Arts Calendar/Art's Report site/《Report from TABISAKI》04/5/02
●2004年5月 <その1>
ジュネーブ●テアター11
体育館のような板張りの床と上手側は床から天井までの細長い窓が並ぶ明るい劇場です。舞台は少々手狭ですがきちんとドイツ風にポータルブリュッケやタワーもあり、奈落には食堂もあり、しっかりした設計がされているようです。
ジュネーブの市街からは離れていますが周辺はとても落ちついた閑静な住宅街で、駅近くのホテルの周りと劇場までの間は、ちょっとしたショッピング街になっています。何しろ静かです。今日は日曜、騒音対策でトラックの運行が制限されており私たちだけの移動日、劇場の下見を終えてゆっくりしているところ。
スイスでは平日の夜10時以降のトラック運行にも許可が必要で、手続き無しには市街はおろか高速道路も通行出来ないとか。イタリア・ドイツ・フランスに囲まれたヨーロッパの十字路のような国だからこその選択と聞きました。
この街も前回のバーゼルも、市民の足は自転車とバス、それにトラム(路面電車)。自家用車も多くは走っているものの、狭い道路を遠慮深げに通りぬけていきます。
中国系・インド系の人も多く、英語を不安なく使うことが出来るのは国際国家の証、と見ました。劇場の設備備品もイタリア製・ドイツ製や、フランス・ベルギー製あり、ニュージーランドやアメリカ・イギリスの製品も多く見ます。面白いです。
楽屋の壁に張り巡らされたポスターを見ると、ウエストサイド・ストーリーやグリースなどの巡演をこなしていたり、4年前・2年前のSTEPS#7・#8でも会場になっていたり、小さいながらも大切な劇場文化拠点のよう。私たちのメンバー内の一名は22年前にも訪れたことがあるそうで、ジュネーブにおいては主な劇場なのかもしれません。市街とこの地域を結ぶトラム11番線は劇場の前が終点です。
この会場の特徴は何といってもフラットな客席の造りそのものでしょうね。聞こえは良くないですが、ホテルの宴会場のようにパテ−ションを使って大きく2分割できるようにしてあります。床には昇降段が埋設してあり、それを適宜に上げてひな壇にします。全ての椅子はスタッキングチェアですが一つ一つに席番が打ってあって、それによると総キャパ数は897。この規模のホールとしては充分な数字です。
レストランがあり、ロビーを共有した反対側は大きな展示場、ホワイエにはバーもあります。例えば新車の発表会などをしてホールでレセプション、とかいう使い方に向く感じですね。テクニカルスタッフは雇われさんなので、客席内の色々については一つ一つ会場管理の人を呼んで確認しながら作業が進みました。だから、多分、貸し館のフェスティバル会場ということになっていると思います。
2年に一度の国際ダンスフェスティバル、今回で18年目、少しづつ全体像が把握されてきています。いよいよドサめいてまいりました。今度は早朝にホテルを発ってそのまま次会場で仕込み、レポートする暇がありますかどうか。
(2004/5/02)
岩村原太の「万国文化中心報告」の扉へ
無断転載禁止 掲載:アーク編集室