提示する術
•冠婚葬祭は、通過儀礼(通過する区切り)であるとともに、
•本人(死者を含む)がずっと関係することになる(地域)社会に出会い認められる舞台でもある。
•婚礼も葬送も行列によって人びとが立ち会った。いまは、教会や寺院、専門式場であったり、特別の演出を施した自宅、町家、レストラン、リゾートであったりする。
•鑑賞者、脇役のフロー(うっとり)づくり
★ 葬送のアーツマネジメント
•本人は亡くなった。でも、周りはまだそれを信じられない。
•どうしたらいいか。どうしたらお別れをいえるのか。
•主役は死者、遺体へと進み、埋葬。墓が造られる。
•おっと、その前にいまでは火葬という儀式もいる。
•聖者の行進=旅立ち、そして、残された生者にとっては、別れという儀式であり、
•記憶する、忘れないための舞台でもある葬式。
★ 葬送のアーツマネジメント2
•演劇空間である葬儀場。通夜の場。
•遺体と親族との対面、訪問者の花入れ。
•遺影の設置、花輪は美術インスタレーション。白い菊などのフラワーアレンジメント。
•焼香の振る舞いダンスと嗅覚への感応
•霊柩車への棺桶の移動。
•香典とお礼・お返し。入場料との連関。いり込み数の予測の難しさ。高齢化→会葬者減少
★ 葬送のアーツマネジメント3
•葬送は、仏教のかかわり大(神道は、神社は生誕・結婚に向かい:苦悩に対応しない方かも)
•死後の世界。西方浄土。成仏。 ほとけさま 。
•浄土へ行くための戒名(法名):死後の名前(生前に修行をすればもらえるのだが)
• 苦しい現世に未練をなくすこと。葬送には、幽霊でうらめしや!と死霊となって彷徨 わ ないでいてほしい、という裏の気持ちもある。とりわけ、訳アリの死においては。
★ 碑文谷創『「お葬式」はなぜするの?』講談社α文庫、2009 より
•最近までの死と葬儀を巡る変化
•1985年頃から ターミナルケア(終末期医療) 尊厳死 キュアだけからケアも
•戦後復興期までは死は身近→死を拒否・忌避(高度成長期)→死を認める・受容へ(現在へ)
•1960年以降の死 自宅から病院へ(そのまま、葬儀会館)
•仏式葬儀は、89.5 %
★ 「お葬式」はなぜ-2
•マイ墓ブーム・・・各家族単位
•もともと庶民には、石塔はなかった(卒塔婆のみ)→家墓制度の定着(近代化)
•→永代供養墓(合葬式墓地)、散骨、樹木葬
•葬式の個人化:平均会葬者132人(05年)←280人(1991年):家族に迷惑をかけたくない(生前)
• 家族葬(1995年以降):死者をよく知っている人たちだけで・・ゆっくりと時間をかけてお別れ、深い哀しみ(グリーフ)に浸りたい
★ 「お葬式」はなぜ-3
• 従来は、通夜が前日にあって、葬儀・告別式が続けて行われ、そこに会葬者
• 最近(21 世紀)の傾向(個人化多様化):
•(1)通夜に会葬者多くなる傾向(告別式化)、葬儀本番には、近親者のみのことも
•(2)遺体を自宅に安置するケースが減少
•(3)直葬(ちょくそう):葬式自体をせず、遺体処理としての火葬のみ:僧侶読経あることも
•(4)ホテルなどでの「お別れの会」無宗教:献花のみ
★ 「お葬式」はなぜー4 葬儀事業者
•葬儀市場 年間1.4兆円
•事業者数6000(実質は4500程度)
事業者平均:年間150件、一件当り150万円
•80年代以降、葬祭会館(斎場)の増加 5000
2007年調査(病院死亡82%)では、
斎場葬儀は、64.9%
自宅葬は、12.7%(1992年では52.8%)
あとは寺院・教会、集会場など
★ 「お葬式」はなぜー5 葬儀の変化の社会的背景
@ バルブ景気の崩壊
A 超高齢化
B 地域・家→核家族→家族分散
地域コミュニティの弱体化、親戚関係の希薄化
C 死のポルノグラフィー化
リアルな死を隠す、見ないようにする社会意識
D 宗教意識の拡散
E 葬式を知らない時代・・・葬儀社任せ
★ 「お葬式」はなぜー6 葬儀の原点
@ いのちの尊厳
遺体となった死者を大切にし、生死を含めて弔う
A 遺族の心の痛み
B 死の事実の確認
死の看取→枕経→納棺・・・拾骨:ステップごとに
C 悲嘆(グリーフ)の表出
死別した近親者が深い哀しみを表に出せること
D 心の中へ 忘れるのではなく刻む記憶
E 共感 周囲の人びとが遺族に共感
★ 「お葬式」はなぜー8 死を共同的な営みへ
二人称の死の不在
(孤独な一人称の死と三人称の死の報道だけ)
◎「人の死に出会うということは、自分の小さな死を体験することだ」
◎人生の中で人間関係が大きな比重を占める
→自分と関係した人の死は、他人事ではない
◎自分とは、その亡くなった人との関係によっても構成されていた
→その関係が消滅したということは自分の部分的な死
◎死は共同的な営みであるべきだ
★ 「お葬式」はなぜー9 映画『おくりびと』から
◎映画『おくりびと』は、死から目を逸らすのではなく、向かい合うべきものということを、納棺師を通じて伝えた (問題点としては宗教者の不在)
◎さらにすすんで、エンバーミング(遺体衛生保全)が重要なものに:遺体に対する消毒殺菌・防腐・修復・化粧・・・慌てずに葬儀が挙行でき、ビューイング葬、遺族が触れ合うことが可能に
◎03〜IFSA(社団法人日本遺体衛生保全協会)のエンバーマー試験(2年の履修)
★ 「お葬式」はなぜー10 お墓の革命
◎家墓(いえはか)明治の後期以降 それまでは個人ごと(石塔がない場合も多かった)
納骨堂(北海道や九州では昔から)
◎人口移動、一人っ子同士の結婚、無縁墓
◎跡継ぎを必要としない永代供養墓 500、
散骨(スキャタリング:2ミリ以下)、
樹木葬(桜葬)
◎手元供養:遺骨を仏壇に、イアリングなどに
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