こぐれ日録 KOGURE Diary 2009.2/2-2/8


こぐれ日録626 2009年 2/2〜2/8

2/2(月)

きょうは、教務委員としての最後のお仕事かな、と思いつつ、
今年度はじめてすることになった、履修ガイダンスをこなす。
初めてということもあり、配布物の思いもかけない設置場所ということもあって、
けっこうくたびれる。喉の調子が少し心配。

1回生や2回生が、09年度には、2回生、3回生になる。そのタイミングでこの時間を持つことは、もっともっと工夫が必要だが、意味があるのかなとは思う(新4回生向けは要検討かな)。
学科主任さんがちゃんと10分間で総括をしてもらったので、すこし楽だった。
こういう機会は、おんなじ学科の先生同士がどういう考え方で就職活動を指導しようとしているのか、卒業研究をドライブしておられるのか、こちらが確認できる機会でもある。

09年度のゼミ生をそのあと集めて少しこれからの予定を知らせ、メールを教えてもらう。
2/27の東部文化会館での子どもの文化フォーラム実行委員会には、新3回生が5名前後、新2回生が1〜2名来そうだ。できれば、3月にかえっこバザールがあるといいのだが・・・さがさなくちゃ。

帰って、スーパーボールの録画を見る。
カーディナルス、おしかった。
明日まで、一人。はなの東京ライブがあるため。


2/3(火)

ぼけている。
2回生ゼミ生で、おかしいな、レポート出していないなんて(いつも丁寧な文章をちゃんと出す学生だったので)、と思って自宅からメール。
研究室で成績記録を見ると自分の科目間違いだったので、アーツ鑑賞演習の方出してないでしょ、とメールすると出しているとのこと。
で、よく探すと・・・おお。ゼミレポートと一緒に鑑賞レポートも受け取っていて、ゼミレポートと同じ袋に鑑賞レポートも入れていたというわけ。まあ、よかったわ。

これだけが気になった点だったので、あとはスムーズに入力。
9科目の成績入力完了。
これで、またひとつ2008年度のお仕事のかたがついたことになるな。

京都駅前の8階の会議室で、平成20年度戦略的大学連携支援事業「地域公共人材のための京都府内における教育・研修プログラムと地域資格認定制度の開発」第2回運営協議会という長い名前の会議に出る。
司会している教授の方がずいぶん早口でずっとしゃべっておられて、よくこんなにいっぱいいっぱいしゃべりはるなあと感心してみていた。でも、私がここにいるのは明らかにミスキャストなので、そして、それが分かっているので事務職の方が2名も一緒に来ていただいて、ひたすら恐縮している。

帰って、東京から取材に来るという方が来れなくなり、そのかわりの電話取材。
ふるさと創生の話だと聞いていたら、ほとんどふるさとキャラバンさんの話だった。
たいしてお役に立てなかったかも知れないな。

今日まで一人。
芳江がいなので、ホラー映画を見ようかと思ったが、結局、ロバート・オルドリッチ監督の『攻撃 ATTACK!』(1956年製作、モノクロ、109分)を見た。いやあ、戦場だけしか出ないのに、社会や心理の暗部を実にまじめにえぐっていて、ホラー以上にぞっとするけれど、同時に嘘っぽさがみじんもないだけに、清らかな気持ちにもなる映画。

どうしようもなく臆病で逃げ専門のダメ大尉クーニーは、親父が地方の名士(判事)であることだけで、その地位にある。バートレット大佐はクーニーの親父に取り入って政界に出たいという世俗野心のためだけに、まったく役に立たないクーニーに部隊を任すことにしている。いやあ、部下はたまったものではない。自分本位で部下を見殺しにする最低の上司に配属された場合、部下はどこまで耐え、どうなっていくのか。新人研修とかに使えそうな映画でもある。でも、生死が伴うので戦争ではまったく悲惨以外の何物でもない。


2/4(水)

あさ、かえっこバザールのアンケートが来ていた。以下のようにメールしておく。
京都橘大学こぐれゼミでのかえっこバザールについて、お答えさせていただきます。なお、2009年は、6/7(日)京都市東部文化会館は決まっていますが、その前にプレかえっこをしたいのですけれど、日程が定まっていません。また、秋にも去年しようかと思いつつできませんでした。今年も未定です。これは別の団体の企画ですが、去年、滋賀県栗東市のさきらという文化ホールの夏祭りでかえっこバザールを実施されました(小暮はさきらの運営委員)。2008/7/27

> ◎どこで(開催地・開催会場)
2008.5.11(日)  京都市山科青少年活動センター
2008.6.8(日)  京都市東部文化会館

> ◎いつ(定期開催の日時あるいは時期)
去年から、毎年6月頃に東部文化会館で行われてきている山科醍醐地域の「子どもの文化フォーラム」の一環として開始。

> ◎どんなテーマ・コンセプトで(イベントの開催趣旨・目的)
1) 地域の子どもたちをとりまく文化環境をよくしていくこと(「子どもの文化フォーラム」の趣旨と同じ)
2) アーツマネジメント(文化政策)を学ぶ学生の実践的学習の機会づくり
3) 地域にアーツプロジェクトが根付くきっかけづくり
・・・・

入学試験監督、1日目。明日は試験監督とプラスアルファ。あさっては予備人員。しあさって(7日)は採点。今年から一般入試前期が3日間あることになっていたことをすっかり忘れていて、土曜日まで仕事だったわけで、ちょっとあわてる。NO-MAのアロイーズ展、7日の午前中に行こうと思っていたが、6日があけば、ここで行こう。

【読書メモ】
山極寿一編著『ヒトはどのようにしてつくられたか』岩波書店、2007年。

600〜700万年前以降つい最近まで、ヒト(ホミニド)は、狩猟採集で暮らしていたこと(農耕牧畜が始まったのは、1万年前なので、99%以上の期間、狩猟採集時代だったんだよね)。ヒトに枝分れする前まで、そして、そのあとも、かなりの間、森林の樹上・樹間に住み、果実や葉っぱなど植物を中心とした食生活(狩もしていたが、肉食は10%もないぐらいだったかも)をしていたこと。

とくに、昼間に活動する類人猿+ヒトには、視覚の発達が、森林生活には欠かせないわけで、枝をわたるための立体視の発達(両眼が前方につく)、果実の熟し具合を知るために、色彩の識別が発達(赤い色が特に好き、目立つようになるのはそのため)する。他方、嗅覚は、樹上だと地上のようには遠くからのにおいが判別できないので、退化。同じく、聴覚も、遠くの仲間に信号を送ったりもしないので、あまり鋭くなくなる。かわりに、視覚とともに、触覚、手の発達が著しくなる。なるほど・・・

芸術(技術、職人)のことを考えるとき、ヒトの五感の特色を動物学(自然人類学)的に知ることも大切だな、と最近読んでいる本で学んでいるところだ。


2/5(木)

今日も入試関係のお仕事。
個人研究費の今年度分の処理終了。あとはFD関係の書類を作ると、2008年度の業務もだいたい終わりそうだ。研究室の掃除・整理をしなくちゃいけないのだが、これがめんどくさいな。かえっこの用具とかも新年度に向けてちゃんと整理しておく必要もある(でもこれはゼミ生にしてもらおうかな)。

帰って、黒沢清監督『勝手にしやがれ!!成金計画』(1996年、81分)。哀川翔&前田耕陽コンビ『勝手にしやがれ!!』シリーズの第5弾。OLに鈴木早智子。彼女がヘロイン8億円分をもらってしまったために騒動が起きる。いつもそのヘロインを奪いに来て、でも、いつも(最後はちがったが)親分に呼び戻されるヤクザに蟷螂襲。蟷螂さんが出てきたとき、いつも舞台で見ているので、ちょっと変な感じがした(もちろん、面白いキャラを演じていてうまいと思ったが)。

太陽歴なのだから(太陰太陽暦ではなくなったのだから)、「月」はおかしいんじゃないか、という主張<"http://www.geocities.jp/planetnekonta2/hanasi/cal/calendar.html">を読んで、それも一理あるな、と思った。
12月をなくして通算にすると、今日は、2009年36日となる。かなり変な感じはするけど。
祝日がずいぶん影響を受ける。重陽の節句<とかは意味不明に(→旧暦=太陰太陽暦を併用すればいいということかも)。
逆に、太陰太陽暦との混同がなくなり、二十四節気が分かりやすくなるとともに、太陰太陽暦が復活する方向ならなかなかいいかもしれない。

でも、現代詩を楽しみはじめた中学生のころ、英語で
April is the cruellest month・・・と読んだエリオット詩集とかもあるし・・・
月をなくす、というのはなかなか文化的な損失かもなあ・・・


2/6(金)

かえっこバザールが京都で行われる(2/15)ので、新2回生ゼミ生が参加したらいいな、と思ったり、大津と彦根でバリアフリー映画祭があるので、これも、文化ボランティアとしても大切な機会だと思ったりして、メールしたり、ブログにアップしたりする。

まどみちおさんの詩をひさしぶりに読む。ただ、全詩集を探すのに苦労した。ずいぶん開けていなかったから。CAP STUDIO Q2にて、まどみちおさんの詩にかってにアーツするという公募展が3月にあるのだ。楽しみ。こういう企画はじつに興味深い。そうそう、卒業制作のヒントになるぞ(新3回生へ)。

ボーダレス・アートミュージアムNO-MA春の企画展『アール・ブリュット作品との対話〜心の病と表現衝動〜』・・・これは、NO-MAでは、『アロイーズ 私の愛は、蝶のように飛び去った・・・』(アートディレクター:工藤和彦)、第2会場の旧吉田邸では『目覚めぬ夢〜日韓のアール・ブリュットたち〜』(アートディレクター:はたよしこ)から構成されている・・・をたずねに昼から近江八幡へ。

これだけでもタイトルが長いが、助成の関係で、あと、平成20年度文化庁芸術拠点形成事業(ミュージアムタウン構想の推進)という肩書きと、バリアフリー映画祭などで構成されている第8回全国障害者芸術・文化祭滋賀大会の協賛事業という肩書きもつき、ついでにいえば、助成は日本財団さんと、あと、swiss arts council prohelvetiaさん。となっている。あと、アロイーズ財団さんが企画協力。いやあ、チラシを作ることを学習(研究)の一つとして大学で取り上げているが、アーツマネジメント関係だけでも、こんなに関係団体(者)が多いので、この一つ一つの団体のミッションや意味、機能、インフォーマルな政治性など、言い出すと、これで大論文になってしまうのだ。

アロイーズを第2期から第5期まで、作者の変遷を絵巻物のように見られるのが、この展覧会の醍醐味。とくに、2階の大きな絵巻物が圧巻であった。わたしは、第2期のまだ少しおずおずした線や色鉛筆の塗り、そして、寒色の多い画面が実に新鮮で、第1期など初期のアロイーズも含めてしっかり目にとどめることで、開花するアロイーズの幻想・物語をより深く鑑賞できるのだなあと思った。

旧吉田邸(NO-MA yoshida annexとでも呼びたいぐらい、NO-MAの別館として使わせていただいている)では、土間に大きな韓国の作家、周愛英の女性像があり、これは、ちょくせつ的にアロイーズと呼応しているが、3枚のうち、2枚が黒い美しいドレスであり、韓国の美術といえば、モノクローム、漆黒の美しさを連想するのだが、その風土というのも関係があるのかしら、と思ったりもする。
あとは、木本博俊や山崎健一の繊細なアート、そして、土屋正彦の父親コンプレックス的肖像。奥にここでは一番興味を抱いた高橋重美の妄想のなかの美しい女性と自分との抱擁図があって、しずかに、yoshida annexで、NO-MA本館での鑑賞体験とを比較したりする。

いつものように、醤油を買い、いつも、ほんとに美味しいの?と思っているだけで買ったことのなかったバームクーへンを買って、家路に着く。
ちょうど、この前メモをした山極さんの本『ヒトはどのようにつくられたか』を読み終える小旅行でもあった。黄色い蛍光ペンでマークした数節を引用しておこう。

P220《星を一緒に見る、海を一緒に見る、映画を一緒に見る、という行為を相手と繰り返しながら、かけがえのない仲間意識を確認しあうのが、ヒトの日常なのだ。》
《類人猿の類像的、全体的、操作的なコミュニケーションが、初期のヒトでは歌や踊りとして表現されるようになったというわけである。》

P226《さて、ヒトは、ゴリラのような小さな睾丸を大きくするように進化したのか、それともチンパンジーのような大きな睾丸を小さくするように進化したのか、どちらなのだろう》(チンパンジーは妊娠するために1000回の交尾をする必要があり、大量の精子が必要なのだそうだ)

P227《(ヒトは、どのようにして、集団生活と家族生活を両立させるような社会性を達成したか、という問いかけのあと)・・・おそらくそれは、食の公開と性の隠蔽によって達成されたのではないかと私は思う。この二つはヒト以外の霊長類と正反対の特徴である。霊長類にとって採食はあくまで個体本位の行動で、食物は仲間と分け合うものではない。逆に性交渉は仲間の目の前で繰り広げられる。・・・・ところがヒトは常に仲間と一緒に食物を分け合って食べようとするし、誰の目も届かない密室で性行為に耽る。この傾向は文化を超えて普遍的である。》

最後のところは、市場原理主義が「食の公開」や分け合い、共食の伝統を脅かしていることや、性の隠蔽についても怪しくなっていることなど、現代人類の霊長学からの警告なのかも知れないなと思ったりもした。

夜、のんびり、周防正行監督『ファンシイダンス』(101分、1989年)を見た。
直接的には、シコふんじゃった。につながる俳優が多いし、もっくんはより若く、僧服って確かにおしゃれでかっこよく、いまみても、かなり面白い。Shall We ダンス?と題名的にはつながってもいて、周防研究もまた面白・・・

ただ、この映画は原作がマンガ(岡野玲子)だったのだけれど、そういえば、最近、電車の中でマンガを読む人が減っているなとも思う。携帯かなにかしらのゲームばかりしている。
バブル時代の会社の様子は隔世の感があるし、ライブハウスだってずいぶん様変わりしている。時代風俗研究にいい映画でもある。


2/7(土)

9時までに大学へ行く土曜日。
すこし早くいって、さきらと文化庁との申請に関するの用事をすます。
さて、9時から校務開始。ぶじ、15時には終わる。
そのあと、3/27までの締め切りなのに1月早々に依頼が来ていた「教員の教育自己点検・評価のための調査」を書いて、メールする。"http://docs.google.com/Doc?id=dd2cpzz4_154d9nbw8hp"

これで、だいたい08年度のお仕事は終わったはずだ・・・

京阪五条駅から、五條楽園歌舞練場へ。
劇団態変の福森さんも来られていて、一緒に階段を上って、3階の方へ間違って案内しかけた。余計に脚に負担をかけてしまう(ごめんなさい)。どうも一番初めに行った場所に無意識に向かってしまうようだ。
山崎泰孝先生が来られたり、世界中を旅して「自然(じねん)のワークショップや公演を続けている竹之内淳志さんに久しぶりに会ったりする。沖縄、東京公演のあと、3/17には京都ALS-Dでライブ。30名限定なので、早く予約しなくちゃ。

そんなこともありながら、今貂子+綺羅座舞踏公演『鯉つかみ』を堪能する。80分程度。満席で、掛け声が楽しい。はじまりの腕の浮遊感。無重力、いや浮力で浮かぶ鰭なんだなあ。なるほど。ぱくぱくと。
装束は鯉のうろこ。ドレスが水流にふくらみもだえて・・・

今さんのソロが迫力いっぱいで、ほかのみんなもレビューのようにテンポよく、じぶんなりのパフォーマンスを見せている。場所柄もあり、舞台の雰囲気もそうだが、三味線がとりわけ似合う。林まゆみ、長唄。唄い方が枡屋丈一朗、和太鼓(笛):牧浦健一。


2/8(日)

池田彌三郎『日本の幽霊』(中公文庫、1974年初版、2004年改版→堤邦彦解説あり)を読みつつ、山科へ。「場所に出る妖怪」のところに、山科が妖怪出現場所になっていて、びっくり。

独身なのに懐妊してしまった産女が半分自殺気味に南山科に行き、鬼だろうと思われる老女のもと、男子を出産。老女が「あなうまげ、ただ一口(うまそうだなあ、一口にあのあかちゃんを食べたい)」とつぶやいているのを聞き、これは鬼だと分かり、老女が昼寝をしている隙に逃げた話が今昔物語にあるのだそうだ(第27巻)。
また、同じ今昔物語には、在原業平が女を盗み出し、人気のない北山科へ行き、倉に女をおしやって雷鳴の夜が明けるまで待ち、中をみやると、女は頭と着物だけを残して消えていた、という話があり、それが、伊勢物語に取り入れていくという。

さて、めくるめく紙芝居ワークショップ(山科青少年活動センター)。15時から18時。

なお、次回は、2/21(土)10時から13時、そのあともう一回入るかも知れないが、3/29(日)14時から17時が決まった。場所はいつもの山科青少年活動センター。ゼミ生の参加をなんとしても増やしたいもの。
公演が4/19にはしないことになり、5月という話も出ていた。ただし、5/16、5/17は、10時〜12時に東山青少年活動センターにて2回生ゼミの舞台づくりワークショップがあり、その1週間前あたりに、かえっこバザールを去年と同じようにしたいと思っていて、6/7の子どもの文化フォーラム本番を考えると、かなりタイトな日程調整が必要になりそうだ。

きょうは、絵の具がなかったこともあって、ずっと、音楽のワークショップをしていたのだが、新年会でほろよい気分のY兄弟が、ゆうれい、ゆうれい、と騒ぐ(はじめは弟の方がそういったのだが、そのうち兄は幽霊に自分の肩を背後から触られたというのだ)。そして、幽霊を追い出す音楽をしようというのだ。じつは、骸骨の手ぬぐいを今日はたまたまかぶっていたが、なんだか、符牒が合いすぎなぐらいだ。ドラキュラとかホラーとかが好きだという。

平盛小学校で依然使っていた給食の入れ物がいらなくなったようで、それを絵の具入れにつかっているという林加奈さん。それを叩くとかなりいい音。いっぱいあるので、ガムランのように並べて叩くと、音階になることがわかって、これはじつに楽しかった。


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