こぐれ日録 KOGURE Diary 2009.5/4〜5/10


こぐれ日録639 2009年 5/4〜5/10

5/4(月)

RADWIMPSのおしゃかしゃまなどを聴く(見る)と、マーガレッド・ズロースって、ずいぶん私にも分かる(つまりはオールドぽい)バンドかもなあと思ったりもする朝。でも、歌詞が歌詞カードなく聞き取れることが私には心地よいのね。RADWIMPSぐらい若いバンドのこともわたし一応学生相手の商売なので、インプットしなくちゃとも思いつつ。

第38回中之島まつり。鶴見区の同士がやっているという、河内地車囃子保存会の音を聞きながら、幼いバラ園を見る。歌のステージでしばし手拍子。かえっこバザールは、わんぱくゾーンでのんびりやっている。ちょっと、イメージが違うのは、かえっこカードが独自ぽい(もちろん共通なのだろうが)のと、来たら参加バッチみたいなのがもられるのと、どうもいらなくなったおもちゃを持ってくる人が見えなかった(このときたまたまかも)こと、そして、5ポイントで食べ物がもらえるコーナーがあったこと。

難波まで下ってから近鉄→阪神電車で岩屋駅。兵庫県立美術館。
『20世紀のはじまりピカソとクレーの生きた時代展―ドイツ、ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館所蔵』。いやあ、17年ほどまえ、デュッセルドルフで楽しんだ美術館の収蔵物にまた出会えるとは!だから、パウル・クレーの絵は、前見た作品との再会がほとんどだったが(少し初めて見たスケッチなどは新鮮)、それがまたいいのはなぜだろう。

ドイツの同時期か少し前の作品にもうっとり。フランツ・マルクやアウグスト・マッケ。新たに、ジョージ・グロスのような社会的な作品にもそそのかされる。オスカー・シュレンマー、ハイム・スーティン、それに、ロベール・ドローネ。

そうそう、これは芳江に教えてあげなくちゃと思ったジョルジョ・モランディの初期の静物画。エルンストにもしびれるし、マグリットはまあどうでもいいと思いつつ、それなりに面白い。マン・レイの小さな油絵、カンディンスキーの習作。

ドイツにおける文化政策が州単位にあること。退廃芸術だとして追放してしまったクレーなどの作品を買い戻すことが、戦後の大切な国家政策であったこと。それを改めて感じ見る。でも、クレーの前では、他の作品の前よりも数倍長く止まっている自分がいる。とりわけ「山の精」は妖怪研究に通じ、「活気づいたものたち」の線の動きにどうしても踊ってしまうからだがある。

そうそう、光島孝之『光のぬくもりを感じて』(2002)が、あの柳原義達『道標・鴉』とともにあって、思いがけずこちらも懐かしく。

よる、ジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』(1902)、『日食』(1907)を授業準備としてちゃんと再見。いっしょにあったハンス・リヒターの『午前の幽霊』(1928)が思わぬ発見。エッゲリング『対角線交響楽』の控えめもかわいい。


5/5(火)

守山駅からタクシーに乗る。
第二回守山野外美術展、お寺deアートin東光寺。http://www.usennet.ne.jp/~tokoji/yurai/yurai.htm
2440円。帰りはバスだった。460円。
東光寺の川本住職は尺八や笙を吹く。笙は声明のためだという。井上信太さんが持ってきた鉦のなかで、平調(ひょうじょう)の音のものをもらおうと探しているらしい。音楽に詳しく、なかなかのインテリ人の方と見受けた。子どもさんがいて、お地蔵さんの前の石に絵を描く。地蔵さんの祠が新しくなっていた。本尊が阿弥陀さん、天台宗から別れた天台真盛(てんだいしんせい)宗(大津市・坂本の西教寺が本山)で、戒律と称名を併せ持つ教えなのだという。蓮如の頃に出てきた、一つの折衷主義というか改良主義なのだろう。

隣接する民家もいまはお寺さんが所有していて、そこでもこの美術展が展開している。ほんまさんが門番をしていた。今日は、ここ、幸津川(さずがわ)町のお祭りの日。小学校5年生の3人の女子が朱の袴もすがすがしい巫女さんに変身して遊びに来ている。去年も来ていて、じつにアートに慣れているなという感じがじつに気持ちがいい。

正午すぎから、すしきり(フナ寿司の原型のものを立派な包丁で切り神に奉納するもの)の儀式が近くの下新川(しもにいかわ)神社で始まるというので、見に行く。http://www.usennet.ne.jp/~jf3ddp/maturi/susikiri_3.htm
その後、神とともに共食する=みんなで食する祭祀となるのだろう。このお祭りは、集落ごとに当番が決まり、みんなかっこいい衣装に身を包みお面をし、花笠を被っている。中学生ぐらいの男子二人が先輩たちに見守られながら(ときには野次られながら)必死で儀式をしている。見物客も多い。馬がやってきたりする。神の馬である。

カレーライス300円。溶けるチーズつき。大盛りもルー足しも自由。そして、フナ寿司の原型の塩づけのフナも出る。美味しい。巻き寿司もあったのだが、少しおかずを買っていたので(御握りだけかと思い)、食べられなかった。残念。

そのうち、林加奈さんたちが来る。インスタレーションのところを舞台のようにして子どもたちらとあそぶ。楽器投げ。はい、ポーズあそび。たまたま持っていた小川未明の怪談短編を読みながら眺めている。今日はひんやりする。そういえば、お祭りなのにお酒が振舞われていなかったな。昼だからか、子どもが中心だからか。少し小雨が降り出す。

本堂内で二つ林さんの紙芝居を堪能する。反応のいい男子がいてかわいい。彼は、前にも木魚を叩いてもいいって聞いたりじつに積極的。豊中から来ているという。ワニバレエの話になったりする。紙芝居は2つ。一つは精華大で作られた追悼もどき紙芝居「ここはなかよ市〜SHOVOMESHOVOMEその人生」。もう一つは唐崎の作業所で作られた、おしゃかさまと妖怪が瓜二つのもの。「天国へ続く道」。
どちらもじつに面白く、観客参加型になっていた。

そうそう、紙芝居が始まるまでに時間があいていたので、小川未明の「金の輪」を読んでみた。マイクもあったので。4分程度か。短いが最後が強烈。でも、その最後を読み間違えていた・・・二三日をにじゅうさんにちと読んでいた。帰って子供向けの童話で確かめると、二、三日(にさんにち)だった。


5/6(水)

連休の最後。今日はずっと家にいようと思っていた。でも、アリさんのブログかなにかでライブに17時からだったら行こうかと思ってみたりもした。でも、けっきょく、電話が海外からかかってきたりしているうちに予定通り、ずっと家にいた。

見た映画:
ジョン・フォード監督『周遊する蒸気船』1935年、81分。ミシシッピ河で私も乗ったな。ウィル・ドジャース(主演)が、撮影終了後飛行機事故で亡くなったのだそうだ。蝋人形とか健康飲料とかを燃やすのが面白い。新しい預言者たち。沼の人と河の人の対立・差別構造。

塩田明彦監督『害虫』2002年、92分。昔観たのに、また観た。宮崎あおいの成人の姿を知ってから、また中学1年生(小学校6年生のときのシーン、先生に長い髪を拭いてもらう回想シーンもあり)の宮崎を見るものまた面白い。田辺誠一、りょう、そして蒼井優。

読んでいた古い新書:
邦正美『舞踊の文化史』岩波新書、694。1968年。ナショナル・ダンスとキャラクター・ダンス。はじめて聞く概念だった。いまではほとんど使っていないのではないだろうか。たとえば、p76
《 「日本舞踊」は日本のナショナル・ダンスである。それは芸術舞踊として日本固有の文化や伝統としっかり結びついている。ハンガリアやスペイン、インドやタイなどはそれぞれ立派なナショナル・ダンスをもっている国々であるが、ドイツやフランスはそれをもっていない。》

P77
《 その中でももっともよく知られ、親しまれているのはハンガリアである。ハンガリアからは「チェルダッシュ」「フリシュカ」「ベルブンコシュ」「カーロイケトシュ」「ポロトシュ」など数多くのキャラクター・ダンスが出ている。またハンガリアはこれらのキャラクター・ダンスを含めてナショナル・ダンスをもっている、世界でも有数の舞踊の国でもある。》

キャラクター・ダンスとナショナル・ダンスとの区別は未だに少し分かっていないな、私は。ただ、フォーク・ダンスが村境や国境を越えると、まずキャラクター・ダンスになり、でも、もともとのフォーク・ダンスはその土地特有のものとして残るともいう。また、これが宮廷にも取り入れられると「コート・ダンス」にもなる・・・このあたり、なかなかに面白い。

邦正美さんは、2007年、99歳でなくなったという。土方巽で有名なアスベスト館の一番初めの関係者。


5/7(木)

久しぶりに授業。
近大へ、小ぬか雨。あさ、このまえのワークショップ体験者からの質問があったので、答えを一応書いて送る。
授業は、ある意味、アーツマネジメントの諸相を見せて行く定義の変容なのだが、ようやく、第6種目の定義をしめして、定義コーナーはようやく終わる。プロフェッショナルとアマチュア論とを重ねてみたのは、今回がはじめての試み。順番も去年までとは少し変わった。一応、どんな順番で話したか、骨子を下に:
・・・・
【アーツマネジメントの定義】    
・ 芸術と社会との出会いをアレンジすること
・ アーツで「うっとり」をつくること     
・ アーツによっていかに社会を変えていけるかを追求する実践的営み
・ 文化政策の一つであり、アーツという文化分野を担う実践的営み  
     文化政策・・・文化を通して人びとの幸せサポートをすること
・ アーツをうまくやっていくこと  
     マネジメント・・・なんとかうまくやっていく、Show must go on!
・の系・・・・アーツ組織の運営ないしアーツ事業の継続的・計画的な遂行をすすめていくこと
・の系の系  
アーツの共通目的を設定し、その目的をめざし、コミュニケーションと貢献意欲を確保して、
アーツ組織内外の資源を有効かつ効率的に使うこと
             資源・・・ヒト、モノ、カネ、情報

・ アーツのアマチュアたちをプロフェッショナルな活動へと進化させる実践的営み
(アーツのプロフェッショナルとアマチュア論から発展する定義)
◎プロフェッショナル・・・社会性(社会への意識+社会による認知)を持ち、その結果、それが職業になっていくことが理想
アマチュア・・・それを愛する人、ディレッタント(愛好者)
◎進化の例示
アマのアーティストだけ→アマのアーティスト+アマのアーツマ→アマのアーティスト+プロのアーツマ→プロのアーティスト+プロのアーツマ→アマのアーティスト(新しく)→・・・繰り返して広がり子孫へ

・の系 【アーツマネジメントの包括的定義】
a) アーツを取り巻く諸環境のなかで、・・・・・・・・・・環境条件の認知
     ex.まちなかアーツ・・・いまの子どもの環境(学校、家族、友達)、その地域の環境
b) アーツの社会的意義を明らかにすることにより、・・・・使命の明示
        公共的意義(アーツの公共性論)と、
        経済的価値(経営的利得、マーケットデザイン論)とのmix
c) 社会の支持を獲得して、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・市民サポートの獲得
d) そのアーツ活動を継続・発展させること。・・・・・・・アーティストの活動保障
・・・・・


5/8(金)

1限目、都市とアーツ。
リュミエール兄弟「汽車の到着」エトセトラ(1895)とメリエス『月世界旅行』(1902)。ホースの水いたずら、これが、ずいぶん受けていた。漫画との対比もあって、映画が分節化する前後がこの二つだけでもよくわかる。
感想を書かせたが、なかなかちゃんと観ている。
リュミエールの映像は注文していたが、タッチの差でまにあわず、ロメールの『獅子座』の付録(ルノワール監督がルイ・リュミエールを語るというもの)を使う。9501教室のDVDは時間数が出ないので操作性が悪すぎ。日本人が最初に撮影した映画のなかに、お棺から死体が抜け出して動き出す話などがあることをしって、一人ほくそえむ。で、来週は、アニメーション映画概論をちょいとして、ルパン三世の見比べなんぞもいれつつ、原恵一監督論へ。

出席は114名。すこし減ったな。うち、90名が、6/7の子どもの文化フォーラム出席だと出席カードに○をつけている。
だいたい、この数字ぐらいが来るだろう。アーツマネジメント論では、30名ぐらいだったので、120名程度か。
来週の水曜日にもう一度確かめよう。

2限目、政治学概論。政治家の1日。給料などの話。ちょっと、粗い授業になってしまった。
つづくと、どうしてもはじめの方に力が行ってしまう。まったく、違う分野なので、使う脳も違うしなあ。
憲法41条とあって、すぐにそのあとの条文など頭に浮かばないから、準備が必要だと痛感。

政治学を受講している二回生の二人から、女子サッカー同好会の顧問になれといわれる。このまえ、ドッジボール同好会の顧問要請を断った(すでに、和太鼓部と演劇部の顧問を一応しているから)ので、受けると悪いかなと、そこにいたドッジボールのT君に聞くと、大丈夫です、O先生になってもらいましたから、というので、顧問を引き受ける。エネルギーをうまくそれで調整してくれるといいのだが。

学生が作ったアンケート。あれこれ。ようやく何とかなりそうなので、150枚作成しておく。
明日、挟み込みを経験させることに。

3回生が来て、難関就職セミナーっていうのか、そういうのを9501教室で聞くという。あとで行ってみたが、彼女はいなかったみたい(履歴書用紙を卒業生がおいていったので、また渡さなくちゃ)。


5/9(土)

井口昇『クルシメさん』『私とクルシメさん』『俺の空(くう)」などを観てから、大学へ。
たしかに、新井亜樹(大人計画)に対する唯野未歩子はステキな取り合わせ。

唯野を、黒沢清映画(『大いなる幻影』1999)で観たからこれを買ったのか、どうか、いまになっては思い出せない。監督は、かなりきわどい感じな大人計画の井口昇。自主製作映画とか、そういう例示として授業に使えるか、と思っていたが、これはよそう。とくに、「アトピー刑事」は我が家では無理だ。

さあ、第3回かえっこバザールinやましな2009の前日準備はどうかなと思い、大学に午後でかける。
久しぶりに山科音頭などをケンハモしてみる。
大学まで来て準備した学生、7名 17時半集合。
全員で、11名が参加。イラストがうまい学生など、てきぱき。
写真はこちら_"http://picasaweb.google.co.jp/kogurenob/3In200959#"
ほぼ、順調に準備ができた。19時から21時まで。


5/10(日)

あさ、黒岩君が出ている番組で、元気な農業の話をやっていた。
"http://www.agritown.co.jp/"
タフ3で、流しそうめんを竹から手作りして、いろんなもの、確かミニトマトも流したので、
懐かしかった映像・・・
政治家があんまり出ていないので、楽しかった。石破さんなどは出ていたが。
減反政策・・・じつに、大きな問題、文化政策論議とも関係するだろう、きっと。もちろん防衛や外交との関係の方が緊密だとしても。
今村先生が6次産業の話をされていた。国土庁のころ、お世話になった温厚な先生!

さあ、かえっこ、めっくへ。

かえっこゼミのはじめに言ったのは、学習のねらい、とかえっこにおける目標。
まず、ゼミ生自身の学習ポイントは、
1)アーツマネジメントの一つ、企画実施(イベント開催)を体験すること
2)体験し、観察したことを記録すること、振り返ること
3)反省と課題をふまえて、次の企画に生かすこと

この企画の目標も3つ
1)来た人が楽しくなること。うっとりづくり
2)自分たちで楽しい企画がつくれるという達成感を生む 自信づくり
3)自分のキャパを広げることができる。異文化の受容。価値観ひろげ
だった。

いやあ、かなり、去年と同じぐらいよくやってくれたな、とまずはかえっこ、ごくろうさま。
130名ほどの来場者。いやあ、6月からのリピーターが多いのが嬉しい。初めての人は東部文化会館でチラシを見られたようだ・・・(また、学生たちがアンケート分析してくれるだろう)。

よく1年間忘れずに待っていただけたなと。あとJAF京都のお客さんも多くて、あそこでチラシを撒いたのがよかったな、と。ということは、来年はプレゼミをより充実させる必要があるだろう・・・ここが年度切れのむずかしいところだ。
めっくのほうも、ほとんど3回生ゼミ生にまかせっきりだったけれど、最後山下残さんとsくんと3人の即興音楽ができて楽しかった。

夜は、すこし、お疲れさんモードで林加奈さん・えっちゃんとしゃべる。さんまにて。


KOGURE Diary/こぐれ日録》の扉へ戻る