Arts Calendar/Art's Report site/《Report from TABISAKI》04/5/23

万国文化中心報告 vol.124

●2004年5月  <その11>

ノルウェー●ベルゲン

 町から15分も車を走らせれば見渡す限りの苔に覆われる岩の島から、スプリングフェスティバルに沸くノルウェーの街、ベルゲンに到着しました。200日は雨が降るというアイスランドで5日間過ごした目からすると、木が育ち森となり無造作に草原があり小さな黄色い花も咲いている上に、陽光が注ぎ青い空が広がってるというだけで、何とも言えず豪勢な気分を味わいます。ここも古くからの港町です。

 前回訪れたときの印象は暗く寒く、晴れやかな感じは全くなかったように記憶するのですが、そんなものは時と場合でまったくちがって来てしまうものなんでしょう。ともかく明るくさわやかで、楽しい空気に満ちているように思われます。今回の会場も国立劇場。フェスティバルは市内の多数の会場で同時多発的に開催され、会期は5月19日から30日までの12日間です。音楽・演劇・ダンス等の内容。

 音楽はクラシックが中心となります。この街はグリーグがかつて仕事をした街というんで、音楽を主とした文化都市のイメージをとても大切にしています。ペールギュントの様々の楽想を追うかのように、フィヨルドへとつながる重い色の海や、ヨーロッパならではの建物が湖水に移る様子や、朝から晩にかけて刻々と姿を変えていく山と空の具合を眺める観光客がとても多いです。名曲アルバム的美しい風景です。

 演劇やダンスは山海塾も含め大御所が並んでいて、びっくりします。マース・カニンガムなんかが来ているところを見ると、見て美しいとか聞いて美しいとか、そんな感じのところにプログラムの焦点はありそう。初心者向けっちゃあなんですが、どなたでも楽しみ喜んでいただける公演が目白押し。インターナショナル・フェスティバルとしては王道を行くセレクションですね。コーディネートもそつがありません。

 聞けば、ここ2・3日は珍しく温かいんだとか。レイキャビクからきた身にとってはなんとも嬉しいことです。劇場スタッフは連続する特別公演にもかかわらず、ホントに親身になってこもごも働いてくれて、頭が下がります。ここは劇場付きの舞台監督がスタッフを統括していて、私たちにとっては仕事がしやすく、こうした組織の作り方も参考になります。演劇小屋だからなのかどうか、音楽小屋風なのか。

 技術監督だけだとどうしてもハード主体になってしまいます。カンパニーとその作品についての理解を元に、ソフトの要請を鑑みてハードの調整=具体的にはスケジュールのこととか、舞台廻りの細かなことの監督とかをバランス良く手配するスタッフがトップにいる安心は、精神衛生にすごく役立つものです。それだけ表裏共に気配りしないと成り立たない普段の劇場運営なのかもしれませんけど・・・。

 ロングランの「シュガー」というコメディの合間を縫ってのフェスティバル。楽屋は常の出演俳優の個室状態なので、そのあたりもまた旅情をかきたてられる原因だったりして、今回の長い長い春ツアー、まもなく終了です。日本はそろそろ入梅とか、その湿った言葉もまた懐かしい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。フィヨルド観光の拠点でもあるベルゲンからの、万国文化中心です。

(2004/5/23)


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