Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》W.P.A.O.-1

187.
1/12(金)&14(日)
『第一回ウイメンズパフォーマンスアート大阪』大阪市立芸術創造館

1/12(金)

なんとか仕事を終えて、大阪市旭区の芸術創造館大練習室(180F)へ向かう。
第一回ウイメンズパフォーマンスアート大阪の初日、18:41〜20:42。チケットぴあでは1枚しか売れていなかったので関係者だけの中でするのかと恐れていた・・・企画者の中西美穂さんが司会のなかで話していた(緊張していることもあり、ぽつぽつと言葉少なく、彼女自身のパフォーマンスもなかなかである)。

アクト神戸の人達や、大阪市文化振興課のスタッフなど顔見知りのほか、母娘アベックなどいい感じで入っている。次のパフォーマンスを待つ間が25分間以上あるので、私も読書。面白い音楽がかかっている。音響はジーベックホールの森信子さんとYuko Nexus6さん(日曜日出演)だからだろう。照明は岩村原太さん。

初めは、神戸在住の白井廣美「音姫」7分。簡潔な言葉(英語でも同じ言葉を言う)。動作もシンプル。白い壁(これは3人とも)に座ることのできる白い台。水の流れる音は水洗トイレの「ジャー」。大きなピンクの紙で朝顔が折られ、壁に貼り付けられる。もう一度「ジャー」。水仙というもう一つの花の名前と「におい」を思った。シャッターが多く切られてはじめ面食らう。特にフラッシュですごい効果になっていた。

永山亜紀子「書かれていない文字の身振り」28分。朝顔はついたまま。2畳の畳。昔の大きな箒で掃いてちり取りでゴミを集める動作。白い布を縫って雑巾に模して拭く動作。舞台から降りてポットからお茶。柚子みたいのを絞ってそれを入れて飲む。すっぱいかなあ。客席のあちこちでお腹が鳴っている。

着ていた上着、靴下、袴、緑の帯をとってたたむ。白い大きなワンピースみたいな姿。仕事着からの解放。声を出す。ウー、ウー、エー、アー、ザー、スー、シ、クッ、ギョッ。声を出すことでいままでのどきまきした違和感がなくなって、ステージに彼女があるということに、リズムが出てくる。フーフー、舟の上の二人はこれでも夫婦。

・・赤いリボン、二人のなかに泳いでいる・・突然リボンが出てきて驚く。紺色の仕事着に白いワンピースのなかに、唯一言葉のなかで「赤」がぽつんと揺れている。また掃除。でも掃いただけで、ちり取りで集めなかった。

谷川まり「Drem of bread factory(夢のパン工場)」31分。まずはタマネギをむく行為。しみるのか目を細めている。タマネギを頭の上にして。恰好は白い帽子がボーイッシュ。と思ったら、食品工場で働くときのものだった。

彼女が数年働いて結婚とともに辞めたパン工場。辞めるときに一緒に働いている人達とチューリップを持って写真を撮った。それが映し出され、またここでも3人の人と写真を撮る。ふたりともパン工場の姿で。
水を入れて小麦粉を練るのが面白い。パンを作ることをしていた人がここでは労働や生産とは別の行為として小麦粉を固めている。雪花菜みたいに見える。

吹けば飛ぶような将棋の駒にかけた命をわらわばわらえ〜〜と歌う、労働歌のように。部分部分の節回しは正確なのだが、歌い出しをオクターブほど違う音程で歌うので、かなりおかしい。ばーらがさいた、ばーらがさいた・・・。固まった小麦粉の大きな固まりをお腹に乗せる。ずっと歌う続けながら、ブリッジへ。

お腹に乗った固まりへ、瓶に挿していた赤い4つのチューリップを挿す。下腹のあたりの大きな変化は、妊婦のようにも初潮のようにもみえるものだ。退場するとき、舞台を汚さないように新聞紙を次々に置きながら降りていく。これも立派なパフォーマンスになっていた。かなりの年季が入っている。

1/14(日)

第一回ウイメンズパフォーマンスアート大阪の3日目。同じく大阪市立芸術創造館大練習室。14:31〜16:33。終わってからのアーティスト・トークは出なかった。金曜日と違って休み時間も短くてきぱきと4人のパフォーマンスを観れたのだが、その分濃ゆくて、3人目の山岡佐紀子の途中から無性にビールが飲みたくなったからだ。

前半は、関西の知人二人。音と映像をMACなどで操作し自分もちょっと踊ったりするパフォーマーYuko Nexus6と、闘う詩人の上田假奈代。よく知っているはずなのに、新しい驚きを二人は与えてくれる。後半は、埼玉在住の山岡佐紀子とインドネシア在住のアフラマヤーニ。

「わたしのいる場所」。割烹着のYuko Nexus6がすたすた入ってきて、MACを立ちあげる。後ろ向き。リモコンで昼のテレビショッピングを映す。0120-66-4012・・編集してある。音と映像が違ったり繰り返したりのコラージュ。おかしみ。そうそう、客席に置かれたタイマーが順次一斉に鳴り出す(なかなかの策略。前に通ったリハビリセンターで、うとうとしていたら鳴り出すタイマーを思い出す)。

煎餅の缶をあけてバリバリ。ヤカンでお湯が沸く。ラジオではみんなの体操。踊る祐子さん。カットしたり混ぜたりする器具をテレショップしたのだろうか。それを楽器みたいにハウリングさせる。蠕動運動。16分後に退場。

「あなたとわたしの間に」。上田假奈代poetry reading。楚々とした和服(オフホアイト)に桃色の髪飾り。今朝、長柄公園で、犬が犬を散歩している情景にであいました。母親犬が子犬を誘導しているらしい。首輪と首輪を結び合わせて。トイレ連れ込み朗読というのをしているんですけど、今日は、私が母犬でみなさんの一人一人と首輪でつながっていると思って読みます。

「犬によくある名前」。彼女のCDの中でも、とりわけ反応してしまう名詩である。前説が2分(中西さんの進行司会なし)、朗読は9分。計算され尽くしたパフォーマンスであって、もっと聴きたいというのは野暮天だろう。でも聴きたい。彼女は首をゆっくりとまわし、客のいる場所に少し入って、一人一人目を見合って読む。

間合いも移動があり、客席の微笑み返しがあるので、きちんと埋まっている。
「時計の止まったキッチンで にぶい色をたたえるなべ・・・」、祐子さんともつながっていく不思議。初めて、これは願望というよりも希望の詩だったのだと分かる。

さて後半。41分もやっていた「春の風、秋の風」。山岡左紀子。メトロノームに火をつけて揺らすのはよかった。椅子を「投げやり」に放り投げ倒すのは「不快感」を与える仕掛けだろうが、あんまり感心しなかった、感情が生すぎて。創造館のものでなければいいが。客席とのバスケットボールのやりとりは強引。悪ぶって甘えるように、脱がせた客のコートを嗅ぐ。相手の皮膚にまとわりつく空気を嗅いで、その空気を紙風船に入れる。

そしてその紙風船を燃やす。なんだかしつこい感じがたまらない。客席に嗅いでいるときにビールが飲みなくなって集中をなくしていると、私のにおいも嗅がれて風船になって燃やされた。あとで「痴女?」に会ったと騒いでいる当時大学生だった私の同級生を思い出した。

最後のアラフマヤーニ「His-story 2」、22分。机の前に座ってティッシュを顔につけ、口のところに穴を開けて、下に落とす動作。上着を抜いて、自分の胸の上のところなどに文字を書いていた。近くにビデオがあって、彼女を大きく映している。初めはぼやけているし、途中でよく分からないがバッテリーがなくなるのか、途切れてまた復活したりする。
煙草を吸ってモーモーと白い煙を上方へあげる。音楽が鳴る。

銃を取り出し、自分のこめかみにあてる。鳴らすのかと思ったら音はさせずにその腕をまた下ろした。確かに緊張感は後半にあった。インドネシアの社会的な問題とか女性の自立とかなにか関係があるのかも知れないけど、よくは分からなかった。


こぐれ日記」の扉へ

無断転載禁止 掲載:アーク編集室