Arts Calendar/Art's Report site/《Report from TABISAKI》00/5/8
●テルアビブのパフォーミングアーツセンターで無事初日が開きました。<その6>
山海塾としては珍しい、マチネの最終公演で今日、無事に今回のツアーの日程を終えました。パリ近郊のソーから始まって、テルアビブ・サンパウロ・ボゴタなどを回った万国文化中心の見聞記はいかがでしたか。感想などお知らせ下さい。さて、本番前後のこの市立音楽劇場のシステムを少々報告してとりあえずの締めくくりにしたいと思います。
前にも書いたように、2交代制で2つのプログラムの準備と公演を間断なく展開しているこの劇場は、他にも感心させられる設備とシステムを持っていました。たまたま今回はオランダの解放記念日と重なって3連休の週末に公演だったので、オペラ組が完全に休暇中で、ゲストパフォーマンスのお守りを任されたチームと一緒に約1週間を過ごしたわけですが、それでもオペラ劇場の底の深さというか、人員構成の層の厚みを実感させられています。
僕らの準備や公演が終わると、待機中のどちらの組にも属していないスタッフが後片付けをします。そうすることによって本番・準備チームのメンバーが規定労働時間(週36時間ということだそうです)を越えて働かないようにケアしているわけ。掃除や楽屋の管理はまた別のチームが都合3交代で任務にあたり、同じように朝8時から夜12時まで稼動している劇場の管理に万全を尽くす。表方やチケットオフィスのことまでは分かりませんが、ともかく感心させられるのが、そうして交代しながらもこちらのオーダーや依頼について、完璧に申し送りがなされていること。チーフクラスのスタッフが数多くいて、何か日誌的なもの以外でもこまめに情報を伝達しあっているんですね。Emailも使ってますがぜひ次回はそうしたことの秘密を聞いてかえりたいと思いました。
設備で驚かされるのは、オペラ対応のさまざまの工夫です。日本と同じで開演前に2回から3回のベルが鳴ります。最終ベルだけは音色が違うので、劇場スタッフはまもなく開演ということがすぐに分かります。そして、そのベルが終わると、なんと自動的にすべてのドアが閉まり、ポータルブリッジから霧状になった水が自動噴霧されて舞台の湿り気を補います。客席は1600、そのほぼ倍のスペースが舞台にあり、同じくらいのスペースがバックヤードとして舞台の後ろに広がっています。その全てを合せた面積くらいのロビーが、3層になって客席の外側にあり、今日などは折りからの陽光の中、ビールなどをのんびり楽しみ、バルコニーで外気に触れながら談笑をして、山海塾を見るという。
この劇場がモデルとなってイスラエルのテルアビブ・パフォーミングアーツ・センターが作られたというのが良く分かります。さすがにこちらが本家なので細かいところまで行き届き、立地も建材も贅を尽くして、見事な完成度です。文化中心ではないのですが、そうした劇場体験がごく当たり前にそれも決して高くない値段で(最高の席で約2500円)得られる。音楽劇場は、このアムステルダムの小屋をもって止めを刺す感じです。
(8/5/000)
岩村原太の「万国文化中心報告」の扉へ
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