Arts Calendar/Art's Report site/《Kana_chan News》hananaga
『平安のハナナガ〜はやしカナ展1』
はやしカナは2000年6月22日から2週間、大阪弁天町のギャラリーはたなかで個展をします。毎日日記をつけておこうと思ってかいてます。
6月22日 あめ
今日は初日というのに雨。お客さんの足が遠のくだろうけど、色々準備がととのってないし今日はちょうどいいかも。
それから間もなく、山崎恵子さんがくる。彼女はこのまえ、ギャラリーのそとに置いてあった招き猫の看板をみて、猫の展覧会と間違えてはいってきた人だ。猫を4匹飼っていて、そのうち1匹はヒヨちゃんといって猫エイズにかかっている。さんぽひもにつないだヒヨちゃんと一緒にみにきてくれる。今回もゆっくり、興味深そうに色々質問してくれる。ヒヨちゃんは、ふだん全然大通りにでてこない。ここは車の音がすごくてちょっと落ち着かないようだ。2人はまた日曜日にきてくれるそうだ。
前もきてくれた5年生の女の子3人がやってきた。なかでも外山舞ちゃんは、昨日の搬入のときから様子をみにきていた。きっと今回も通って遊びにきてくれるだろう。
きっと、前回よりも今回が、でさらに次回はもっとよくなるんでしょう。そりゃ〜嬉しい。
「かなちゃん通信」vol.6
『平安のハナナガ〜はやしカナ展2』
6月23日 はれ
朝はとても暇。あんまり暇なので、プリントゴッコでペッタンペッタンポストカードを制作した。この作業中はうまいことお客さんは誰もこない。
笹岡さんが帰ってから舞ちゃんがやってくる。しばらく、由利さんと舞ちゃんと3人で、助言してもらったり絵を描いたりして過ごす。
「かなちゃん通信」vol.7
『平安のハナナガ〜はやしカナ展3』
6月24日 はれ
今日は、ギャラリーが開く11時より前に舞ちゃんがやって来た。そうか、土曜日は学校がお休みなんだ!
舞ちゃんは来るなり、
「うわ、あつい。1回うち帰ってお風呂入ってくるわ」と言って帰って行き、服を変えてぬれた髪で戻ってきた。しばらくの間、カナは日記をつけ、舞ちゃんは絵を描いて、ゆったり過ごす。
舞ちゃんはこのあとお昼を食べに帰った。
そのあと、若いご夫婦がやって来た。選挙の不在者投票をしに区役所にきたついでによってみたらしい。このギャラリーはたなかを、区の新聞の記事でみて、1度きてみようと思っていた、とのこと。この新聞は、結構たくさんのひとが読んでいるらしい。それにしても2人ともひかえめな人だ。麦茶を出したら恐縮されてしまった。ギャラリーとか、あまりきたことないのかな?それに2人とも声がちいさい。別に自信がなさそうというわけではないが、おとなしい。特に奥さんは、直接カナには話さない感じ。旦那さんにささやいて、彼の口からカナに伝わる。直接聞こうとすると、身をのりだすことになる。
友人の日野さんが京都からきてくれたが、15分くらいで行かなければならないという。今、大阪のどこかでやっているフェルメール展をみにいったら、3時間も待たされてしまったそうだ。そして大幅に時間がずれこんで、このあとの用事までもう間がない。う〜ん日野さ〜ん、1日に3つも、しかもこんなに時間のよめない用事をつめこんじゃって、せっかく来てくれたのに。体もこわしてしまうよ。
ゆっくりだらだら、暇であることってとても大事だと思う。話が面白い方向へいったり、新しいことが発見できるときって、大体ゆとりがあるときだ。時間のゆとりが、気持ちのゆとりを作るってことが、とても大事だと思う。
ほどなく、買い物のたのまれごとを済ませて、舞ちゃんが戻ってきた。彼女はまたすぐ制作にとりかかる。この期間このギャラリーは、もはや舞ちゃんとカナの共同アトリエだ。時にはそれぞれもくもくと作業したり、お互いの助言をしあったり、展示を一緒に変えてみたりと、とてもいい関係だ。舞ちゃんはふだん家ではこんなには絵を描かないそうだ。ここへ来ると、どこをみても絵ばっかりで描きたい気分になるらしい。毎日わざわざここへ来てハナナガ関連の絵を描くのだ。今日は、そのあまりの制作意欲に関心したはたなかさんが、舞ちゃんに紙をプレゼントした。その紙でハナナガこものいれまで作ってしまった。すごい。しかも絵もすごくいいのだ。
すこしして、近所の山岡さんという奥さんがやってくる。常連さんだがカナは初めて。とてもにこやかで、自信に満ちているようにみえて、でもそれが全然強烈でなく、嫌みな感じもまったくない。
「こうやって、作っているところをみせてるのって、すごくいいことだと思うわ。でもとても勇気のいることなんだと思う。だってみんなやってないものね。」
そうか。そういえば、じぶんが描いてるところみられるの絶対いやだって人もいるなあ。カナは逆に、誰かに助言してもらいながら描くととてもいいんだけど。1人で集中してぐわ〜っと描くのも、よくなるときもあるんだけど、いい意味の冷静さが失われるときがある。だから、たくさんの絵をちょっとずつ描くのがいいんじゃないかな〜と思ってるし、人にすぐそばにいてもらって色々言ってもらうと、1人じゃ気が付かないことにもきづくことができる。もちろん1人の時間もあってこそだと思うけど。
このあとはたなかさんもきて3人で色々お話する。なかでも印象に残っているはなしがある。山岡さんが染色の先生をしてたときのこと。生徒たちがかげで、「先生は環境に恵まれてるから、なんでもうまくいくんだ。先生は自分を中心に世界がまわってる」というふうに言っていたらしい。まあなんとも勝手な生徒たちだなあ。
山岡さんは、いつも明るく、前向きなひとだから、そういうふうにみられてしまったのだが、実際そのころは、彼女にとってとてもキツイことがいろいろあったのだそうだ。生徒たちにそれを話したら驚かれたという。ああ、腹がたつなあ。そのひとがどんなに自分の力を駆使して、自分にとっていい環境をつくろうと努めてるか、なんて考えもしないで、勝手にひとのことを決めつけて。ただのやっかみじゃないか!別に1人で思ってるぶんにはかまわないけど、口にだすのにはあきれる。そんなこといってる間に、自分も正直になって努力したらいいのに。でも、弱いんだろうなあ、そのひとたちは。逆に、やっかみでそういうふうに言われてしまうひとたちもそうやって攻撃されることを覚悟をする必要があるし、かわしていく工夫がいるんだろうなあ・・・
山岡さん、魅力的なひとだと思うなあ。お話してると、考えさせられることが色々でてきて面白かった。
「かなちゃん通信」vol.8
『平安のハナナガ〜はやしカナ展4』
6月25日 はれのちくもり、のち夕立
彼は絵も描くし、自費出版で本も作ったそうだ。「小学校しかでてないが、ひとの3倍勉強した」とのこと。非常に真面目で、努力家なひとのようだ。書いた本を夕方みせにきてくださるって。楽しみだ。
ほどなく、住田有子さん、阪本佳子さんと娘の響ちゃん、息子の良介くんがやってきた。有子さんと佳子さんは双子の姉妹だ。このひとたちはとても面白く、また面白がってくれるので、絵や話が一気に変わっていったりすることが多い。絵をみながら、4人でああだこうだと盛り上がる様子がとても面白い。そこへ、京都市立芸大の濱田さん、ヒヨちゃん家の山崎恵子さんが立て続けにやってきた。なんと、前回の展覧会の「uniこのお葬式」に立ち会ってくれたひとが3人も。面白いことが起こりそう。
つづく
「かなちゃん通信」vol.9
『平安のハナナガ〜はやしカナ展5』
6月25日のつづき
ハナナガの降ってくる絵のタイトルが決まった。「ハナナガの結晶」だ。うーん、いいな。
前回お葬式した絵のほうに、話はうつる。この絵にも小さいハナナガが降ってきている。この小さいのが「結晶」ということに決まったので、絵がまた違ってみえてくるのでは、とみんなで絵をのぞきこむ(さすが、今いるひとたちはお葬式に立ち会ってくれているだけに、こういう状況に慣れている。話がはやい)。
まずヌーヌー大王を消してみることにする。ほかの絵に描きうつしてから、ヌーヌーを消した。私は、いちどちゃんとお葬式をしたせいか、上から描いて下のものを消してしまうことがそんなにつらくなくなっていた。もっといい絵に生まれ変わらせられるのならそっちのほうがいいと、さらっと思えるようになったのだ。
しばらく考えて色が違うなと思ったので、赤茶色の部分を青白くしてみた。そのうえ、ほかのものを画面に登場させよう、ということになり、「ぞうとハナナガ」という絵にでてくるぞうを描くことにした。
すると・・・す、すごい。ふみしめるぞうのハナから水がでて、ハナナガの行列は荒波のなかを急ぎ足で逃げていく。降っていたようにみえた小さいハナナガは、振動で舞い上がっているようだ。そして、ちょうどこの洪水を描いているとき、外で降りだしたいた夕立がしめしあわせたようにさらに強烈になったものだから、なんとも世界はうまくできているものだと感心した。
つづく
「かなちゃん通信」vol.10
『平安のハナナガ〜はやしカナ展6』
6月25日 さらにつづき。
みんなで、高野さんの絵の写真をみたり、寺井さんの作品のDMをみせてもらったり。はたなかさんも一緒におしゃべり。
寺井さんがカナの作品やファイルをみて、こんなことを言っていた。
「いや正直なところ、もしカナさんが最初からハナナガとかばっかり描いてたら、ん?と思うかもしれないんですけど、こういうの(いわゆる基礎デッサン風)も描けた上で描いてるから(納得がいく)」
彼は、「こういう絵」を習ったことはないそうだ。だから、羨ましく思うという。素直だ、とても好感のもてるひとだなあ。でもべつに、「こういう絵」が描けようが描けまいが、いいものはいい、とカナは思うが。
おみやげをもってきてくれた。沖縄の「はちゃぐみ」という米のお菓子をみんなで食べ、高野さん、はたなかさんと4人でおしゃべり。このお菓子は大正区で買ったそうだ。大正区には沖縄出身のひとがなぜかたくさん住んでいるそうで、沖縄系のお店もいっぱいあるんだって。ドームみたいなところができていて、そこでの催しをみてきたのだそうだ。
小暮さんは、私が初めてギャラリーはたなかで展示させてもらったときにきてくれていて、当時の話をしてくれる。そのときは「ひねもすふわり」というグループ展で、イーゼルをもちこんだりはしなかったが、はがきのオーダーメイドを受けてサインペンやマーカーで描いたりしていた。
そのときの小暮さんの注文はご両親へのおみやげで、おとうさんには「老人コーラス(なんじゃそりゃ)」。コーラスが大好きではまってるんだって。おかあさんは、そうとうなカエル好きだから「3びきのカエル」を描いた。
それを聞いて思い出し、自分が今に至るながれがみえて、なんというか、ふ〜むふむふむ、と思ってしまった。私は、作品ファイルをちゃんとまとめてない。大学6年間のぶんは、すごくみづらいが一応まとまっている。でもそのあともまとめないとなあ。その作業をすると、また新しくみえてくるものもあるだろうし。小暮さんが前の展示の話をしてくれたので、そんなことに気がついた。
そうこうしてるうちに7時。今日はカナもいくところがあったので、小暮さんと一緒に駅にむかった。
「かなちゃん通信」vol.11
『平安のハナナガ〜はやしカナ展7』
6月26日 はれ
今日は月曜日だし、きっと暇だろう。午前中は日記をつけた。昨日は色々なことがあって、日記がなが〜い。
12時ちょっと前に野村誠氏がくる。野村くんには、30日に一緒に演奏してもらう。おひるごはんを食べてから、彼は身の周りの用事をはじめた。仕事で韓国にいって、帰ってきた1日後にもう関西に来たので、ガス代を払ったり、写真を現像したり、郵便局にいったりと忙しそうだ。ひとだんらくしたところで、色々と助言を求める。
それにしても、今日は徹底的にお客さんがすくない。夕方までにきたほかのお客さんは4人。しかもみんな長居はしない。そういえば今日は舞ちゃんもこない、展覧会始まってから初めてのことだ。だから野村くんにたくさん助言をもらうことにする。
うん、よくなったなあ。それに今日はプリントゴッコのハガキの下描きもできあがったし、いろいろよかったなあ。
野村くんが、山辺さんが作ってくれたCDをもってきてくれた。今回譜面を展示してあるが、将棋作曲の曲である。山辺義大、野村誠、林加奈作曲の「日没の海」という曲。うん、なかなかいい曲だなあ。
今日野村くんはこのあとマルガサリの練習に行くという。マルガサリは、京都芸大で先生などもしている中川真さんの主催するジャワガムランのグループだ。もうすぐ東京でコンサートがあるのだが、野村くんは新曲を頼まれている(野村氏は作曲家)。その新曲に、カナも出演させてもらうのだ。さすがにそろそろ練習にくわわらないとな〜とちょうど思っていたので、5時30分ごろ、あとをはたなかさんにお願いして、一緒に練習場のある豊能町へむかった。
「かなちゃん通信」vol.12
『平安のハナナガ〜はやしカナ展8』
6月27日 くもり時々はれ、夜は雨だった。
今朝は、プリントゴッコでつくるハガキがやっとできあがった。版画ってやっぱり面白いな。手描きや、もちろんカラーコピーではだせない、い〜い味わい。
朝、小暮宣雄さんからの郵便が届いた。カナとはたなかさんにそれぞれ、小暮さんのつれづれ日記2か月ぶんを送ってくれたのだ。しかも、ついおとといのぶんももうはいっている。「弁天町で林加奈さんに会って、彼女の日記にいれてもらおうかな・・・」という書き出しのところから23行にわたって、この展覧会についてふれてくれている。それにしても小暮さん、確か1時間くらいしかいなかったし、それに船長の高野さんとずっと話してたのに、よくこんなにちゃんと書けてるなあ。
もう何年も日記を書きつづけているし、さすがだ。またこられたら来て欲しいな。
特に午前中や午後いちならの〜んびり。あ、でも仕事があるのか。
朝のうちはたなかさんが、野村誠くんのおいていったチラシをみつける。彼の作った「たまごをもっていえでする」という曲のことをすこし説明した。色々なひとの5才の頃の夢を聞いて、それが歌詞になって、曲の中に登場するのだ。はたなかさんは5才の夢をはっきり覚えていた。彼女の5才の夢は、新聞をくばるひと。よくざぶとんを折ってこわきにかかえ、「しんぶ〜ん、しんぶ〜ん」と言いながら、家のなかをぱたぱたはしりまわっていたんだって。すごく想像できる。かわいいなあ。
お昼すぎまでは誰もこない。でもここにいると退屈はしない。絵を描いたり日記を書いたり、考えたり外をながめたりウトウトしたり。
2時すぎくらいに若い女のひと(雰囲気はどちらかというと女の子という感じ)が、とても明るくはいってくる。
「わあかわいいですねえ。私よくはがきとか集めてるんですよ。で、ここのギャラリーっていつも扉しまってて誰もいなくて、でも、あー今日はあいてるーと思って入ってみたんですよー。あ、でもひとがいるっていうのはここくるまで気付かなかったんですけど」
なんだか、とてもとおりのよいひとで、話がはずむ。舞ちゃんが描いた作品群をみせると、自分もかきたくなったようだ。カナは自分の作業をし、彼女もなにか描き
はじめる。しばらくしてのぞいてみると、おおっと、なんとアポロ(チョコ)ハナナガを描いているではないか。面白いぞこのひと。しかし、すでに展示してある
「ハナナガアイスキャンディー」に気がついてくやしがる。で、くやしいからもう1枚、とふえていく。このひとは、営業の仕事の最中によってくれた。今さっきの営業先のひとが自分とあわず、ちょっといやな思いをしてしまったらしいが、絵を描いているうちにふっとんだという。よかった。彼女は1時間くらいいて、リフレッシュしてから仕事に戻っていった。
30〜40分して、おそらく20代半ばの男性。彼も仕事の移動中で5分しかいられないけど、絵が気になってはいってきてくれたそうだ。お年寄りの家にいって、色々とケアをするお仕事だって。またゆっくりきてくださいね。
それから、23日にはがきを買ってくれた若い男性がまたきてくれた。丸山さんという。あのときはひとが多かったけど、今日ならゆっくりはなせそう。
丸山さんは結構ゆっくりしていってくれた。色々話できてよかったなあ。近所だし、またきてくれるかも。
「かなちゃん通信」vol.13
『平安のハナナガ〜はやしカナ展9』
6月29日 はれかくもり
休みあけ、展覧会も後半にはいった。あさ、ひょうたんオーケストラプロジェクトの奥田扇久さんから郵便がとどいていた。あ、HOP(ひょうたん・オーケストラ・プロジェクト)通信だ。6月4日に「さきらフェスティバル」でひらいたひょうたん笛づくりワークショップは大盛況だったようだ。またHOPの皆さんと曲つくったり演奏したりしたいなあ。カナも今年は、HOPの森さんにもらった苗を植えて、ひょうたんを育てている。展覧会中は友達に世話を頼んであるが、よく育っているだろうか。
ある家族がいて、父、母、息子2人、娘2人、召し使い、犬(犬も1人と数える)の8人である。川の向こう岸からこっち岸へ渡りたい。ボートは1槽、2人乗りで、漕げるのは父、母、召し使いの3人。ただし、恐ろしい条件がついている。1、父は母がいないと息子を殺す。2、母は父がいないと娘を殺す。3、犬は召し使いがいないと家族を殺す。以上の条件をふまえて、全員生きて川を渡るにはどうすればよいか。
これを聞いてびっくり。こんな家族・・・無事に渡れたって、そのあと暮らすのに不便じゃないか。父と母はひとりでトイレにもいけないし、だいたいなんでこんな犬を飼ってるの?
まあクイズだし。ひとりでかんがえてるとゆきづまるので、はたなかさんと一緒に考える。あわわ、これじゃむすこが死ぬ。あわわこれじゃ娘が死ぬ。結構色々苦労して、と、とけたのだ。やったあ、すっきりした。これではたなかさんも眠れる。
もうひとつ印象的な話。なんでも、彼女には、お互いをとてもわかりあえてる従兄弟がいるのだそうだ。血が濃いとよくないと思い、一緒にはならなかった。彼は絵を描くひとで、昔ハルエさんをモデルに絵を描いたことがあり、それがすごくいい絵なんだそうだ。ハルエさんはその絵が欲しくて「ちょうだい」となんべんもいうが、彼は「宝ものだからダメー」というんだって。しかも、ハルエさんがその従兄弟の家を尋ねていくと、いまだに奥さんはしっとしてしまうらしい。なんだかとても、どきどきするはなしだなあ。
しばらくしてやってきたのは、北野さんという女性。あとからきいたら、ハルエさんと同じへびどし70才。でも2人とも、きりっとしてしゃんとして、年令そのものを感じさせないなあ。北野さんも面白がってくれているようだ。はたなかさんもでてきてみんなでおしゃべり。北野さんはいう。
「なんかちょっとバックの色がキツイ感じすんねん。ハナナガって空想の生き物やろ。森とか現実の場所やし、卵たべてるのも現実的やん。なんかせっかく空想なんやから空想の場所のほうがええんちゃう?ああ、でもあんたにとっては現実なんやもんなあ」
つまりはどういうことをおっしゃりたいのか知りたかったので、つっこんで聞き出したところ、どうやら色の対比がきつかったり、線がつよかったりが原因で、雰囲気がキツイ絵が多いと思う、ということらしい。話の中で「ハナナガの独立」という絵をみせたら、
「ああ、これや、これやったらキツくない」
とのことだった。カナとしてはどうしたいのかというと、欲張りなんで両方したい。両方つーか全部したい。
そうこうしてたらお客さん、と、ありゃ?由利さん!?今日は自分の展覧会場にいるのでは??
じつは昼間、ギャラリーはたなかに由利さんから電話があった。地下のギャラリーでお客さんぜんぜんこないし、ギャラリーのオーナーとはうまがあわない。すっかり滅入って逃げてきたそうだ。
そして、舞ちゃんのコメント。「トヤママイです。私はトマトと学校でいわれて、みんなとわらって「えもかいて〜」とよくいわれています。ギャラリーを大人になったらつくりたいなあ(ハート)」
ワオ!たのもしい、嬉しい。なんでもお父さんが不動産屋さんで、ギャラリーを建ててくれるんだって。たのしみだ。
「かなちゃん通信」vol.14
『平安のハナナガ〜はやしカナ展10』
6月30日 朝あめ、あとははれ
今日は朝1番にマルガサリ(ガムラングループ)の代表、中川真さんと、みんぱくの仕事で一緒だった筒井はる香ちゃんがきてくれた。でも2人ともあまり時間がないようなので、ちょっと急ぎめに話をする。今回や前回あったこと、この絵がこう変わったとか、お客さんが絵をかいていくとか色々。真さんが、
「じゃあ僕もハナナガ描こうかな」
といって、筒井はる香ハナナガを描いた。そしてそのお礼(お返し?)にはる香ちゃんは真ハナナガを描いたのだが、これがそっくり。笑える。真さんを知ってるひとが来たらみせよう。
カナは、今日真さんがくると聞いていたので「ガムランをするハナナガ」が描きたくなり、描いておいた。なにがこの絵に足りないか、このあとどうしたらいいか助言してもらう。ちなみに、この絵のガムランはマルガサリのものを描いている。ふつう、たとえばクンプール(市販のフライパンの倍くらいの容量の金属のドラみたいなの)とかは、横にずらっとならべて、面積をとらないような置きかたをするらしいが、マルガサリのは正面をむいている(おそらく、テンポの速い現代曲も演奏するため)それに、ゴング(直径1m?くらいのドラ。ゴングは神様)を吊すものはてつぼうみたいな形をしているが、ここのは日本風に鳥居形だ。
この絵にたりないのはバナナと、インドネシアに咲いてる赤いはな。ゴングへのお供えものだ。それから中央のクンダン(たいこ)奏者をもうすこし男前に、とのこと(このハナナガは真さんをあらわす)。う〜ん男前ったって・・しかたないのでほかのハナナガは黄色のまま、そのハナナガだけ金色にする。すごいな、なんかキング・オブ・ハナナガって感じ。で、つぎはばちのまわりに赤い布を巻いて・・というふうにどんどん助言をくれる。すると、おお、なんかすごく感じがでてきた。いい絵じゃん。
それから真さんは、はる香ちゃんとカナにごはんをおごってくれてから、大学で授業をするために帰っていった。
はる香ちゃんあと30分くらいしかいられないが、ギャラリーにもどってきてから、カナハナナガややくざハナナガ、カナの絵の模写ハナナガがぶどうをたべてるやつなどを、勢力的に完成させていった。おしゃべりして、ファイルもみて、だらだらすごす。時間がきてもしばらくいてくれた。はる香ちゃんは「現代美術のハナナガ」とかを気にいってくれているようだ。はがきを何枚か買ってくれて、授業をうけるために大学へむかった。
「かなちゃん通信」vol.15
『平安のハナナガ〜はやしカナ展11』
6月30日 つづき
お昼過ぎ、納谷衣美さんがきてくれる。おや、なんか疲れた様子、と思ったら、地図を忘れて(しかも彼女は方向音痴)だいぶ迷ったんだって。そうか、納谷さんにカナの電話番号言ってなかった。ごめん〜。
麦茶でひといき、どうぞのんびりしてください。絵をみていろいろ話したり、将棋の譜面を、音を聞きながら説明したり。なかでも納谷さんが興味をもったのが、将棋絵画のわくわくだった。と、そこへ、将棋作曲創始者の野村誠氏がきたので、3人で将棋絵画をやってみることにする。納谷さん、野村くん、カナの順番で。
5時をすぎると、演奏するのにあわせてくるひとたちがどんどんやってくる。前の展示のときお泊まりさせてもらっていた下牧さんが後輩を連れて、作家の飯田くんが友達を連れてきてくれた。山崎恵子さんは体調をくずしてしまい、いかれなくなってしまったと電話をくれた。「路上日記」を買ってCDを聞いて、あわせてうたまでうたっていたのに・・と、とても残念がってくれた。でもからだ治してください。画家で彫刻家の浜田さんもやってきた。近所の後藤さんは今日演奏があると思って、でかけた先できれいにさいていたクチナシを摘んでもらってきてくれた。つき山さんは、友達をまっているのでちょっと遅れると電話をくれた。う〜んだんだん賑わってくるな。
「かなちゃん通信」vol.16
『平安のハナナガ〜はやしカナ展12』
6月30日 さらにつづき
6時。お客さんは知っているひとが殆どで、しかもギャラリーなので照明があかるいまま。なんかてれくさいな。みんなに手伝ってもらって、ささっと会場作り。ステージはいつもアトリエにしているところ。
まずさいしょに野村くんが韓国で買ってきた鍵盤ハーモニカの話をし、音を聞かせているうちにだんだん2人とも演奏になる。それがひとだんらくして、今度はこの展覧会の絵についての即興うた。特に、前回お葬式した例の絵が、今回どんなふうに変わっていったかということを語った。みなさんなるほどそうか、と思っていただけたようだ。
次は野村くんが韓国でしいれてきた手遊び。野村氏はスパルタである。カナは今日5時ごろはじめてこの手遊びをおそわったがすごく難しい。しかも2つも。はい、これ今日やるよといわれて、げげっっと思い、15分ほどではあるがとんでもない集中力で練習したのだ。その甲斐あって、本番は成功! ふ〜。そのあとは、鍵ハモで曲メドレー。あばれんぼう将軍、ガッチャマン、ます、ジェンカ、UFO、イパネマの娘などからサザエさんへ。サザエさんがはじまると、後藤さんが嬉しそうに手を振って、自分を指さしている。たぶん後藤さんは、自分がサザエさんに似てると言いたいのだろうと思った。あとから聞いたらやはりそうで、まわりのひとからサザエさんて呼ばれてるんだそうだ。だってそっくりだもん。そのあと、お客さんとも一緒にどんつくどんつくし、最後は空手タンゴ(黒猫のタンゴにあわせて即興空手形をする)でしめた。
終わってからもしばらく皆さんとおしゃべり。途中で、ついこの前まで京都で展覧会をしていた山内鈴花さんや、ダンサーの荻野ちよちゃんとかも来てくれていた。ちなみにちよちゃんによると、きいろを家の西側に置くといいことがあるんだそうだ。ハナナガはほとんどの場合がきいろなので、今ちょうど西側の壁に大量にかかっているし、大変いいようだ。彼女も家で、カナのハナナガを西側に飾ってくれているそうだ。ちよちゃん、また空手デュオをやろう!
小川恭平くんもいる。久し振りだなあ。すこし前までは東京で居候していたと思ったが、最近は京都にいるそうだ。「キョートット出版ニュース」と言うのをくれる。キョートット出版は本をつくってがんばって売ることをしたいです」という書き出し。エロデパートシリーズというなまえで原稿を募集したり、盛大な出版記念パーティーをしたりするらしい。いま、恭平くんが寝泊まりしているある下宿の押し入れ下段で、展覧会をしませんか?!とかいてある。ふむふむ。恭平くんは、「たくさんいるのがいいと思いました」と芳名帳に書き残してくれた。
飯田くんが絵を買ってくれることになった。「ふたり1」という絵だ。飯田くんは仕事で、いろいろなひとの夢をインターネットをつかって集めたりしてるらしいのだが、たぶんその関係かなあ。この絵が、今やってることに必要になるんだそうだ。なんにせよ、うれしい。それにしても、飯田くんがまさか絵を買ってくれるようになるなんて。
たしか1年とか2年前の彼は、納豆ともやしで殆どの栄養をとっていたと思ったが、人間わからないものだ。カナもがんばろう。
つき山さんは、手作りの本をもってきていた。彼女が以前やっていた「こころのとり」というパフォーマンスの本だ。それは、たった1人か2人のお客さんに見せるものなんだそうだ。カナはそれに申し込みそびれて、どんなことをするのかしらない。今日はあわただしいが、またゆっくり本をみせてもらおう。
それから、お名前だけはあちらこちらできいててお会いするのは初めての、上田假奈代さん。今日は着物できてくれた。かっこいー。色々な活動をするひとだが、この4月から、奈良の旅館で料理をしてるそうだ。きょうは休んできてくれた。假奈代さんはこんな嬉しい、すてきな提案をしてくれた。
「ねえ、カナちゃん、ハナナガアイスキャンディー作って。きっと売れるよ」
わあお。すごい、絵で描くのは易いが、え〜っと、どうやってつくるんだ?アイスキャンディー屋さんにきいてみなくちゃ。
みんながだんだんかえっていった。演奏が終わってから青木さんや高野さんが仕事帰りによってくれた。
う〜んひとりひとりとゆっくりはなせるわけではないが、ひとが多くて賑わうのも楽しい。結局今日の演奏には、20人〜30人のひとがきてくれていたようだった。多すぎず、少なすぎずでよかったなあ。
はやし カナ
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