Arts Calendar/Art's Report site/《Report from TABISAKI》04/3/20
●2004年3月 <その6>
ヴァンヌ●パレ・ボザール
ブルターニュ地方のヴァンヌです。すっかり桜の花や水仙、ヒヤシンスなどが咲いて春。劇場にほど近い旧市街はガレットを食べさせるので有名なレストランが多く、またその城壁に囲まれた石畳と、古い建物の醸し出す風情に惹かれて、観光客は多く集まるようです。旧市街を抜けるとヨットハーバーになっていて、様子はがらっと変わります。ついた午後は穏やかな晴天で散歩を楽しみました。
数年前にも訪れ今回で3度目。別棟の図書館と一緒になっていて近くの大学の学生や高校生、子供を連れたお母さんたちで入り口の辺りはいつも穏やかな空気があります。図書館の上階は会議室が幾つもあり、勉強会や研究会が毎日のように開催されていました。劇場棟へはガラス張り吹き抜けの通路を使い、これまでの出演者の舞台写真が壁面一杯にコラージュされているロビーに入っていきます。
800席の大ホールのすぐ隣に200席の小ホール、小ホールの上階は展示場になっていて、こちらの棟がパレ・ボザール(芸術宮殿)のボザールという所以。ロビーを共有してしまっているため同時に使うのは無理なように思われますが、私達の滞在中には時間をずらして何か、やっていたみたいです。楽屋口が無く我々の出入りもこのロビーからなので、折々に飾り付けが変わっているのが判りました。
仕事は丁寧で確実です。こちらがフランス語を充分に話せず、やりとりがちぐはぐなことを思えば、実に穏やかに私達の相手をしてくれているわけで、設備が古く機材の調子が悪くても、そこは我々山海塾スタッフでカバーするのが義理みたいなもんですね。実際驚くほど古い機材を直しながら使っていて、建物の修繕具合も凄まじい、なんとも心温まる田舎の会館というパレ・ボザールです。
普段は数名のスタッフで回っているようで、今回の山海塾の公演では多くの増員さんが参集、常に労務管理担当の係と30分刻みの労働時間をやりくりしています。
朝8時が作業開始で12時まで、13時半から17時半、19時から23時、の3部制。気をつけていないとすぐにスタッフが交代していくので、作業の連続性を確保するのに戸惑います。そうそう、これがフランスでの通常の仕事なのでした。
人手が多く必要な時間帯には機材をレンタルしている業者からの応援も入ったりしましたが、こういう応援さんは日本と同様、若者が目立ちます。劇場のスタッフも少しづつ若返りを図っているようですが、その辺りも日本の公共館と同じような感じなのでしょうかね。大都会以外では研修のための現場も限られていると思うし、実際どうやっているのか興味深いところです。
この小屋は舞台も照明も音響も、作業には全員が分担してあたっていました。所属は一応あるのですが、そのときに必要な作業を所属問わず全員でやるというスタイルです。これ、良いですよね。個人的に好きなスタイルです。
(2004/3/20)
岩村原太の「万国文化中心報告」の扉へ
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