Arts Calendar/Art's Report site/《Report from TABISAKI》06/2/10
●2006年2月 <その4>
リモージュ●市立オペラ、大劇場
今回の最終公演地、リモージュの大劇場です。市立オペラなので、オーケストラ、コーラス、それにバレエ団が専属しています。シーズン中、ほぼひと月に一作品の上演があり、つまりほぼ常時、オペラのリハーサルが行われている環境です。コンセルバトワールが隣接してあり、リモージュ生まれ、リモージュ育ちの音楽家たちの仕事場となっているようです。やはり古くからの街ならでは、ですね。
この劇場は3度目、古かった内装がきれいに治されていたのが前回、今回はスタッフの入れ替えがあったあとのようで、多少現場に雰囲気の変化が見られました。
オペラ小屋だからとも思いますが時間割に厳しく(昼休み1時間半・夕休み3時間)、スタッフ間の上下関係も明確になり(命令系統は厳密に遵守されます)、あまり楽しい作業進行ではありません。働くおじさんたちは、みんな良い人なんですけど。
劇場の欠点はいろいろあって(例えば綱元が上手と下手にあってバトンナンバーがそれぞれで付いているとか、前明かりはわずか16台の機材でまかなわれているとか、客席の1階フロアに勾配が殆んど無くあまり見やすくないとか)その様々の解決策を熟知したメンバーが、現場の処理をしています。つまり、我々のペースでは仕事が進まないという訳です。気は疲れますが、身体的には楽かも知れません。
前回のレポートを参照すると、かなり家庭的だった印象ですが、さすがに今現在は合理化されていて、融通も利きにくくなっているのは間違いありません。市立オペラとして成果を上げるために、劇場全体に緊張感が漂っている感じです。
劇場のオーケストラは2管編成41名、バレエは女性7名・男性4名、コーラス17名。さらにそれぞれにシェフやアシスタント、稽古ピアニストなどが付き、テクニカルも同様の規模と思えば、結構な大所帯。既に43年の歴史があるとか。
5階に小劇場があり、毎日午前中と午後にコーラスのリハーサルがあって、私たちの仕事場にも素晴らしい合唱が響いてきます。また3階の楽屋は、それぞれピアノやトロンボーンを練習する楽員さんがいて、数時間ずつ、熱心におさらいをしています。
運営系の事務室も2階楽屋をいくつか専用に使っていて、ちょっとピッとしていてキリッとした制作担当の皆さんが廊下を行き来します。
制作されているオペラは現代作品が殆んど、必ずしも新作ではないようですが、オーソドクスなグランドオペラはプログラムから無くなっています。他地域のオペラと共同制作される作品もあり、日本に居ては分かりませんが実は、フランスの地方オペラ状況は活性化しているのでしょうか。どなたかご存知ありませんか。
客席観は素晴らしい見上げ、また客席から舞台を見る具合も実に自然で親しみがもてます。馬蹄形の客席配置では、お互いの居住まいが自ずと目に入り、晴れがましい・高揚したムードを作ります。決して図面だけでは分からないもんですが、この小屋も、お近くにお立ち寄りの際にはぜひご見学くださいますよう。
(2006/2/10)
岩村原太の「万国文化中心報告」の扉へ
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