Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》UNIT-TSURU
JR彦根駅に降りる。2度目だ。アーケードを改築中の銀座商店街まで歩く(15分)。商店街が断続的に続くが、大津中町商店街(ここは去年アーケードアーツというプロジェクトをし今年本にまとめた)などと同じくかなり茫漠とした町筋。自動車道を挟むのでそこがまた難しいところだろう。
そんななか、ビリヤード施設としてあった空店舗空間を、滋賀県立大学の有志が改造。ステージの板を張り、椅子などを集めてきた。
名づけて「ACT Station」、98.10にオープン。
入ってみるととても大きくて今日のライブは半分ぐらいを使ってやっている。鏡があったり、カウンターがあったり、自動車が置かれデュークボックスが輝いていたり。ステージ上は「つる」を描いた大きな布がバックにあり、天井は白い布が客席に伸びる。
早く着いたので、隣の洋食屋でグラタンライス。今日出演の音楽家が(北村祐子さんは準備)食事をしている。滋賀県大の細馬宏通さん(蛙が乗り移ってDJけろっぐにもなるけど)が祐子さんと制作係。大学の目下の彼のテーマは中華鍋使いにおける腕など身体の動きのコンピュータ分析だそうな。彼はもともと動物学研究者だったことから、ボノボの話を。それから平田オリザの話になって、同時多発会話と太田省吾の分析をしている大学研究者の話へ。
まず、ツアー中の「つる」の紹介から。
<東京の音響詩演奏家・足立智美。彦根のマッキントッシュ使いYuko Nexus6。神戸の改造サイレントベース弾き稲田誠。距離を隔てた3名により結成された、ハーフコンセプチュアル(もしくはハーフコントロール)ユニット「つる」が、県大から謎のカエル講師DJけろっぐとディジェリドゥ奏者Chandratakaを迎えて不思議な音世界へあなたを誘う・・・・>
19:39〜20:59。
初めは稲田誠とChandratakaのデュオ。18分ぐらい。長い棒と棒が仲良く立ち並んで音を流す。色も同じ暖かなウッドの色。ベースに共鳴部分がないので、電気がないと「サイレンス」だからサイレントなベースっていうのかな。ディジェリドゥも最近吹く人が少し多くなっているけど、演奏として変化をつけるのは結構難しいのではないだろうか。息一つの変化だろうから。
稲田の方は、弓から細い棒で打楽器したり、と変化をもたせる。こうすると、3種類の音が聴こえる。Chandratakaの方も倍音を出していて、なかなかスリルあるエンディング。
足立智美のソロ。インカムマイクで声の芸。つまみをいっぱい操作して、いろんな声を誘発する。昔の人がみたら、さまよう霊魂を呼ぶ「いたこ」だろうなあ。顔も巻上公一に似ている、と思うのは、ヴォイスを変化する時にそう見えるからかな。5分ほど。音響詩ってこんな感じなのか。
いよいよ「つる」の3人。まず、ヴォイスで、多分「つる」のテーマソングのようなものを1分ほど。でも終わりは「かめ」になるけど。津山篤とかを思い出すがもう少しタイトな緊張感あり。でもおかしい。
キラキラ星の歌が、ある種オペラ的な異常さのある声で歌われ演奏される。お空の上キラキラと、ダイヤモンドのように、あなたは一体だれでしょう。ほんと誰なんだろう、と思わせる。
DJけろっぐ登場、「朗読の時間」。4人がばらばらに、順次、たぶん「つる」に関する小説やらエッセイ?などを読む。Yuko Nexus6が内田百けんを読み出したときはとてもまじめな感じがあって、みんなそれなりにまじめなのに交じるので、得も言われぬアマルガム。鶴の鳴き声とか、Yuko Nexus6の講談?語りもあったようだ。
5分の休憩のあと、聴衆者参加の2つのチューン。
まずは「ぬりえ」。色鉛筆が数本座席に置いてあって、「つる」(足はハイヒールだし胴体は猫の顔)の絵の塗り絵と、今日はおまけに「近代かえる美術の名作」の塗り絵。やり出すと夢中になる。カエルの方だけを塗ったところで、伴奏が終わる。Yuko Nexus6がステージ上で、扇子を足に挟んで、「つる」していたり、客席にテープをぶらぶら耳の近くで揺らしたりしていた。
次は「つるのみんなの体操」。音楽に合わせて座ったまま、手を上げたり伸ばしたり、指をピースしたり。キルキルやニャンニャン、とうさん川上、とうさん川下、ごくもんどう?などYuko Nexus6らしい。
それから割とまじめな稲田誠の歌がフューチャーされた曲(6曲目)。ゆるやかな変さ。
ギターを持ったDJけろっぐのオリジナルソングが2曲。
「テレビカエルジョン」っていうのと、「のぞみ号坂を下る」。どのアブがいいのか、というリフレイン。後のは同時多発会話の話を思い出す。Yuko Nexus6は何か身近な日記のようなものをしゃべっている。
最後の曲。21時まで、体力が続く限りやりましょう、と。足立智美が、過激な音響の切れ端を紙の箱のようなもので作っている。彼はいつしか、「つる」の幕の後ろでドラムやシンバルを叩いていた。
Yuko Nexus6もまた客席にカセットぶらぶら。初めのウッド2本の二人に戻ったようになって。
おしまい。
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