インタビュー

「トンバック演奏家エスファンディアル・ラリさんに聞く」

11月11日、ラリさんのお店「SAFAVI」にて。

トンバックを演奏する、ラリさん。

都内を走る地下鉄日比谷線「広尾」駅の1番出口を出て、目の前の交差点を左へ。神戸屋キッチンのおいしい誘惑を振り解きながら、道なりにしばらく歩きます。有栖川宮記念公園を右手に見ながら、緩やかな坂を鼓動が刻むリズムとともに上がっていくと、愛育病院が。この交差点を渡った右側に建つ、赤レンガ造りの6階立てビルの中1階にめざすお店「SAFAVI」はあります。

イラン生まれのラリさんは、1989年に来日。今年1999年、ペルシャ音楽協会を設立し、ライブコンサートの開催や楽器のレッスンなどもできるお店として「SAFAVI」を広尾にオープンしました。コンサートは月1回程度を目標に開催していく予定だそうで、通常はペルシャ絨毯キリム(遊牧民が織る平織りの絨毯)をはじめとする、イランの工芸品や民芸品、アクセサリーなどの販売、味わい豊かなペルシャ・ティを堪能できるお店として営業しています(営業時間11:00〜20:00)。

さて、今月28日の日曜日19:00より、イラン固有の民族楽器であるトンバックとサントゥールの演奏会が、この「SAFAVI」で催されることを知り、ラリさんを訪ねてお話を伺いました。

トンバック

トンバックとは、胡桃の木の胴をくり抜いて、山羊の皮を張って作られた打楽器で、音が変わってしまうため、鋲などを使って皮をとめていないとのこと。では、どうやって、その張りを保っているのですか、と質問すると、笑って、企業秘密です、って。秘伝の技術が隠されているのでしょうか。

イラン国内ではよく知られている楽器だそうですが、プロの演奏家はそれほど多くないとか。なぜ。演奏が難しいから。通常は1200レッスンをマスターすれば、そこそこ音が出るのだそうですが、ラリさんの師匠は、13000ものレッスンを考案し、より高度なテクニックを編み出したそうです。本国で9歳の時から来日するまでこの師匠のレッスンを受けたラリさんが習得したレッスンはそのうちの9000。本場一流のテクニックを教わりたい方は、どうぞ「SAFAVI」まで。トンバックのレッスンが受けられます。

インドのタブラーなどは手首で擦って音を出したりしますが、トンバックでは10本の指の、指先から2つ目の関節までのところを使うだけ。ラリさんの指の関節が太いのは、そのためかもしれません。丸い皮の中心を叩くと、トン。円の端を叩くと、バクッ、という音に聞こえるから、その名前がつけられたとか。ラリさんは、1秒間に7回叩くことができるそうです。確かに、速い。強弱、アクセントをつけながらの演奏は素晴らしかった。リズムが息づいているかのようでした。

ところで、このトンバック。どこかで見たことのある形をしていませんか? そう。ワイングラスです。その昔、この楽器がもとになって、ワイングラスの今の形が生まれたという説があるそうです。

サントゥール

とても繊細で、優雅な響きを奏でるサントゥール。昔々、イランのある王子の夢に出てきた楽器を、王子に命じられた学者が再現したのが、この楽器の起源だとか。歴史のある国には、どこまでもロマンが漂います。

サントゥールも打楽器です。片手に1本づつ、細くて柔らかいメズラーブ(ばち)を持って、弦を上から叩きます。弦の数は72本。チェンバロのような音色です。

トンバックとサントゥール。この2つのペルシャ民族楽器による演奏会が、28日に開かれるのです。当日は、床にキリムを敷き、演奏家もお客さんも、その上に座ります。古代ペルシャのロマンへと旅する、魔法の絨毯。ペルシャの古典曲を2,3曲と即興曲を演奏する予定だとか。おいしいペルシャ・ティもいただけます。

琴、三味線、和太鼓などの邦楽器とも一緒に演奏してみたいです、と、ラリさん。どなたか、名乗りをあげる方はいらっしゃいませんか。

来年1月22日には、青山劇場で開かれるコンサートに出演されるそうです。今後の活躍が楽しみなラリさんでした。

コンサート情報

SAFAVI セカンドライブ

演奏

サントゥール/A.カティビ
トンバック/E.ラリ


開演/11月28日(日) 19:00


参加費/2000円(飲み物込み) 要予約

会場/SAFAVI サファヴィ  03-5449-0618
   [日比谷線「広尾」駅下車/有栖川公園出口より徒歩6分]
   港区元麻布2-2-14 中1F

お申し込み・お問い合わせ/SAFAVI サファヴィ  03-5449-0618

追伸:ペルシャ語の書や、古代ペルシャ占いも教えてくれるそうです。占いは、みてももらえます。興味のある方は一度、お店をのぞいてみてはいかが。


らんだむスケッチ」の扉へ

無断転載禁止 掲載:アーク編集室