Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》SHOW CASE SELECTION&sugar brigade-1
189.
1/21(日)
AI・HALLグロウアップ事業『コンコン とんとん ポロンぽろん』
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加糖旅団『ホリディ』アトリエ劇研
若々しい可能性に満ちたお芝居を、伊丹と京都にて続けて観る。共感する心を失わないでいることがむずかしいときだから、なおうれしい。そんな日は帰ると多弁になる。芳江は帰ってくる私の靴音で観てきたものがどうだったか分かるという。
まず、AI・HALLグロウアップ事業、SHOW CASE SELECTION/のはら工房『コンコン とんとん ポロンぽろん』13:06〜14:42。作/芳崎洋子、演出/奥野将彰。出演/石田智世、片桐亜樹、川畑和佳子、坂田友起子、得田晃子、原真(当日パンフに役者名だけでなく配役も書いてもらえると役者の顔と名前が一致するのに)。
作者の「震災の経験」がベース。もうすぐ建て替えられる小学校の体育館。小さなバスケットボールコート。玉入れの板はなんだか遠い。黒い幕に覆われた壇上。ここの向こうに死体が毛布にくるまって放置されていたという。
あーぶくたった、にえたった・・・トントントン、何の音、地震の音、あーよかった。そしてトントントン、何の音、お化けの音、キャー。どうしてオバケでみんな逃げるのだろう。この冒頭の会話が、6年前震災で亡くなったクラスメート(彼女だけが三つ編みで変わっていない)の亡霊が登場することを実は予告していた。
なぜか震災ボランティアがここに出てくるが、それはこのクラスメートと同じ次元の人なのだろう。次第に遊びの輪は広がって、バイトの男子学生も入っている。
クラスメートと言ったが、冒頭の3人の女性とこの亡霊になったクラスメイトは、不登校の生徒(6歳から20歳ぐらいまで)を集めたフリースクール「わかばのまど」の同級生だった。ここが休みに小学校の体育館を借りて授業をしたり、合同のバスケットボール大会をしていたのだ。6年経ったら会おうという約束を亡霊以外は忘れていたが・・
帰国子女の一見クールな標準語も、突然変わる彼女のドスの利いた関西弁によって引き立てられ、いつもいい子にしてきた大人しい女性の罪悪感などがきちんと描かれている。
こみ上げてくるのは、不登校になった事件を消し去っていた亡霊が、その事件の張本人のバイト学生に会い、思い出す(そういうことだったかと知る)シーンだ。このお芝居は震災や不登校を扱いながら、実に古典的なテーマ、迷える亡霊への鎮魂とは何かを扱っていることに、少ししてから気づいた。
次に、アトリエ劇研、17:08〜18:28。加糖旅団−sugar brigade−第一回公演『ホリディ』17:10〜18:28。作・演出/岡野真大、プロット/「コースアウト」田辺剛(出演もしている)より。加糖旅団は、KB'Sから劇団名が変わって、新しい出発というわけ。岡野さんは確かに太っていて、まあ劇団名に合わせているのでしょうが、ほっておくとどんどんお腹にきますよ(危なくなりそうな男優さんが他にもいました)。
それはそうとして、内容と言い、特に女優陣の充実(トボけた味の藤本絢子や透明感のある第三劇場のきゃっち愛、そして宮嶋遊央理の三枚目役もいい味)といい、久しぶりに力一杯拍手したように思えた(いつもペンなどを持っているのでいい加減になっていたなあと反省)。
カリブの海に浮かぶ、何もないのに日本人目当てをする観光立国へやってきた、一人旅の女性、オヤジ二人組、そして、大学からの友人3人組(男1に女2)が、現地のガイドと一緒にホテルにいるというのが主舞台。
冒頭は、なかなかに心に残る一人称小説のようなつぶやきから。ミクニユカリ(きゃっち愛)があくびをする。ガイドのラティーノ・ハヤマ(ゲストの岡崎謙太郎。軽快で剽軽な役柄にぴったし)が合いの手。草原の中の一本の樹。彼女は空想で近づくのみだ。将棋をするオヤジもなぜか台の上で合いの手。お芝居のフィクションを楽しむ始まりだった。
それからは、暗転も入れてちょっとテレビドラマぽく結婚前の男女の仕事と恋愛、友達関係が描かれる。現実的なエミ(宮嶋遊央理)とスペイン語の島に行くのにフランス語を習っているリカコ。タクミ(長嶋新聞)は不安定な職場で働いている。1年前から海外旅行を計画していたのに、キャンセルになりそうに。ところが、エミとタクミに恋愛が始まり、「会社」より「ホリディ」が選ばれたというわけだ。
エミはラテンに適応できず、タクミはオヤジの一人(田辺剛)と将棋ばかり。リカコはフランス語で会話しちゃっていて、もうラテンの底なしの陽気さ。そこには深い悲しみがある、ともう一人のオヤジ、マツモト(高木俊輔)。もし私が感情移入するとするとやっぱりマツモトかしら。
マツモトは、また結婚式から逃げ出してきたユカリと一緒に散歩したりする。ユカリに習うスペイン語。空、道、貝・・・ユカリは5カ国のことばも知っているが、そこにある現実の一本の樹へと歩いていくことができない。パック旅行も中途半端。マツモトらに指摘されないでも、きっと彼女も分かっているはずだ・・・
細かいことだが、今日の制作=前説は見習うことが多いと思う。
まず素早く暖房を止めて上の技術ブースに開始を合図。荷物を膝の上におくなどして、通路を確保することをお願いする。携帯電話などの注意で、今一度チェックししてくださいと自分の携帯電話を取り出してみせる。お芝居は約90分間。これも、ハプニングを期待するような舞台では禁句かも知れないが、トイレのこととかもあるから、やっぱり伝えてもらったほうがいいように思う。
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