Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》The YOUNG
DONUT2
230.
6/16(土)
津田ひろこ/福尾葉子/岩崎恵美『ザ・ヤングドーナツその2』スペース・ゼロ
ザ・ヤングドーナツ『ザ。ヤングドーナツその2』19:39〜21:12。スペース・ゼロ、構成・演出:小原延之(劇団そとばこまち)。女性3人のお芝居。津田ひろこ、福尾葉子、岩崎恵美。ゲストの男性が2名ちょっと出るが、この女3人がメイン。人生を切り取るオムニバス形式のコメディである。
制作協力の川南恵さん(ネットワークユニットDuo)から案内をいただいていたので、このスペース・ゼロへ出かけた。40席ぐらいの席が準備されていたが予想よりも大勢きたのだろう、20席ぐらい追加していた。女性中心に年齢的に幅広く人が集まってきている。
昼に近鉄劇場で見たRSCの「テンペスト」でも年輩の女性も多かった。中年以上の女性の演劇経験の幅は、こういう芝居も視野に彼女たちが含めてくれるようになればずっと広くなるのではないかと思う。
まず、「婦人ジャンプ」をしていた「かもねぎショット」を思い出した。彼女たちは動きが中心だったが、中年にさしかかる女性への等身大の視線があった。これも3人のたぶん30歳代半ばにさしかかる自分たちとその仲間への応援歌であると思える。
次に、仙台の劇団I.Q150(丹野久美子主宰)を連想した。その劇団に「女ともだち」というシリーズがあって、これは、シーンはいつも一人の女性のマンションという設定で、半分はアドリブ的な展開で素の部分が強くなるものになっている。特にお酒を本当にどんどん飲むので、彼女たちの本音が出て収拾がつかなくならないかと怖くなったこともあった。
さて、この「ヤング」なドーナツたちはどうだろう。設定は椅子だけ。初めと途中、最後とつなぐメインストーリーがあって、それは、大阪から函館へと向かう電車の中である。
一人は、見合いした(これも途中のシーンにある)函館にいる男の元へ出かける女。結婚式がそこではもう待っている。嬉しくてだれにも話しかけたい。
もう一人は対照的に失恋(実は捨てられた)した女性。日記を書き続けている。
3人目は実家に帰ってしまおうか悩んでいる女性。途中のシーンで看護婦としててきぱきやっていたのだが、点滴でミスをしてしまい落ち込んでいて仕事を続けるかどうか、まだ迷いつつ乗っている(これも途中になってこのシーンが出てくることで判明する)。
第2話に移るシーンが鮮やか。かにがいっぱいの駅弁を金沢で3人が買ったはずなのに、一人の駅弁は日の丸弁当だったという設定で終わり(これは幸せの絶頂の女性にこの不幸が訪れるので実に印象的)、その出来損ないの弁当だけを残して、がらりと場面は、この弁当を作っている「えんじぇる」という金沢のお弁当屋さんになるのだ。
いつも間違ってばかりいる「えんじぇる」の3人。だれが犯人か?これは後ほどの看護婦3人組のシーンとも共通する。ただ、徐々に、初めの方の新鮮なシーン展開から比べると、ネタが類似してきて、新鮮度が減少してくる。
でも、これからも役者も私たちも歳を重ねることで逆に悲喜こもごもなシーンが豊富になるんだと勇気づけられる気がして、そういう面でもなかなかに興味深く味のある、しかも客層への訴えが幅広い舞台だと思った。
歌を歌ったり、台詞が入っていないのをそのままつないでいったり、そのちゃらんぽらんさもこのぐらいの空間と暖かさ(客層としてもあるし、舞台周り全体の雰囲気)なら、逆に楽しい出来事であるように思う。マンネリにならないようにどうするかは大きな課題だとは思うけれど。
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