Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》dance circus16-1

239.
7/2(月)
トリイホール《ダンスサーカス16》の第1日目など

真夏みたい。草の匂いでそう思った。下駄履きで大学内を歩くと爽快だ。だいたい女性はいまごろ素足でサンダルなのに男だけが靴下履いて革靴だったりするのって、せっかくの夏が台無し。
自分の足の指をつくづく眺めると、いままでの革靴のせいで爪が虐待されていてかわいそうになる、なんとかしてあげなくちゃと思う(透明なマニキュア塗る?)。
・・・・

トリイホールのダンスサーカス16。18:08〜19:08。
とくに有田美香子の挙動に対しては、他のパフォーマーとは違う吸引力があるのかどうか。どうもこういう動きに弱い。一番後ろに座って見ているのに、皮膚に直接病原体が入ってくるみたいな感じがしてしまうのだ。STスポットラボでも遭遇したダンサーだが、その時よりも数段インパクトが強く「シンプルなのに無限さへと誘う」踊りだった。

1)前田愛実「Pygmalion+s」。初めの音楽は大きくきつく鳴る機械音(音楽/由辺田貴/変わった名前?)。映像(中川園江)は自分の顔。それが体に映る。後半には、びっしり敷き詰められた漢字の映像。それも体に映る。
手に「耳、現、・・」が映るのを彼女が眺めて掬うようにする。床に敷いていた透明ビニールを体に巻き付けてガムテープで止める。ソーセージか紐でくくられた高級ハムのようだ。

2)浜田さえこ&ナーチェナーチェ(二人の女性)「祈輪 KIRIN」。インド舞踊をもとにゆっくりとポーズし踊る。現代的ないらだちやドツボな感じは一切ない。尺八が初めと終わりに(福本卓道)。短くてもっと聴きたかった(ぜいたくかしら)。

3)有田美香子「ポウズ」。pauseっていうのは、途切れとか区切りなどの単語。途中休憩っていうこと。日本語では区別つかないけど、poseは気取った姿勢とか見せかけ。まるで逆の意味ね。それをタイトルとするダンス。はだし。ちょっと北村成美を彷彿とさせるところがある。臭い言い方をすると「生きざまひりひりダンス」系。

前田愛実もダンスだが、踊って楽しませるものではなかったので、有田の舞台を斜めに切って動くシンプルな上下運動が心地よい。細い体。もちろん心を切り裂くようなデフォルメと裂け目が動きと動きの隙間にいつも落とし穴としてあるんだけれども。就職のために面接に着ていくようなタイトなスーツが何かを象徴している。

音楽はくるり?、よく分からないけど「自分の命をすりへらしているだけ」のフレーズはずっと知っているもののように聴こえる。斜めへ動く始まりは常に右手を挙げる仕草。用意できています、いまから走ります、という陸上競技のあの仕草だ。

無音になって舞台の前面を横移動。即興的なクライマックス。髪の跳ねを押さえる仕草の繰り返し。腸がねじれてしまうほどに胸がやけるのか。タイトなスカートをまくって脚を上げてみる。どんな終わり方だったっけ?

4)ノ・ビータ(仮)「素敵じゃないか。」。ちよ・二川晃・中西朔。トイレが詰まった時に使う道具を使ったもの。床に吸い付かせるといい音が出るのに、裸の体では情けない音しかしないのがおかしい。

5)花嵐「臍リアル」。暗闇に懐中電灯からの始まり。語りのある濃ゆくてどうしようもなく暗い歌。お兄さんを愛した妹が、その兄の結婚式の当日屋上から死にたいというストーリーソング。
それによるのに、最後までどろどろしないで踊る。

宝塚の男役みたいな髭がよかった。それも右側だけっていうのがうまいなあ。今月終わりから本作品があるのに、いま創作の泉が吹き出しているのだろうな。舞踏を思い切り延長させて自分たちにマッチするところだけを継承している(ように感じる)女性3人組、いままさしく旬ですね。


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