Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》HACHIMITSU PAI&Better Pause
238.
6/30(土)はちみつパイ第二回公演『入院バケーション』HEP HALL
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7/1(日)ベターポーズ『雲の絶間の姫』OMS
6/30(土)
久しぶりのヘップファイブ、ヘップホール。すごい人混みをかき分けて。
はちみつパイ第二回公演『入院バケーション』。
はちみつパイという劇団は、作・演出の後藤はっち(伊丹想流私塾第4期生)と、あと二人の女優、大北悦子、横田ナツコの3人の女性からなる新しい劇団。
《HEP HALL第一回女性作家・演出家フェス〜姫ごと〜》のトップにふさわしく、ちょっと騒がしかったり演技がおおげさだったりするが、サマーバケーションを控えたテーマで楽しませてもらえた。
19:07〜20〜32。ほのぼのしたコメディ、ギャク系に走るきらいもあったが。この週末はスクエア「泊」もあるしなかなか激戦のなかの公演でもある。
始まる前。ホール内にDJの声。DJは国木田かっぱ。阪神ファンのレポーターとして朝の番組でよく見る顔のタレントだ。生放送DJを時間待ちの客席に施すサービスはなかなかのアイディア。放送関係者ならでは。お昼のこの公演のアンケートのなかからさっそく紹介したりもしている。アンケートにこの夏のあなたの休暇の過ごし方という項目があって、そこに書いてあることをねたに劇団員とおしゃべり。
忙しくしていた高校教師(かっぱ)がリンチに合い、病院に入院している。
看護婦が彼の教え子だったり(横田ナツコ)、リンチの原因になった彼を暴力的に愛する女子高校生(大北悦子)が、チームを抜けるために怪我をして入院して来たりする。
登場人物がすべて色々に絡んでいく。このあたりは人工的すぎるきらいはあるが、横田ナツコの一人芸や、大北悦子の女番長的純情さがおおげさながら楽しめた。
地味な女教師役の後藤はっち。この役柄をもっと書き込んでいくと想定通りでない深みが出てくるのだろうな。
踊りがあって、かっぱのビートルズ弾き語りがある。大北がはもったり、横田がハーモニカを吹いたり、シリアスな演劇づくりとは別の有り様を彼女たちは考えているのかも知れない。
少し前に「ザ・ヤングドーナツ」を見たが、このような女性トリオっていう集団も面白いな、と帰り振り返る。
OMS、ベターポーズ〜別冊オトメチックルネッサンス『雲の絶間の姫』作・演出/西島明、振付/永谷亜紀。14:05〜15:29。暗転が多いが、一つのシーンクエンスのぎこちない終わりがあって、また何かが起きる。どんなつながりがあるのか、分かるようで分からない。
不足気味の説明、客におもねないさっぱり感とシュールなバラバラ感が独自の世界を作っている。女性の立ち小便もとてもスマートでスカートをあげて後ろ向きにポットボトルからバケツに水を垂らす。割と激しいものとしては、「額縁お結びがっつきショー」があったが、これもマチコ嬢のロマンチカな魅力でお下劣へは向かわない。
一応続いているストーリーの一つは、猫をマチコお嬢様(満留宏子)とその使用人九笹(松浦和香子)が追いかけているというものぐらいか。出始めは歌舞伎ぽかったが、終わりになって付け足しのように、んっん少女(西島明)の「鳴神」で有名な誘惑シーンがある。これも淡白な限り。
猿飛佐助の役柄も一応主役なのにどこか希薄な役柄。そうそう、登場人物には「内面」とか「葛藤」とかのようなめんどくさい心理描写は一切ない。ゲストにはロマンチカの満留宏子のほかに腹筋善之介が出ている。彼のパワーマイム的な派手な動きは影を潜め、少しだけ床ダンスで見られるぐらい。
冒頭の無地の衣装での踊りも、雲の美術も、音楽は情感たっぷりだけれど、それほど特徴的なコンテンポラリーダンスシーンが展開するのではなかった。リズムに合わせた静かな仕草という感じで、やはりお芝居での踊りの枠内。靴を履いて踊り出す6人の女性が、終わりに靴を一人ずつやはり脱いで座り込む。
そこは、どこかの高原の光の中。夕方にはまだ早いが太陽光線は少しオレンジが強くなっている。風が緑に色づいている。
男同士が腕を広げ、二人の股同士でお椀を挟んで、君が先に太れよ、と繰り返す抜群に面白いシーンは動きもなかなかによかった。
女性陣の奇妙な行動はショートなもので、そこが例えば少年王者舘の女性陣のおかしさと通じるものがある。見ながら少年王者舘の途中で出てくる、なかなか終わらない繰り返しのことを思い出したりしていた。
金曜日に見た劇団衛星「狂騒里見八県伝」における「お下劣さ」ぶりに見られる高まるテンションと実に好対照で(クールさは共通している)、この週末はたまたま、笑いやおかしみをコアとしたお芝居を3本観たことになる。それぞれを比較して書けないほど質が違う。悲劇よりも喜劇の方がその内容や形式は多岐に渡っているのかも知れない。
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