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短編小説●nfGの正体
西陣ファクトリーGardenでは再び次の新作の準備です。短編小説、とのタイトルでスポーティ
にコミカルなダンスを目指すものです。東京は世田谷のスタジオGooさんとの共同制作。恐らくは
世に数多ある、キャパ50までの極小会場をハシゴして行こうという壮大な、もしくは向こう見ずな、
あるいは恥知らずな試み。
中劇場・大劇場・小劇場とnfGの機能上の差を論ずることになりますから、そもそものんびりした
コンセプトなんですけど、どうせ一度はとことんやっておかないと分からない、西陣ファクトリーの
正体を探るためのプロジェクトでもあります。
町家建てからジャガード織ネクタイ工場へと改装され、そして現在の公開スペースと変遷してきたこ
の不思議な空間は、創作者と観客にどのように作用しているのか?
08年5月現在nfGは演劇の利用が多く、場の空気をうまく雰囲気に転化した上演が主になってい
ます。「力み」はあるのですが、ただの小劇場ではない、ブラックボックスではない、この建物でな
ければ上演できない作品が生まれてきています。
ぼく自身はダンスのプロジェクトを多く抱えているので、やはりnfGに関してもダンスを創作する
立場で眺める機会が殆んどです。いわゆる劇場環境=暗く静かで座席もあり、踊り手の身体コンディ
ションにも配慮した建物とは全く違うこの会場では、先ずお客さんと出演者の出会い方がいかにも特
別なことになっています。
カジュアルとフォーマルのバランスの取り方が難しく、いきおい、肩の力を抜いた上での丁寧な立ち
会い方、を探ることが常態になります。いきなりの緊張感を演出したり、逆に何も無いところから作
品世界を刻みだす方法論はまず、採りません。
今回はこの点を意識的に扱っているので、冒険だとは思いましたが、上演直前に出演者の紹介をはさ
みました。nfGならお互いの顔を見交わせる関係が成立します。
nfGのキャパは25です。50席までならこの方法は通用するはずと思います。
ダンス、しかもコンテンポラリー領域の作業ですから、お客様にはこの違和感は楽しんでいただけた
ように感じました。しかしそれは京都だからなのかも知れません。
この作品、取りあえず今後東京と、難波で上演が予定されています。観客席間近でのまじめなダンス
作品ですので、この種の違和感さえ楽しんでいただけるならば、決して不愉快な後味は残さないつも
りなので、もう数箇所、廻れると良いのですが。
nfGでは成立したこの方法は、キャパ100、あるいは400・800、1200、1800、2
500、と規模が大きくなると作品世界へのダイビングを巧妙に計算することも必要されますし、何
より気配とか雰囲気を大きく創らないと訳の分からないものになってしまうでしょう。ただ、この違
和感は作品に必要です。
西陣で得たこの違和感を、果たして東京他の会場でも失敗せずに再現できるか?
「nfGでなければ上演できない」を経て「西陣でなければ創作できなかった」の段階にまで、時間
を掛けた作品の熟成を目指したいと思っています。
(2008/6/25)
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