Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》UEDA*reading_TSUKIYAMA*poem
212.
4/28(土)
上田假奈代×つき山いくよ『愛さない×卵をもって家出しよう』浮遊代理店(奈良)
初めてJR奈良駅まで歩く。趣のある駅舎だ。すぐそばのCAFE&BAR IN GALLERY“浮遊代理店”、去年の4月オープン。ここのオーナーで、クラゲを密封したシリンダーに入れてふかふか浮かせて売っている奥田英明さん(想芸館)に挨拶。
上田假奈代さんもこのカフェづくりに関係したらしい。一つの白い壁面は画廊風だけど、対面は木の階段になっていて今日はここが客席。普段はここにオブジェや工芸品を置いたりするのだろう。階段の上に駆け上がって頭をぶつける。翌朝、散髪をしようとしたら怪我をしていた(血が流れ出て割れた西瓜状態にならないでよかった、ほっ)。
なかなか面白い場所で、奥には洞穴のようなクラゲが浮かぶカフェがありカクテルやオリジナルなドリンクがかわいいグラスで登場する。
假奈代ちゃんは闘う詩人を復活したとともに、フリーコピーライターとしていつでも「仕事ください」状態だそうな。
砂連尾理さんがカメラ係。つき山いくよさんのワークショップお師匠さんでもあるわけね。待っている間に、假奈代ちゃんからおいしいパンが振る舞われる。ドリンクもお豆もついてその上に。それで1500円!
『愛さない×卵をもって家出しよう』
上田假奈代●reading×つき山いくよ●poem DJ。火花*
「そうだ、奈良、行こう。」
和服な上田假奈代。
かなり艶っぽく元気な顔色。気が利くところは替わっていないけど。休憩後の2部はトイレに連れ込んで詩を聴かす企画(トイレ連込み朗読)だったが、ビデオを買って先に失礼した。
読む詩が書いてある紙を自分の帯の後ろ側から取り出すのだが、どうして間違わないで紙を出せるのだろう。
19時すぎから20時すぎの1時間は実に多様な歓びに満ちていた。
もちろん、假奈代ちゃんの詩をいまの彼女の状態と気持ち、この空間で聞けること。「あ」がいままでで一番届いた、もちろん「犬によくある名前」「トレイン」は名作であることには変わりない。
「あ」(という白い布に赤い字で書いたもの)をつきちゃんが紐の先にひっつけて、ぼんやり/のそのそしている。かと思いきや、やおら持ってきていた緑色の上着の背中につけて、和服の假奈代ちゃんに羽織らせたりする(ホッホッ)。
poem DJってなんだか分からないけど、詩の意味を振付したりするのでもなく、適当に踊っているのでもなく。
つきちゃんの感じる假奈代ワールドへの応答歌っていうのだろうか。つき山いくよの体のPOEMを假奈代ポエムから引き出す作業っていうのか。
つき山いくよの詩を体の動きとともに提示する「卵をもって家出する」。
切れ切れの言葉の1音1音が動作を伴って彼女だけの単語になって目で読まれる。
後ろむく。壁に頭を置く。壁に詩を体で書く。背中にお尻、うずくまり。
飛んで言葉の切れ端を押しピンする・・・。
もちろん、この「身体詩」朗読のインパクトの強烈さにも打たれたが、上田假奈代とつきやまいくよがほぼ同じ状態で平行してアーツを提示しながら、濃いすぎないことの「ふ・し・ぎ」についてが一番今夜は考えさせられた。
サッカーボールの静かなキックもよかったし、コアラの人形も自然だった(その取り出してからの短さがいい)。それにしても假奈代さんとは終わっていろいろ感想とか話せるけど、つきちゃんとは黙ってお辞儀をするだけなのはどうしてだろう。
彼女の言葉がぎりぎりのところで出ているので、これに説明的な会話を混ぜてしまうのが自分として怖いからなのだろうか。
これからもずっと、つき山いくよという間歇的に現れる謎に、無理と解説などしないで出会いたい(いつか少しは彼女について、ことばを乗せてみたい)ものである。
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