Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》ALTI-BUYOH
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2.4.金
京都府立府民ホール“アルティ”、アルティ・ブヨウ・フェスティバル2000。公募公演が今日(18:05〜20:15)から6日間、全部で35作品発表される。そのあとに、特別公演もある。1990年度から始まったので、今年度(1999年度)で丸10年。「創作作品の集中公演の場、舞踊異分野交流の場、また、今日的舞踊を考察する場、多様な作品を楽しむ場」が目的。
私にとっては、自分の馴染んでいる世界とは違う分野の踊りの人たちを観察することに、一番の興味がある。関西の舞踊のエッセンスがここにあると他の地域の人たちに誤解されては困るけれど、「ダンス」と言ったときにイメージされる具体の踊りの形を知ることは自分にとってとても大切なことなのだ。
さて、今日は会場に和服姿が少し見える。年配の人もいる。これは冒頭の踊りの関係者か。
1)千麗の会(京都)“BLACK&GLAY”。構成振付:西川千麗。日本舞踊なのだろうが、前半とそれの再現であるラストはかなり抽象的でミニマムな動きのもの。下手に丸い明かりが当たりそこには、薄い茶色の無地の和服の女性(血の気が少なくて平安貴族のよう)。三角錐のオブジェが間隔を置いていくつも置かれている(半分以上には明かりが入る)。上手奥には四角いライトが当たって、黒の和服女性。途中で、扇を二つ持ってひらひら舞うシーン。黒の人が扇風機で茶の人が乱れゆく木の葉のようだ。
2)木方今日子ダンスアート空間(岐阜)“おーい雲よ”構成振付:木方今日子。人間の形のオブジェが5つ。太っていて可愛い。同じく5人のダンサー。分かりやすく楽しくダンスをやっているように思えて、難しい表現へ行こうと無理をする必要はないように感じる。襟巻蜥蜴のような格好とか、意図せずにおかしなものもある。
3)ダンスオフィオスワン(京都)“SPINNING WHEEL”。ほんとに車椅子が必要な男女が二人いるようだけど、あとは、ダンスシューズを履くように、車椅子を履いて踊ってみた、というもの。ジャズダンスのようなエンタテインメントを皆で楽しむグループのようだ。少し、内省的なシーン(車椅子を横にして車輪を回して一緒に体を添わせたり、チチチと音を創ったりする)もあった。
ここで少し休み。
4)Akimbo Movement Theater(USA)“Play!”KIM Gという女性が一人でおどる。大きな青いボールと戯れる前半。そのボールを舞台にあげたりするのに、三角フラスコ(劇団名)の段塚さんが手伝っていた。ロスから来た振付家で詩人でパフォーマンス芸術家ということ。少年院に収容されている人たちとのワークをしていてそれに触発されて出来たものだということだけど。
5)河合美智子(兵庫)“花びらはゆっくりと海に落ちて行く”振付:今岡頌子。白い輪の縁と中で踊り、最後にその輪を引きずって前進していくところが見所。力の入った(H.ART.カオスを少し連想する)モダンダンス。真紅のバラ一輪が最後に照らされる。
6)浜口慶子舞踊研究所(大阪)“連鎖する記憶”構成振付:浜口慶子。10人の群舞。衣装はダンカンとかマーサグラハムとかの裸足に、もののけ姫が交じっている感じ。で、初めはそんなに思わない(目新しくもないわ、と思ってしまう)のだけれど、じわっと味が出てくる。どうしてかなあ、と思うのだがよく解らない。「ばらばらでありながら何だか群の関係が少しずつできて行く」ということ。そんなことを踊りの構成を通じて考えている、その姿勢に触れたからかも知れない。
2.5.土
今出川のアルティ、今日は少し人が多く入っている。アルティ・ブヨウ・フェスティバル2000の第2日目(08:05〜20:20)。今日だけ5組だが、大規模な作品ばかりで、ステージのダイナミックな利用が関係して昨日よりも長い。濃いものが続くので観る方の体力も必要になる。
1)CONTINUE DANCE COMPANY(東京・大阪)。代表は、踊っている飯作佳美(寝屋川市)。「スウィッチ」。振付/構成:前田美佳、構成:若葉としろう。新体操出身の人もいる16人の女性たち。足は上がるし、踊りが好きでたまらないという感じがいい。冒頭の上部での浮き立ちから、なかなかの舞台操作。上、中、下、と3段に縦に並んだ初めの方は、とてもワクワクした。
3)DANCE NUTS(愛知大府市)「FREE XONE」。意味ありげな男のカメラのフラッシュ。網をかぶって登場する。ハーモニカでのソロ。まあ、そんな所はあまり気にせず、バレエテクニック満載のストリートヤンキーぽいダンスを楽しみましょう。みんなが「濃い/におうダンス」系、化粧が宝塚的にすごい。
休憩。
4)藤田佳代舞踊研究所(兵庫、東灘)。「海の歌」作舞:藤田佳代。13人の女性。全体的に年齢が高いように見えるのは、つめた髪やワーグナーの神話物のようなドレス故だろうか。出だしの後ろ向きに客席近くに立つ群舞を見て、どうなることやら、と思っていたら、なかなかにゆっくりした動きから生まれる「形姿」が全面に出ていい感じ。こういう、動きではなくシェイプ中心の舞踊が、自分には目新しい。
そして、風格の5)由良部正美(京都)「ファントム」。幻視であるとともに幻聴がする。客電が落ちない中を、彼が白い椅子を持ってやってくる。かぶるように、カゲアナの場内放送が流れるが全然気にしていない。後ろ向きに椅子に座ったまま、客電が落ちるのを待っている、頭を傾けて。サーモンピンクの上下はパジャマのよう。上半身裸になるため脱いだときに、ピンクのボタンがちぎれて床に落ちている様が最後までよく見えた(これも幻視かな)。
バックは何も映らないスクリーン。後ろから前に来たときの照明になっている。最後は青になって彼が去って行く背景になる。小さく丸く白い頭部がとても鮮やかに浮かび出す。座る横顔。椅子を倒し、椅子に絡む前半。奔放なおどけやおちゃらけも少し楽しませてくれて、後半の深みのある踊りをより鮮やかにする。ボタンがとれる直前のねちゃねちゃした動き。そして、アベマリアの歌からは女性的な世界。彼の最も特質を際だたせるもの。
意識が切れかかり、はっとして、初めと同じようにただ真ん中をまっすぐ歩く後ろ姿を見つける(行方不明だったカーソルが画面上に見つかったように)。ただ歩くだけでこうゆうふうに見せるのがすごいんだよな。水の音、頭部だけが光って残る。
2.6.日
アルティ・ブヨウ・フェスティバル2000の第3日目(18:05〜20:35)。
1)サコンサチコ/projet de Ballet(京都)『トンネル(TUBE)』。振付:厚木凡人。初め5人がワンピース水着みたいので登場。シンクロナイズドスイミングみたいな踊り。途中から、音楽がかなり危ない吹奏楽器と息と声になる。それでも踊りは変わらずに一生懸命運動している。モダンダンスの無意味さを一気にノンセンスな音楽で吹っ飛ばしているように私はかってに観ている。まじめに踊る冗談ダンス。
2)砂月−13(大阪)『R-O-P-E』。演出/構成/音楽:佐藤香聲(銀幕遊学◎レプリカント)。上から光が落ちて栃村結貴子がひたすら上にあるはずのロープを手繰りよせる。そのうちに、人間振り子のように、横に行っては元に戻るように引っ張られて・・。あと3人も交じってヒモを横に引っ張ったり結んだり。抽象的だが構造は演劇。
3)モダンダンスグループ「駄駄」(大阪)『源頭』構成/振付:長谷堂いく子。上下する舞台を使って、両側から明かりを照らす。ホリゾントに影を映すと、大小ができ重なって・・。いつも衣装は演ずる方の意向とは別に「変な感じが漂い」印象に残ることがある。ここでは、大きく白いレッグウォームが目立つ。
休憩の後、
4)SUB ROSA(京都)『Pon!Pon!Pon★Pon。』演出/構成/振付:Rosaゆき、演奏:南澤靖浩(シタールを電気的に変化)。3人の外国人は客席に友だちを見つけて、めっちゃ久しぶり、とか(女性の外国人)声を掛けている。スキンヘッドで大きい男も、眼鏡の男もスカート。Rosaも含めて4人ともスカートのお尻の部分に、丸いシッポ。これがポン!ね。ドイツリードが優しく歌われる音楽にゆっくりと合わせて、手をあげ、お尻のシッポを互いに撫でる。緩やかな笑い。シタールが鳴って、Rosaが子どものちっちゃな赤い傘を下手から取ってくる。ソロのダンス。3人は重なって眠っている・・。
5)Re Creation(京都)『繋り --つながり-』演出/構成:川面暢子。4つの四角い明かりに分かれて4人が踊る。人にぶつかるマイムとか。よく動くのだけれど、ずれがない。
6)構造計算志向(大阪)『 i.d. 』構成/振付/演出/出演:北村成美。一人ではないはずだけど、「影」だもんなあ、名前はない。客席後ろからの大胆な明かりに、ピンクのお尻だけが浮かぶ。お尻だけのダンス。かなりビジュアルトリックな(ドゥクフレ的?)舞台にしたいようだ。太股だけっていうダンスもあった。壮大な無駄、という言葉が浮かんだ。彼女もまた狂えるドクターなんだろうか。
面白かったのは何と言っても、影とのシンクロダンス。そりゃあ髪形違うし、微妙に合わないし。北村の影とぴったりとは影は合わないのが面白さの一つ。ダンス的には、超スピードになった辺りが快感。知的に思うのは、北村はまだばたばたやっているのに、影の方はちゃっかり伸びのポーズを取っているところ。最後は彼女がスクリーンの後ろを通過しながら、ぐるぐるとステージを回る。早足から駆け足。赤く染まる夕焼け。
公演終了後、ステージに椅子を並べた形で(去年はロビーの喫茶店を使った)、意見交換会があった(日曜日ということあって、関係者以外は余り残っていないようだ)。が、残念ながら家の雑用があり、冒頭だけをのぞいて帰る。
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