Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》N-mark APPLE (2)

148.
10/10(火) 
N-mark『展覧会APPLE』名古屋港ガーデンふ頭20号倉庫南(その2)

APPLEのオープニングイベント。18時50分頃から。
パフォーマンスのはじまりはじまり。
武藤勇、野田利也(ふたりがN-markの企画者)によるリンゴを落とすテープカットのあと、「絵画引き式」(百合草尚子)。彼女が描いた‘青空にピンクの雲’など3枚の絵にキャスターをつけ、引き回すもの。あとで、誰も開会式とかけたダジャレだと気づかなかったと百合草の弁。

予定が変更されて、木村崇人。水戸芸術館現代美術センターの小部屋でも彼のジャイロ作品が取り上げれている。東京芸大の絵画出身だが、科学モノを最近やっているようだ。
机にあった、彼のスケッチブックには、人間の形がジャイロとセッションして、踊っている図像が目をひく。この企画でも、初めは豚をヒモで吊したようなものが構想されていた。「重力」、「地球と遊ぶ」。これらが彼の大きなモチーフだ。

いかにも、真面目な科学者になろうとネクタイを締めている木村崇人。バケツ30個ぐらいに、そこの名古屋港の水と土を入れ、電線でつなぐ。
『Made of Nagoya Port』、錆びた鉄管とかシャベルとかをバケツに突っ込んでいく。
時計の秒針は回りだしたが、蛍光灯に光が入るのは遅い。
プロペラ飛行機を吊って回そうとすることもあったらしいが、蓄電が足りなかった。私にも事前にちょっと見せてくれたりしたので、リハをしすぎてエネルギーが溜まらなかったそうだ。

もう一度私が帰ってからも行われたらしい、澤登恭子(73年生、from東京)の『HONEY,BEAUTY AND TASTY』は、奥まった隠れ小部屋にて(ほんとは倉庫の入り口)。
黒いノースリーブの澤登。DJブースでレコード盤が回る。ターンテーブルを操作するのだが、手で擦るのではなく彼女の舌で擦りをするのが特色。
嘗めるのは、病院の点滴のように落ちてくる消毒/管理された味気なさそうな「蜂蜜」。

初めは、嘗めるという行為が分からずに、胸で擦っているのかと思った。髪を掻き上げてまた嘗めるさまは、ポピュラーなアダルトビデオを自然と連想させる。
音的にどう操作して演奏しているのかがいまいち聞き取れない。そういう才能を発揮する場面ではないのかも知れないが、やっぱり大友とかの演奏の方が音楽的にはスリリングで(もちろんだよな)。でもコンパクトな時間、その濃縮度はグッドです。

そのあとは「お笑いノイズ/2001」。ミシン2台を音響操作して、あとは映像を壁に映す。エンドレスに近く映像セットも繰り返す。長い。
女性の人にケンタッキーフライドチキンをもらう。よく噛むと骨も噛めるのでどこまでで噛むのを止めるかが難しい。みんなが壁の隅に置くので、一人小さくなった骨の破片を一緒に置く。けっこう面白いオブジェになっている。

お待ちかね『ノーモーミルク』(20:58〜21:05)、by 北山美那子。
小さな鞄からカスタネット、これでリズムを取って、ノーモーミルクと歌う。佐藤優『花』のフェイクなバックにぴったり。
ぼろぼろなトーシューズ。のちに錯乱的になって爪先だった後、脱ぐ。スリムなピンクのワンピース。いいところのお嬢さん風。

数年前から、ミルクに関するエピソードを集めている。
小学生のなんとか君は、休んだ子のミルクを飲み続けていた、とか。
ミルクを買った後自殺した女性のこととか。
ずっとミルクを飲み続けて、AカップからEカップになった高校生?のこととか。

次に鞄からリボンを取り出して、自分の胸回り分を測って切り取り、背後の自分の作品の周りを取り囲むヒモに吊す(これは会期中、どんどん並べられていくのだろう)。

クライマックス:胸に構えて、ラテックスの例の長い乳房から、白い乳液を飛ばす。
牛乳だと腐ってしまうので、ニベアかなにかを詰めているらしい。
どろっとした液体が床にへばりつく。
父を捨てる、母を捨てる、とか叫びつつ。
体内から外に出たものがどうして汚いと感じてしまうのか。
これが、乳房状のものからではなくマヨネーズの入れ物からだとそれほどの気持ち悪さはなかったはず、とぼくは思う。


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