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1/8(土) 
国立文楽劇場小ホール『常磐津演奏会』第34回月例会

昨年の自分の芸術鑑賞記録をまとめていると、芝居とダンスに偏っていることに気づく。音楽も伝統芸能も映画もみんな好きなのに。というわけで、今年の課題はバランス、そして未ジャンル開拓だ。

さて、ライブ音楽の初聴きは、常磐津としゃれこむ。実は、昨年中京大学のシンポジウムで会った名古屋むすめ歌舞伎の市川櫻香(加藤えみ子)さんが、お母さんと出演するから、というファクスをもらっていたのだ。

大きなホールでは、文楽の名作を通しでやっている大阪日本橋、国立文楽劇場の小ホール。こちらは159名の定員のこじんまりした、でも緞帳も華やかで、色々使われていったら(国立のために制約は多いのかな)面白そうなホール。

入場無料。着物姿も決まっている、常磐津の関係者とか、常磐津を習っている人たちだろうか、30名ほど。

耳の遠いおばあさんが大きな声でしゃべっているのも微笑ましい。若い女性もいた。後半おじいさんがおおいびきで寝ていた。語りの内容が、寝かせてくれ、という所になってけっこう皮肉っぽくておかしかったり。でもまだお正月のうちだからいいかもなあ。

『常磐津演奏会』第34回月例会。主催社団法人関西常磐津協会。

14時、担当の豊後半中(三味線の中心)からご挨拶。この流派を創設した初代豊後半中(彼は松竹に所属していて、戦後分かりやすいものをという思いでこの流派を興した)が91歳で亡くなったこと。この協会に入ったのは98年で、初めての公演であること、そして今日の演目の簡単な筋。

初めは櫻香さん。彼女は日本舞踊を中心に、むすめ歌舞伎をしたりとお転婆(アングラ)なことをしていたのだが、お母さんを次ぐべきお姉さんが亡くなり、こちらも本格的に習いだしたという。浄瑠璃の時の名前は、豊後半恵美。

「本朝二十四孝〜狐火の段」26分。緞帳が上にあがり、真っ赤な台と真っ赤な読み本乗せ。二人の三味線担当(豊後半中、豊後半寿美和)は黒い紋付き(裾に幾何学模様)、対して、半恵美はクリームがかった白い衣装。初々しい初春の日本。

季節は凍る諏訪湖の上。野辺の狐火さよふけて。翼が欲しい。うつる月影あやしき姿・・・夫の危機を妻(姫?)が知らせる話のようだ。三味線が文楽などと違って軽快な感じがする。半恵美の語りはいま的なさっぱりとしたものが感じられる。高音は姫を表す。さらに情景を作る低音に声量がつくか安定感があると、歌としてもっと面白くなるだろうけど。

休憩の後、『其扇屋浮名恋風そのおうぎやうきなのこいかぜ〜吉田屋』27分。

夕霧が登場する遊女の置屋が舞台。

お母さんの豊後半寿美は、さすが声のバランスがよくて淡々、安心して聴いていける。

三味線(半中)の演奏は、前の時の方が風景描写などを派手にやっていた。ところで、今度は若いサブの三味線(若い女性、常磐津三都貴)が演奏していたが、このサブの役割と言うのはどういうものだろうか。前半では、ところどころに斉奏していて、少し音量をあげたいときに一緒にするのかとも思った。今回は、ギターでもつけるカポ?をつけて、斉奏というよりも合いの手を入れたり飾りをつけたり(和音とか対位法とかではないが)していた。

帰り、櫻香さんから紹介されて、常磐津一巴太夫さんという、大津市に在住する人間国宝の方にご挨拶。伝統芸能を余り観ていないので恐縮。

ふと、京都観世流の片山清司さんが、能などに出てくるお話を絵本にして古典を少しでも馴染みやすくしようとしているという京都新聞の記事を思い出したりした。


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