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207.
4/9(月)京都芸術劇場『studio21』opening*京都造形芸術大学

4/12(木)アトリエ劇研演劇祭『京都お笑い迎撃マシンガン』

4/9(月)
京都造形芸術大学の京都芸術劇場studio21へ。りっぱな階段を上り、事務局とかカフェなどがある大きながらんとした空間を通り、また階段を上ってstudio21に入る。
トイレとかは小さいが、もう一つ850席の劇場(たしか春秋座)があってそこにきちんとしたユーティリティが備わっているのだろう。

オープニング記念連続公演のはじまりはじまり。18:09〜20:19。京舞2つが能を挟むプログラム。椅子の客席に座っていたここの学生が、人数が増えてきたので追加して作られた前の座布団席に移るほどの盛況。

能では、移動式の作り物である寝台を「働き」の二人が運んでくる。柱が折り畳みになっていてその手軽さが楽しい。シテの邯鄲がその柱をつかんで宮殿(夢の中では大きな宮殿にその寝台が変化するのだ)が揺れてしまった場面もあった。音響的にはシテの声が囃子方の合図声にうち消されたり、ステージの間口が小さいからか少し聞き取りづらい感じがする。

先日と能の演目『邯鄲』(79分)は同じで、シテは観世榮夫。利賀村で初めて彼の舞を見てから随分経つ。以前よりもその立ち姿には枯れた風情が漂う(よろっとした感じが加齢を感じさせる)。
地謡が6人なのは舞台が狭いからだろうか。能を演じるには橋掛かりなどがつくれない横幅の舞台(奥行きはもちろんあるので小劇場などは十分のスペース)。

京舞の井上八千代(五世家元)のぴたっとした舞い姿に挟まれたプログラムだから、一瞬にして自分の一生を見た能舞台の「一瞬」の重さや長さに感慨を持ちつつも、途中が長すぎてこちらの読解力では、ぼーっとなってしまう。「急」の場面に入ってあっという間に夢の登場人物が舞台から去っていくスピード。くるっと寝台に寝転がるシテには、ぞくぞくとする場の力を感じさせられたけれど。

一方、井上八千代はいま一番体が動く時なのだろう。
地歌『万歳(まんざい)』14分。後ろの飾り(金色の紙をたてに貼って金の柱が続いているように見える)もここの美術の学生が作ったと、劇作家でここの教員の宮沢章夫さん。
これは、京舞のなかでも軽い祝言的な曲だと思う。
「はまぐり、はまぐり」なんて歌の歌詞があったり、後半は滑稽な舞でもあって、「ふふふ」ってぐらい笑いがあっても実はいいのではないかなっと思ってみたりした。

唄・三弦(菊寺智子)と箏(菊萌文子)の伴奏のリズムにあまりにも合って動く。いまの舞踊としてはリズムに合わせて振りをしていくという所作に遭遇すると恥ずかしい気持ちがよくするのではあるけど。

最後に舞われた地歌『珠取海女(たまとりあま)』(24分)は、変化に富んだ充実した京舞だと感じる。きっと「京舞」というジャンルに接して初めて、体の中から反応できた舞台だったからだ。白い屏風が置かれ、水色の着物に真っ白な化粧。ビジュアル的にも先の舞よりも強烈だ。

「出」で、かごをお付きの人に持たせるのはお能の影響かな、とも思ったが、かごを持ってくればその舞台への出る姿から舞踊になってしまう。そうではないから、かごを持ってこないで登場するのだろうなとか思ったりして見ている。

この舞には「大笑い」はないけれど、女忍者みたいなしぐさなど、軽妙さから剽軽へとつながるパーツがある。日本舞踊の特徴だと言われる「優雅さ」「妖艶さ」「可愛らしさ」などに加えて、少なくとも京舞には「滑稽さ」「剽軽さ」「軽妙さ」があるように思いながら帰路につく。

4/12(木)
アトリエ劇研演劇祭オムニバス企画。『京都お笑い迎撃マシンガン』の3日目。
19:04〜20:47。4つのグループが20分間を与えられている。OMSのTIP COLLECTIONの形式が踏襲されているみたいにも思えるが、新年度の学生への「迎撃」には最もふさわしいものだろう(つまり芸術見本市でよくやるプレゼンテーションですね)。

1)HANAFUBUKI「口笛が聞こえそう」。藤堂尚樹(劇団その1だったよなあ、昔)が結成した劇団で、松井山手の駅前のどこか(6/2〜3に新作がタウンプラザで公演される予定)でやっていたのを、こんどJAM West事務局長になった松本さんの家族が観てはまったという。彼らは公演間近なので、コントをやったあとすぐに稽古に出かけていった。

ショートコントのオムニバス。タイトルを猪岐英人が手の甲に書いていたのがおかしかった。最後のギター伴奏による唄が藤堂らしくて一番良い(ラララ・ランドリーからランジェリーなどへと繰り返される唄で、昔の学生の唄によくある「一つとせ・・」的な伝統も感じさせるもの)。

2)ヨーロッパ企画「苦悩のピラミッダー」。ヨーロッパ企画は、同志社大学系のシテュエーションコメディー集団。高校教師のくだらない体育祭をめぐる相談が延々と繰り広げられる。
「外人」は「外す人」とか、でかすぎる「たけだ」の話とか、軽く「差別」についての考察が見え隠れもしている。残念ながらおちが肩すかし。でも、人気は高いし前にお芝居を見たときよりも面白さがアップしているように思った。

3)ジュゲム大久保<高澤空男>。ビョークぶりでそれが女ストーカーの話である・・わけわからない設定の中。危険度高し。途中でワンピース姿になる人物が登場して、裏声で歌いくねくね踊る。なかなかの体のぐねぐねさだ。彼は普通に話しているととても普通で、保育士をめざしているらしい。
一人芸人の中でもけっこうインパクトの強い好青年と思えた。一人客席の女性を舞台に上げる。

4)サキタハヂメ「サキタハヂメ魅惑ののこぎり演奏〜春眠深めるポルタメントの調べ〜」。4曲、オーケストラの伴奏などをテープで流しながらののこぎり演奏。1)ミスティ、2)G線上のアリア、3)アイルランド民謡(ガータナバーナマ?)、4)プッチーニのわたしのおとうさん。

途中にのこぎり音楽の話など。とくに彼は音痴レコードを収集しているということで、こそっと彼の元に送られてきた音痴なお琴の2重奏を聴かせてくれて、なかなかにほのぼのとおかしかった(これがこの「笑い」に対する彼のサービスだったのかも知れない)。
もちろん、ぼそぼそっとしたサキタハヂメの話術が一番の笑いだけれど。


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