Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》DanceCircus11

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1/24(月)25(火)26(水) 
難波トリイホール『DANCE CIRCUS 11』15作品

1.24.月 

トリイホール、DANCE CIRCUS11(第1日目)。20:04〜21:06。客席ぎっしり。岡山からも登場するし、バラエティ、熱気溢れていて、こじんまりしないのが、ダンスサーカスのいいところ。

1)村上和司「飛ぶ矢」。関西のモダンダンス界で貴重な若手の一人。今日は、初めは機械体操選手みたいで、次にボディビルダーのようになり、最後に、モダンに戻る、という序破急を持つソロ。物語が、それまでは別の参照体を経由していたのに、最後は直接モードになったのが惜しい。モダンには似合わない彼のムキムキの背中が、ここでは逆に生かされていたが、どこまで、体操やスポーツを意識していたのかは定かではない。

2)熱いヤギ「熱いヤギ・セレクト・ショー」作出演/ヤギ1号、ヤギ2号(双子ぽく化粧した若く小柄でチャーミングな男性)。

岡山市の劇団「秘宝館昇天堂一座」による「歌と踊りのグランドショー」でのユニット。ドラッグクィーン(目張りに髭)の格好で、3つのショートショーを披露。大道芸として、とても楽しい。段ボールをひきずって登場。エプロンつけスカーフを頭に被る。ヤギの被りもの?なのか頭に耳、白い髪。昼間の若い専業主婦の不倫の歌?が流れる。振りがすべてなので、これでどう突き抜けるかはむずかしいところ。
次は一転して、夜のクラブ。赤いトマトを投げてフォークで刺したり(一つ失敗)。
最後は、青い海と波の幕を使った「泳ぎ」。

3)ダンス/西坂直、音楽/中島伸匡「ココドコ ココココ」。モデルをしているだけあって、冒頭の映りはメタリックに青く、白い粉吹く頭(それが空中に飛び散ってどうかとも思ったが)の光は異様な輝き。途中の痙攣的な速さはかっこいいし。テクノな音楽とマッチ。

4)白水俊子「こぶじいさんの話としては」。彼女のソロだが、縦笛と足の間に置いた太鼓を演奏していた「せのおまさのり」が最後に、瞬間の芸をする。この芸を除けば完成度はこれが一番だろう。冒頭の薄明からきちんとシェイプが分かるまでの間が何とも言えない。ぼんやり白い着物で、顔はどうやらお面(鬼なのか翁なのか)ということは分かる。後ろの壁(幕?)に影が不思議と白く映る。私の眼の関係か、体の輪郭が定まらず微妙にそれもディジタル的に動いているように見えて仕方がない。

白水俊子は数年前、島之内教会の木の床の上で見て以来。

和風になって登場するとは思わなかった。笛のかすれた音。太鼓に替わると動きは軽快になって、能楽的なもの(喜多流の稽古を5年ほどしているという)から、村の祭り風に変わる。ちょっとよく動きすぎるかも知れない。もう少しぎこちないためがあった方が面白い。お面はてかてかしたおじいさんで、途中からははずして踊る。眼の長く切れ上がった、京風の面立ちもいい。最後に「とんとんとんとんひげじいさん・・」て彼女の可愛い声で呟いて歌うのは、意外。

5)前田紀和(作/出演)「恋する身体」。彼は伊藤キム+輝く未来のダンサー。あと、門田剛、中西朔の3人。細くどこかアクの強い彼らの苛立ち痙攣する体の「びびり」。冒頭はやけくそなマスターベーション。シャツの脱ぎ捨て。シャツを足で踏む、噛む、ひっぱる。「暴力的」と「発作的」とが交じって、こんな「恋しさ」もあるのかな、と思わせるのが狙いかも知れない。

1.25.火 

トリイホール。DANCE CIRCUS11(第2日目)20:05〜21:06。今日は少し印象は薄いかなあ。でも「おかしぼりぼり」は笑ったし、なかなか多様。

1)細見玲子「芳香は砂をくずす」。すべて一人で踊る。枯れ枝を前方に置いて。ここが始まりっていうのは見ていて良く分かる。背中のでこぼこした感じが始め小柄な男性かと思った。

2)室千草×千波「vocalize」。いかにも銀幕遊学◎レプリカント出身という感じのヘアスタイルに、衣装。シースルーが一部あって、人工を強調する、きれ(ボアっていうのかなあ、どちらかというと床にひいてあるような毛羽だったきれ)がつぎはぎ。最後の音は、人造の牛とロボットの小鳥の鳴き声のようだった。

3)阪原万理/古典「Fuji Musume」。テープの音楽は、日本舞踊の藤娘そのままだろう。藤間流を卒業して、自分なりの踊りを探している、という感じ。後半の着物のワンピースが、どこかクラブ(っていっても中州や新地のクラブ)のママみたいに思えてくすっとなる。

体を反らして振り向く、とか逆に日本舞踊の特質が浮き彫りになるのは面白い。あとは趣味の問題だろう。どちらにせよ、「日本舞踊」がこういう広いダンスの場に出てくるのは大歓迎。彼女のお友達の日本舞踊の人もいろんな踊りを見てくれるだろうし。

4)小夜里/BISCO「読5」。作/出演の小夜里がどの人か分からない(一人赤いノースリーブを着て本を読んでいる人がいて、あとお菓子をただ食べ続けている人もいて、このどちらか、とか思いつつ?)。が、彼女は、76年大阪生まれで、マッキー総合学園ダンス&スポーツ科入学、っていうのは納得。イデビアンクルーの後輩だ。何だか、コミカルな部分は同窓なのではないでしょうかねえ。

昨夜の「熱いヤギ」さんに通じるけど、こちらは、サンドリア?っていうか「シンデレラ」を読んで、それを4人の白いトレーナー服を頭までかぶった4人のでこぼこ女性たちが、かわるがわる分解して振りをしていく趣向。スピーディだし、ワサビが効いている。靴下をガラスの靴にするのはいいなあ。

テーマはきれいになりたい、スリムになりたい、というわけで、シンデレラ欲求なのかしら。エアロビのカリカチュアがあって、最後に体重計に乗る。途中赤い人がデコレーションケーキを通過させたりもしていた。

※「読5」は、読の5乗という意味で、読の右肩に5が小さく入ります。

5)裴香子「realize」。とてもダイナミックに踊る手足を持っている。きれいな動きがシャープに輪を描く。バリエーションはまだまだだが、直前のコミカルな作品と鮮やかに対照をなす。太極拳をしたりアフリカンにも触れているという。
伸び伸び踊りつつ、独自な体をこれから作ってくださいねっ。

1.26.水 

トリイホール、DANCE CIRCUS11(第3日目)。20:05〜21:10。3日間皆勤だ。15組を眺めたことに。シニカルとコミカルが同居した作品(エアロビクスとか格闘技などなどダンスアーツ以外の身体の動きが満載だったもの)が全体的に印象深い。

1)真島恵理「Watre Dream − 5 −」。かっしりした基礎に立つ彼女の作。生真面目でシャープなソロ。光が当たる水。後半の飛沫は激しく床に散らばる。屈曲に山田せつ子さんの姿勢を垣間みるが、もっと力がずっと入った感じがして、若干息苦しくなることもある。

2)松本芽紅見「いい世界」。やはり自作自演。動きが若々しくて、大阪芸大ミュージカルコースを出たばかり、という。足を腕で抱えて置こうとするのに、逃げてしまう部分が好きだ。

ふわふわと掌を動かす冒頭からの座っているダンスに心動く。立ってからも、エアロビのような繰り返しを踊りのフォームに使ったり、十分飽きさせずに楽しめる。音楽をピアノによるクラシックに突然変えたのも好き。

3)奧睦美「また来る2」。オプスエクレクトの彼女がこのクラスに出ると貫禄。柱のかげからおずおずと出てきて、布を広げそれと戯れた後、大きな大きなブルーマーに入れていく。布が客席の紙袋にあったり、飛んできたり。

次もブルーマーに入れるんだろうなあとか客席は予測する。予測通りだったり、同じブルーマー入れでもお尻の方に入れたり。大きな布の時、転がって巻き寿司のようになるのは、予測できた。彼女の細く少し曲がった背中が魔女のようだなあ、と横顔を見ながら思う。誰でも終わり方はむずかしいものだ。

4)藤原理恵子「・・・ONE・・・」。粘る動きとゆっくりと動く初めと終わりが、この中でもユニークで注目する。でも、真ん中が少し印象が薄い。

5)垣尾優「気がつけばメロメロメ」。男の人のソロ。冬樹ワークショップから上海太郎公司へ。白い段ボールとの格闘が、激しくて滑稽。けがをしないようにうまく受け身をしていたようだ。レスリングのバックドロップっていうのだろうか。パソコン的な擬音による身ぶりとか、昨夜の小夜里/BISCO「読5」に通じる。濱谷お姉さまのクルースタシア的なコケティッシュも交じっている。

※「読5」は、読の5乗という意味で、読の右肩に5が小さく入ります。


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