Arts Calendar/Art's Report site/《Report from TABISAKI》06/1/30

万国文化中心報告 vol.161

●2006年1月  <その5>

ヌベール●メゾン・ドゥラ・キュルチュール

 再びバスに乗ってブールジュからヌベールへ。ロワーヌ河畔の文化会館に到着です。
外観きわめて古く、落書きも多く、1960年代もしくは70年代の遺物の様。
体育会館と労働会館の3つがひとつの建物に入っています。折からの雪に、カテドラルの鐘の音がかぶり、何かとても田舎に来た気がします。

 ところが文化会館は6年ほど前に大きく改装され、内観は美麗。2幕4場(アクト2シーン4)という名のレストランが明るく店を構えます。絵画展や彫刻の展示もあり、暖かな雰囲気に満ちています。使われていないセクションの荒廃ぶりは惨いものですが、その割り切りも必要だということでしょう。

 体育館のフロアレベルが全体の基階です。その1フロア上階が劇場舞台レベル、その上階がエントランス・レストラン、さらにその上が事務所階。ここにちょっとした人工地盤が張り出されていて、春秋の季節にはさぞかし広々とした眺めが堪能できそうです。入り組んだ通路になっているので子供には良い遊び場のようです。

 レストランと同フロアには小劇場があります。演劇などの巡業もあり、また週末には地域のダンス教室などの発表会もあるそう。ちょうど我々の公演後に小さな子供から中学生クラスまでの出演者を集めた会が催されていて、大変盛り上がってました。文化会館とはいえ、貸し館的な運営もあるわけですね。

 改装前から働いているのが殆んどの技術者のようですが、なかでも、楽屋担当の小母さんの存在感は圧倒的でしたね。技術監督も音響・照明チーフも、頭が上がらない具合で、舞台にプールを作る(今回の私たちのレパートリーです)と聞いては一騒ぎし、そこで踊って寒くないかと聞いて回ってはシャワーの段取りを心配し。

 いちいちの楽屋のケータリング状況を視察し、舞台作業進行を気にしつつ食事の内容(今回のツアーでは我々は自炊しています)をさりげなく見届け、出入りの若い技術員にもプールのことや寒さ対策のことを説いて回り、八面六臂の活躍ぶり。客入れの直前には、なぜ日本人がフランスの地方を回るのかについての演説まで。

 こうしたスタッフがいるからこそ、この小屋の寒々した感じが多少でも和らぐわけですね。各部屋には寒暖計が目立つところにかけてあり、暖房しすぎないように注意を促していますが、古い小屋ですから精一杯暖房してこそ何とか。そのあたりの管理者側と運営側の意思疎通の適当さは賞賛に値します。

 楽屋廊下の一番の場所にはフランスの国内地図が張り出してありました。やはりどのカンパニーもここがどこだかが気になると見え、隣にはヨーロッパ地図まであります。
結局公演日も雪の降るままでしたが、お客様は7〜8割の入り、静かに入場し、静かに退場していきます。静かに搬出作業が終わり、明日はパリに移動です。


(2006/1/30)


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