Arts Calendar/Art's Report site/《Report from TABISAKI》03/1/25
●2003年1月 <その1>
都住創センター●坪庭のような
居住施設の新築の折、地域住民の合意の元で一斉再開発を企てたその際、集会場を併設した集合住宅が計画されました。そうした例は少なくなかったと思うのですが、そのうちの一例。そして、且つ、その集会場を居住者以外のちょっとしたイベントにも貸し出している稀有なケースです。大阪は天満橋、マンションとオフィスビル、商業施設などが混在するものの、静かで落ち着いた街にあります。
ごく目立たない路地を入ってマンションのエントランスに突き当たり、そこを左に折れて階段を地下2階分まで降りて行きます。階段には天井も屋根もなく、ドライエリアと光庭を兼ねたスペースのようです。見上げると高層の(地上8階分くらい)建物の壁に囲まれた、四角く小さな空がやっと見えます。街音は殆ど聞こえず、「不思議な場所にたどり着いてしまった感を強烈に味わいます。
ウィメンズパフォーマンス大阪、ビエンナーレ形式で開催されている催しの2回目は関西関東の女性アーティストによるイベントで、国際的にも活躍されているアーティストを国内外から招待してアットホームに展開。3日間の会期中さまざまにジェンダーを意識させるパフォーマンスが繰り広げられるものです。会場のシチュエイションを上手く利用した運営が楽しさを感じさせます。
集会場の性格の故に台所があったりするのですが、そこをスタッフ・出演者の休憩処として炊き出し、食堂のように使いました。オブジェのインスタレーションも有り、参加者の皆さんの活動を紹介するチラシやファイルの閲覧もできます。アーティスト同士・お客さんとの情報交換も可能になりますから、ロビーがなかったので苦肉の策だったのかもしれませんが、こうした場の設置はすごく合目的でした。
ホールそのものはほぼ正方形の平面、天井までが4m弱、一部に中二階状のスタッフスペースが設けられており照明・音響・映像のシステムが組まれています。出演者控え室をその下部に置き、実際のパフォーミングエリアは入り口の風防室をくぐったすぐのアクセス。それまでの屋外のムードと一変して、包み込まれた空間の雰囲気を強く味わうことになります。突然の空間質の変化が劇的な導入です。
恐らくは普段、殆ど大掛かりな利用がないスペースなのでは、と考えますが確かに、天井が白・床は明色のフローリング・壁はコンクリート打ち放しで、これと言った主張がないのが大きな主張と言った風情で、お芝居や踊りには使いにくいことも有るでしょうね。逆に、白一色や黒々とした内装で無い分、ニュートラルな行事には便利に使うことが可能になるわけで、面白いもんだなァと思うわけです。
今回は正面も定めなかったので、観客とパフォーマンスの関係も度毎に変わり、なおのことニュートラル感豊富な進行になっていました。照明が無くても成立する作品が多かったので、こんな場合には屋外からの天然光も取り入れられるような工夫があるともっと楽しめるのに、とも思いました。人が一番落ち着いて鑑賞できる環境が、人工光線で演出するものばかり、ではありますまい。
(2003/1/25)
岩村原太の「万国文化中心報告」の扉へ
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