Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》TANT RYTHM File#9

217.
5/13(日)
タント リズム File#9『Liquid Flower*Cafe』HEP HALL

[タント リズム](ほんとはローマ字、「タント」の綴りのなかのAがひっくり返っている) File#9『Liquid Flower*Cafe』作・演出:サシマユタカ。
15:09〜16:55。

大阪駅前のHEP HALLは久しぶり。ここのホールにぴったしのエンタテインメントさや軽快さ、そして(カフェなのに)ペーソスのある舞台を見た。始まる前は、コンピュータゲームが舞台の幕代わりになって延々と映されているので、やかましい舞台かと錯覚した。

満員、普段演劇を見るタイプでない若者がグループで来ているが、中年もちらほら。こんなに中年にもぐっとくる劇団だとは思わなかった。また低音の響く電気音やついていけないお笑いネタに苦しむかと思ったら、全然うるさくなくて(売れないコメディアンや中途半端な外国人風男は出てくるけど)、意外にシチュエーションコメディが地に足着いている感じなのである。

雰囲気としてはかつての東京サンシャインボーイズ『もはやこれまで』を思い出させる。あれはファミリーレストランの中だった。喫茶店がカフェとして復活するなんて、時代は変わるもの。

前説から聞かせてくれる。前説に出た坂口修一は役者だった。
劇中ではタカシという気の弱い売れないコメディアン役。片方の相棒がテレビに出ていて何とかカメラに出たい。が、こんなことで犯人になってマスコミに出て出て大丈夫なのか・・
そんな彼が前説で非常にどうでもいいようなこまかい携帯関係の注意をしていると、これから狂言ジャックする男に目隠しされて連れられていく。

そしてお話が始まる。
カフェがいまはやっていると言っても、ここは場所も悪いし店のインテリアもいまいち。
メニューも特色なくかわいい小物があるわけじゃない。有機野菜を使っているだけじゃあね。売れないからオーナーの脱サラの若い男(ヨシオ/大林剛士)が一人でやっている。

で、話題づくりに友人のロケット(加三修)にカフェジャック狂言を頼む。ロケットは闇手配師(ってまあ便利屋だ)。ガングロで子連れをテレビの番組のために集めたりすることでなんとか食っているらしい。自傷症の子供達を先生に頼まれてクラブに連れて行くようないまの風潮を表す手配もしている(昔はヤクも)。

その罠にやってくるのは、マガジンハウスの雑誌クロワッサンの企画を下請けしている会社の女(マコト26歳/田所草子)。彼女も大手企業からのトラバーユって言うとまあかっこよさそうだが、セクハラで切れての転職。

女はかりかりしている。このカフェもその他大勢の後ろの方のどうでもいいページねた取材。ところが彼女もジャック狂言に巻き込まれ、途中から怒り出して・・

あと、カフェに全く似合わない男(毎日来る)も巻き込まれる。元々ここでバーをしていて駄目になって女房子どもに逃げられ、自転車置き場の職員をやっている初老の吾郎(菊池秀之)だ。
彼の情けなさと勇気、説得力があるようでないような整理などがかなりこのお芝居の幅の広さを形づくっていた。

ラジオで報道されるし、話題づくりは成功しそうだった。周りは報道機関も来ているし。でもなんでロケット、自衛隊から本物の銃を持ってくるの。
あっほんとに撃っちゃった。
誰か犯人になるしかないよ。
一度は吾郎さんが、自分はもう先がないと言って一度は犠牲になるかとも思えたが。

そうはいかないよね。メルトモできたし、相手はマコト。
いまいちその登場が分からないのが売れないコメディアンのマコト。彼もビデオを請け負っているのだけれど。
結局顔がばれて犯人になってしまう。売れるよきっとなんて、みんなのそそのかしにのってしまって。
裏から一人逃げるロケットの運命やいかに・・・。


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