Arts Calendar/Art's Report site/《KOGURE Journal》dance circus16-2

240.
7/3(火)
トリイホール《ダンスサーカス16》の第2日目など

トリイホール、DANCE CIRCUS.16の後半。今日は20時の部、実に満席。大野一雄状態に近い。3方の客席がステージを小さくする。三浦あさ子さんがトリイホールは踊る方は怖いと思うよとつぶやく。年輩の女性陣(ブラボー軍団もいた)や中年以降の男性陣もいる。

20:09〜21:17。中では、栗棟一惠子のソロが深い陰影とともに心に残った。でも、もう夏本番。踊り狂う感じの人たちを見るのも実に爽快。いつも裏方でがんばっているスタッフも踊りたいよね、という感じで最後はしっかりと情景を作っていたし。

1)藤田清香「僕の中の君」。彼女と西野あい子のかわいいデュエット。曲の選択とかまだオリジナリティを云々する所まではいかないけれど、踊るのが好きなんだなと素直に見ている。9分ぐらい。

2)DANCE UNIT TORSO「THE WALL」。作・出演/栗棟一惠子。震災後に角正之のワークショップに参加したという。いでたちから、老女と少女を行き来する想像力の幅があり、音響も、自分で出す「だだだ」の声だけ、囁くように。
ダイダイの光を下斜めからあびてシルエットの使い方も強靱な意志が感じられた。

彼女自身の「ボレロ」のように、少しずつ同じようなフレーズが高まり変容していく。ぱっと膝を叩く間合いとかを目撃しているうちに、金管楽器などが混じっていく「ボレロ」が私の中でかってに鳴り響いてしまってちょっと困ってしまった。

前の若い女性の膝に触る栗棟。その女性はぜんぜんいやそうじゃなく、じっと栗棟を見つめたままだ。(隣の一緒に来ている男の方がだめなのだとぼくは思うが)その若い女性の手をその男が握りしめる。あたかも、自分から彼女を奪われるのが怖いと言っているようでおかしい(横の席なので客席の観察もできる私〜三浦さんは時々調光台を見たりしている)。

3)Ca Ballet「トウ・トウ・トウ」。振付・演出/北村成美。出演/水野宏子、木戸麻矢、安那瑞穂。みんなバレエをやっているけど、こういう楽しい場所に出るのはすごい変わった経験だろうね。つま先立ちって競争になることが、実際のバレエの練習の時にもあるのかしら。

初めと終わりのにぎやかなシャンソン。特に最後の踊りの時に3人が見せた笑顔がたまらなく好きだ。つま先立ちのタップダンス、壁を思い切り使った踊り。北村成美のお得意の芸だが、それだけにしない構成の面白さがそこにはある。

4)垣尾優「とめないで、さわやか」。垣尾と藤村司郎の呆然ユニット。冬樹から上海太郎へ。文ちゃんと似ている経歴だなあ。しっかりした踊りの技=一種の文法があって(それは冬樹的なニュアンスをとどめているが)、それをまた楽しく自分のものにしようと壊したり作り直したりしている。

跳び蹴りからの開始って大柄の男性二人だから、どこかリングでのかねの音のようにびっくりさせ、目覚ましい効果を挙げた。後半の武道的な動きが好き。つねに楽しくしっかりと客席へとダンスを届けようとする姿勢があると思う。終わり方が動きながらの溶暗で、終わりを覚えることが苦手な私でもよく覚えている。

5)千日前青空ダンス倶楽部「夏の器」。作/紅玉。出演は、稲吉、てるてる、ポン太、クララ。北真理子が出ていなかったから紅玉は彼女かな?あとは、特定できないが、文、yum、福岡まな実、中田そこか。トリイホールのスタッフのみなさん。いつもお世話になっていまーす(ですです)。

三味線の出だしがすぐれもの。こんなお座敷音楽などもこれから欲しいなあ。今回はちょっとすましていなかった?
お相撲ジャンケンはよかったね。蜂の巣の髪飾りいいなあ。yumができるんだから、ぼくだってできるね。人形が逆立ちから首が折れて壊れるみたいな始まりはどきりとした。

(時間が前後するけれど、トリイホールスタッフとも関係するから「こぐれ日録」から以下を抜粋しておきます)
・・・・・
京都橘女子大学文化政策学部の必修科目「文化政策基礎論1」に碧水ホールの上村秀裕さんをゲストスピーカーとして招く。
彼が作ってくれた「ホールとは?ホールの仕事とは?ホールのスタッフとは?」のレジメや「学生時代にしておくと良いこととは?〜思いつくままに学生時代略年表〜」はとても気持ちが込められたもので、きっと学生たちの貴重な思い出になるだろう。
以下少しだけ・・

「勤務時間中だけが仕事ではありません」「仕事のやり方は、誰も教えてくれません」「仕事に自信を持っている人よりも、確信を持って仕事をしている人の方が確実にいます」「ホールの仕事は、日頃の生活や性格や身ぶりが出てしまう、という点で恐ろしい現場仕事かもしれません」「ホールは、法律、条例、規則、常識では割り切れないことが起こりうる場所です」「そして、ホールは、そういう気持ちを持つ状態となった人を受け入れることができる場所です」・・(以上『ホールとは?・・・』より抜粋。

『ホール・スタッフの条件』にもすごく大切なことがいっぱい、たとえば「知らない人に道が聞ける」「約束の時間が守れる。または、時間の約束ができる。つまり、他人の時間を大切にできる」・・)


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