Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》Yano Akiko's DEMAE

104.

6.17.土 

矢野顕子『出前コンサート』滋賀県水口町碧水ホール

碧水ホール。雨も何のそので駆けつけた人たち。

ぼくは295番。290番の髪の毛の短い目の細い極彩色のシャツを着ている女性とだべる・・初めてここに車で来た。草津に住んでいるけど、学生の時は京都みなみ会館で原一男のオールナイトを見たりしたけどワイズマンは行きたいな。矢野顕子が出てきたらそれだけで涙が出るだろうなあ・・という。400番という番号札を掲げたボランティアがいた。もちろん満席、当日券はありません。

グランドピアノのモノクロームのステージ。上手に大きな書(高校3年生のもの)、音楽の「聴取」がテーマ。きれいな装飾になってもいる、矢野顕子も喜んでいた。

矢野顕子「出前コンサート」18:35〜20:10。

開演時間が来ましたけど、もう少しお時間を、と上村学芸員。

5分して、ボランティアスタッフの女性が携帯電話の注意を含めてご挨拶。この温かさと緊張が、公共ホールなどでの事務的(雇われ地元アナウンサー的)放送と違うところ。

黒いワンピース、かなり中年的スタイルながら、軽快に笑い、体揺らして矢野顕子、下手より登場。思わせぶりでないよ、という感じで。私は客席前上手端なので、ピアノの前に座ると見えるのは、両足のペダル踏む左足とリズム取る右足のみ。

表情は、グランドピアノに写る横に回転して歌う彼女の姿でよく分かる。きっと実物よりよく写っているように思うからラッキー。

1)super folk song。1982年にこの出前コンサートを始めたらしいけど、この曲は同名のCD冒頭曲でもあり、このコンサートシリーズを代表する歌だろう。明日は、愛媛県東宇和郡野村町シルク博物館に行くらしい。長い時間、思い出したように聞いていたCDのなかの声質とピアノが飛び出してくる。でももちろん生の間合いはCDでは聴けませんけど、ね。

2)おなじような語り系の歌(上村さんがFAXで曲名を教えてくれたところによると「クリームシチュー」。FAXは、本番中に彼が速記でメモし帰る前に張り出したものだった)。傷つくことは怖くはないんだ。ぼくにあやまるなよ、あたたかいクリームシチューを食べよう、お腹から暖まるから。

3)ベンチャーズ(渚ゆう子)の京都慕情。夕焼けの高瀬川、と歌っても矢野顕子はどこが桂川で高瀬川か、東山がなんだか分からない、と終わって宣う。来るためにわざと調べてくるのもいやだし・・・。

4)とびらの蔭で息を殺した、かすかなことばは、さようなら。「終わりの季節」(細野晴臣)ということ。

5)人生を取り替えた、と歌う(「Happiness」)。ピアノの伴奏も前曲などよりずっとよく、ブレヒトの痕跡すら感じられる。髪の毛の長い微笑みのきれいな女の人と人生を取り替えてみたら・・・幸せそうに見えたんだ、でもそうでもなかった。

6)ずっとやっていない歌なのと言ってなかなか始めない。体大きく揺れた前奏。ヴォカリーズもしっかりぐさりと来る、私に一番効いた曲。死なないでね、ここに生きる喜びを抱きしめるから。ささやきから大きく高まるレンジの広い曲。いま柔らかい光が私たちを包む、「NEW SONG」。

7)中央線。流れ星を砕いて湯船に入れる・・・この曲の歌詞は何度聞いても新鮮でぐっとくる。

8)糸井重里の歌詞。リズミカル。ころんだらどうしよう?ビリになったらどうしよう?一番になったらどうしよう?「しんぱいなうんどうかい」。矢野顕子には50m14秒という記録がある。

9)青空にたなびく洗濯物よ。カエルに言われりゃ、しょうがない。梅雨時に洗濯物を干したいけど、お天道様がきまぐれな季節のうた。「ふりむけばカエル」。

10)歌う前に、碧水ホールのファックス展などを紹介してロビー化計画に参加していい?なんて言う。人生は暗いものです。犬の帰宅。鈴木慶一(ムーンライダース)。目の前にある、静けさにある。

11)めちゃけちなおっちゃんが・・SMAPのイントネーションがあまりにひどいので大阪ネイティブに頼んでイントネーションなどを是正し、乾物屋か文房具屋のおばさんの口調に替えた歌。東京(青森)人にしたらまずまず。「ヘイヘイおおきに毎度あり」。

12)わたしのデパート。伊勢丹の歌。愛と希望以外はすべて揃う。Isetan-tan。

13)田舎の白い畦道で、ほこりっぽい風が・・きんきんぎらぎらの太陽なのです。日傘ぐるぐるぼくはたいくつ〜と鼻にかけて歌う。田舎の「典型」を歌詞にしたの歌。「夏なんです」(はっぴぃえんど)。

14)箪笥の中いっぱいなのに淋しい。トークアバウトグリーンフィールス。低い出だしからやはりレンジ広く大きく高く。「GREENFIELDS」。

15)奥田民生のもの(「さすらい」)。さすがこの世界をころがり続けて、旅路の歌を。つき山いくよさん(山下残のダンスチームメンバー)がぐっときたとか帰り言っていた。

アンコールの1。上村さん初めボランティアスタッフなどの皆さんへ拍手と矢野。雨があがった朝の光、胸一杯に吸い込んだから、あなたに会いに行くんだ、電車に乗って行くんだ。「ひとりぼっちはやめた」。楽しい気持ちを分けてあげる。

アンコールの2。欲しいものはたくさんあるの、(でもほんとに)欲しいものは「ひとつだけ」。

私のこと、呼び出して欲しい。・・・握手求めてステージへ来る若者。できなくて宙ぶらりんの人。

マタネ、と去る矢野顕子。


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