Arts Calendar/Art's Report site/《Report from TABISAKI》06/5/25
●2006年5月 <その1>
相模大野で仕事しました●改装なったグリーンホール
1992年の開館、相模大野グリーンホール、このたびは改装改修後初めての山海塾公演。壁面など新色に塗り上げられ、全館禁煙となり、明るい職場環境です。
駅から会館までの道中も、居酒屋や遅くまで開いているスーパーマーケットなどが増えたように思われ、東京郊外の中核都市的なたたずまいとその存在感に見合ったホールへ変身しつつあるかに感じられました。内装の明るさは、こうした印象に直接に影響するものなのでしょう。
何度かお邪魔しているものの、今回はこの館の正面を始めて意識しました。駅の反対側、落ち着いた公園がその玄関の眼前に広がります。その向こうには落ち着いた住宅街が広がっています。小田急線からのアプローチでは伊勢丹百貨店をくぐり抜けたところに突然ホール入り口が現れる造り方で、何か不思議な、秘密基地のようなことになってしまっているのですが、公園側から見れば決して高層建築ではないホールの建物の、穏やかな表情が魅力的です。
駅側に正面がないということで、ゲストには唐突な建物ですが、地域の皆さんには却って親しみやすい施設となっているのかもしれません。同じ建物に救急センターや図書館も入っているので、なおのこと、地域向けの顔が尊重された経緯があるのかもしれないです。ひとつの考えかただし、悪くないコンセプトですね。
新宿まで40分ほど、大学もいくつかある、こうした立地の劇場はどこか飄々として、現地に根ざした太い根っこを生やしている気がします。とらえどころのない公共館独特の風情も、そうした根っこの広がりに支えられていると思えば得心も行きます。極端な感想だとは思いますが、決して面白い劇場だったり素敵な公開スペースでなくて良いわけですから、運営上の肝はコミュニティの質、コミュニケイションの内容に関わることになるのではないでしょうか。
相模大野という環境に存するコミュニティ、それが住民のものか芸術愛好家のものか、分からないなりに温厚な質のものだという感じがしていたり、コミュニケイションは決して活発ではないだろうけれど熱心な活動家に支えられていたり、という雰囲気が、劇場のプログラムや管理の体制ににじみ出るのだろうと考えます。
逆に言えば、そうしたプログラムや管理体制を眺めることで、その公共館を支える地域のあり方も、ある程度読めるものなのかもしれません。
京都を代表する公共館「京都会館」のプログラム、京都市民の芸術活動の拠点とさえ言われている「府立文化芸術会館」と「府立府民ホールアルティ」の管理体制、いずれも独特で京都ならではのもの。私たちはどんな地域性を国内に、また海外に、発信してしまっているのか、ちょっと立ち止まって考えたい課題に思われます。
(2006/5/25)
岩村原太の「万国文化中心報告」の扉へ
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