Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》Behind-Screens
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3/8(水)
ロセラ・マタモロス“Behind-Screens”ギャラリーそわか2階
(まず、少し予備知識を得るために)
1)本日の官庁速報(時事通信社)より
「山梨県都留市(34,200人)は、男女共同参画社会を推進するため、セクシュアルハラスメントや、夫婦・恋人間での男性の暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)の禁止を盛り込んだ男女共同参画基本条例を制定する。・・・埼玉県や島根県出雲市などでも条例制定の動きがあるが、DVの禁止にまで踏み込んだ条例案は全国でも先駆的という。」
2)社団法人ラテン・アメリカ協会資料より
【コスタ・リカ共和国】について(「コスタ・リカ」とはスペイン語で「豊かな海岸」)。
独立年:1821年(一度メキシコ帝国に合併後1848年再独立)。首都:サンホセ(30万人)。人口:358万人(97年国連)。人種構成:スペイン系白人混血95%、黒人3%、インディオその他2%。宗教:カトリック。場所は中米のニカラグァの南にあり南にパナマと接する。
1949年憲法第12条により、恒久的制度としての軍隊は保持せず、48年に米州相互援助条約に加盟。国防の基本方針は、国連憲章第52条に基づく米州集団安全保障制度においている。ラテンアメリカ諸国の中では所得が高く、教育も普及している。国民の非識字率は5%以下。言論、出版の自由は保障されている。
少し勉強して、京都駅から東寺のそばのギャラリーそわか2階へ。
ロセラ・マタモロス(60年コスタリカ共和国サンホセ市生。国立コスタリカ大学ファインアート修士過程終了、エコールボザール留学、ジョージワシントン大学ファインアート修士過程終了)
“Behind-Screens”
協力/オフィス・バッテラ(中西美穂)
《人体、腕、足などの具象的モチーフに抽象的で情熱的な筆のストローク、版画の手法がからむ。セントラル・アメリカの抱える社会問題(青少年問題、女性問題など)を積極的に作品テーマに取り上げ、・・近年は舞台芸術の仕事にもかかわっている。・・》
ロセラ・マタモロス自身の文章から:
《現在、国際交流基金の奨学金にて日本に滞在し伝統的、現代的な日本美術を研究しています。・・・私は今回「心的障害(トラウマ)と回復そして希望へのメッセージ」というテーマで展覧会を行います。それはここ数年自分で取り扱ったり、考えたりしてきたテーマです。
《始めての日本滞在において自分で想像しえなかったほど違う現実と直面することになりました。それは私の文化的、社会学的知識の幅を広げました。この5ヶ月の間に感じた私個人にとっての日本のイメージをここに新たに作品にしました。
《インスタレーション、BOOK、ドローイングにて、“Behind-Screen”として、abusive(虐待/日本においては多くはドメスティックバイオレンスや幼児虐待といった場合に多く用いる言葉だが、広く、罵るや乱用、誤用の意味を含む)の領域についての心的障害と回復を取り上げます。観客は段階をおって、心理的に回復に向かって進化していきます。》
階段を上がる。と、ロセラ・マタモロスが電話をしている。うまく通じないようだ。
どこから見たらいいのか分からずうろうろしていると、見ていく順序を教えられる。
まず、黒い御簾のようなスクリーンがある。その中に、やはり黒い紙きれが密集していっぱい宙に連なっている。手の形だと識別できる物もある。足跡が施されていてそこに視る人は立つ。そこは、暗い箱の中から何らかの虐待を受けるぐらい近い場所である。いや、自分のトラウマに気づく場所かも知れない。
次に、やはり黒いテープが上からびっしりと吊されている迷路に入らなければならない(私は分からずに次に行こうとして、入ったか?と彼女に英語で聞かれた)。迷路に進むのだが、前は行き止まりだ。右手へ進むことがなかなかできなかった。
そこ(彼女は、虐待を受けた物のconfusionを象徴する体験だと教えてくれた)をくぐり抜け、鏡のある場所に足を置く。やつれた自分を久しぶりに視るわけか。
私のように、何か非難を受けると、その受けた人にその倍以上の非難を返そうとするものこそ、この鏡の前に立たねばならないだろう。
そこを通過して、明るく、黄金色の世界が、スクリーンから垣間みられる。上方に小さなスリットがあってそこからだけは直にその心の深部を視ることが出来る。
やっと取り戻した幸せは大切に取っておこうと言っているようだった。
「家」のなかの部屋や廊下なのだろうか。あるいは、家族、特に夫婦のコンフリクト。
BOOK(1.2.3)は、大きくて紙ではなくビニールのようなもので、開けていくと力強い色が置かれ、またそこにも皮膜が貼られている。体験的インスタレーション装置(これはこれで身近な素材を使いながら切実なことを形にしようとする精神が現れている)よりも、技術的に確立しているように思う。
彼女から紙の作品も見せてもらう。横長に広がる、大きな壁のようなものが共通して現れている。
アンケートがあって、まず、自分が「虐待」だと思う単語に印をつけるという作業を見に来た人にはしてもらうようになっていた。
アンケートというのは普段考えていもしなかったことを問われることが往々にしてあるもの。今回も、もう少し自分も他者への言動に気をつけなきゃなあ、と、最近少しいらついていた私は、痛切に反省する。
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