Arts Calendar/Art's Report site/《Report from TABISAKI》04/12/30

万国文化中心報告 vol.138

●2004年12月  <その7>

本年最後の仕事●DAMDA!

 岡山の新アートスペース、この9月にもご紹介したのですが、DAMDA!というダンススポット。この度は上村なおかさんとのコラボレーションの企画を頂いて、の再訪です。上ノ町会館2階ホールは白く塗り上げられて、折から溢れる冬光を東西の窓からたっぷり採り回す趣向。床には砂を敷き詰め、不思議なパフォーミングギャラリーが誕生していました。タイトル「ひがな一日」の19時間のイベントです。

 早朝には日の出を観察するワークショップから始まり、午前・午後・夜と都合3回のセッション、途中にも2度のワークショップやスケッチ大会、コステュームのショウイングなどを組みこんで、この会館と環境、そして会場の魅力をフルに楽しみました。西陣ファクトリーGardenには無い開口部の豊富さと、人出入りのしやすさから来るフレンドリーな感じが凄く良いです。劇場っぽくないけど。

 京都芸術センターにも思ったことですが、人が気易く出入りできる雰囲気が、文化中心には欠かせない条件の様です。そのためにカフェを設けたり、ライブラリィやフライヤー置き場を充実させたり、勿論のこと飾り付けやプログラムも魅力的なものにして。文化中心の目的が文化人同士の交流なのかどうかは議論の余地のある部分だとは思いますが、交流スペースとしての実質は、必ず求められるでしょう。

 西陣ファクトリーGarden(以下nfG)の課題は文化中心としての活動を本趣としていないことですが、交流の場としての活動に関しては、あちこちのアートスペースを参考に面白い方法論を提案していきたい。その点、DAMDA!には既に交流スペースとしての魅力が盛り込まれていて、自然と文化中心的な存在感を発揮している。常時、スタッフがその現場で作業しているのが素晴らしいです。

 今回の「ひがな一日」では文字通りの出入り自由で、時間を区切ったセッションのコーナーも余り極端に集中を図らず、さりげない空間のニュアンスをその場にいる者も突然入って来た人も不自然でなく共有できる演出を目指しました。これはnfGで培った方法論をベースにしたものですが、果してそれが岡山のこの場所に違和感なく展開できたのかどうか。ご覧になった方はいかが思われたでしょうか。

 劇場として考えれば、そこでは完成された舞台作品が上演されるべきかもしれません。しかし劇場ではないスペースの提案と思えば、例えば現在進行形の取り組みや観客共存型の試みが展開していても良いはずで、その間口の示し方、そのキャパシティの現し様を、実は、世界中の文化中心は、探っているのではないか。DAMDA!の試行錯誤もきっと世界レベルでは最先端のコトに違いありません。

 劇場ではない。こう言い切ってしまうことが不安でないというと嘘になります。しかし、劇場だ、という自信もかなりあやふやです。プロデュース機能、ショップ・ストア機能、レジデンシャル・クリエィション機能、のどれにも解決が見出せていないならば劇場活動を継続していくことは難しいと思うからです。劇場ではないが舞台作品を創造する現場をnfGは夢み、DAMDA!には感じます。

 2004年の最後をこの催しで終えられたことを感謝しています。2005年も、どうぞよろしくお願い致します。

(2004/12/30)


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