Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》Mie-Children Works
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雪も舞う冬のおまけ。ちょこっと仕事場に出てから、近鉄で三重県の津市へ行く。
三重県立美術館『三重の子どもたち〜発見!わたしの村わたしの町』をぜひ見ようと思っていたからだ。
この展覧会は1983年2月(82年度事業)に第1回が開催され、95年度から現在の形の二部構成になっている。
第1部の「生活の現場から」は、95年度からの新しい企画で、夏休みに美術館を離れ「町と村」で行われたワークショップでの制作作品の、美術館における再構成と記録からなっている。
つまり、95年度は上野市と宮川村、96年度は桑名市と大王町、97年度は松阪市と海山町(98年度はワークショップを見送って別の企画)、そして、99年度は、関町(こちらが歴史的「町」)と尾鷲市(隣の地域にも出かけこちらが自然いっぱいの「村」)で、それぞれ、夏休みにワークショップを行った。
第2部「教育の現場から」は、82年度から、その後改良されつつ、続いてきた企画だ。
この展覧会全体の99年度担当の近藤真純(現在はこの美術館のスタッフだが、'97の記録を見ると鈴鹿市の中学校教諭として第2部第1室を担当していたことが分かる)の記述で紹介しよう(なお、95、96、97年度の担当は森本孝)。
<<県内全域の学校現場から募集し、出品してもらった3歳児から中学生までの作品を地域ごとに3ブロックに分けて紹介します。本展第2部は、学校の先生方と当館がそれぞれ主体的な態度で協力しあいながら、つくりあげる展覧会です。そして、どうしたら子どもたちの思いや息づかいが伝わるような展示になるのか、具体的な部分は、学校の先生方を中心とした委員のみなさんに任せています。子どもの表現で大切なのは、結果よりもプロセスです。・・>>。
第2部の会場に入るとまずその作品の多さに圧倒される。でも、団体展のような気持ち悪さはなく、子どもの数が減少してきたというけれど、こんなに多様に(年齢別の多彩さや多分地域的な特色を盛り込み)いろんなものを見て感じて表現をしているんだなあと、こちらも手当たり次第に見て回る。
共通した課題/技法の元に作品を作っていたり、共同で制作しているわけだが、集められると、まあ、色々とあるものだ。
同じ美術館の毛利伊知郎は、少し俯瞰して次のようにこの展覧会自体の問題点を語る。
<<また、第二部の在り方についても問題は少なくない。・・学校の図工・美術教育−特に創作教育と美術館とはどのように関わっていけばよいのだろうか。
<<第二部の準備会議に出席していて常々感じることは、学校教育における制度的な諸制約が筆者の予想よりはるかに大きいことである。諸々の制約を越えて、学校と美術館とが互いの立場や考え方の相違を認めた上での、実質的で柔軟な連携というものが、どのようなかたちで可能なのだろうか。・・・>>
読み進んでいると、かなり深刻なターニングポイントを迎えているようにも感じとられる文章だ。
でも、初めて、実際の「第1部--生活の現場から」の2つの部屋を見させてもらって、第2部とは違ってテーマ性があることもあり、ワークショップで町(歴史)や村(自然)と接触して自分で感じとった子どもたちの作品の再構成展示(子どもたちも展示作業に加わったらしい)は、わくわくさせてくれるものだった。
まず、「遊びをせんとや in おわせ-海にも雑木林にもたくさんのいのちのパワーとたからが育まれている」のお部屋。
30名の子ども(小1〜小6)が3日間のワークショップで楽しみ感動し発見した痕跡がある。ファシリテーターはもちろん関口怜子、そしてアーティストは竹のピラミッドを作った彫刻家の柳楽隆一。
雑木林でドッジボールをするのだが、全部自分たちでボールを作りルールを作るワークショップ。おかしいのは「ハコトラ」。展示でも何だか箱庭療法みたいで変だなあと思ったが、これは、魚箱を使って巨大なトランプを作り、これで、神経衰弱などをして遊んだ痕跡なのだ。
次に「パピプペポーの家---それぞれちがってみんないい」。2日間、24名(小4〜6)の参加。
お習字なのだが、筆は手作りだし、紙も色々まちまち。まず、関口怜子ファシリテーターのもと、現代書家/岡本光平(ミューズカンパニーでのワークショップなどでも活躍)のデモンストレーション。
関の歴史的町並みを観察してすきな店や街角を、段ボールで表してみる。心に残ったものが自ずから大きく出てくる。そして、その町並みを取り巻くように、自分たちの姿がやっぱり段ボールで並ぶ。立体的な展示。
さらに、自分で作った筆による、楽しい「書」が壁の上まで伸び様々な「関」という字がぶら下がっている。瓦の模様も気になるし、ほどほどの狭い道が、観察と自分の反応を容易にしてくれることに気づく。
2階の常設展示も覗く。第1室「昭和の洋画-2 抽象表現の諸相」。菅井汲「森の朝」のあっけんからんとした緑に反応。下の尾鷲の森と呼応したからかな。桂ゆき「作品」など知らない人の抽象にも温かさを感じた。
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