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from TABISAKI》09/03/05
岩村原太の「万国文化中心報告」vol.265
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サル・ドゥ・ジャン・コクトー●クレルモン・フェラン メゾン・ドゥ・ラ・キュルチュールの看板が挙がっていますが、文学者の名を頂くセーヌ・ナシオネールです。客席観は日本の大きな市民会館に似て、ただ客席勾配がきつめなのがフランス風です。 旧市街の中心に広場を設け、地下駐車場を整え、ショッピング・センターを組織して現代的なフランスの地方都市へと変貌を遂げつつあります。飛行機で上空から眺めると、牧草に覆われたような(つまり土では覆われておらず木が生えない)山々が幾つも連なって、平坦に耕された畑と良いコントラストを楽しむことが出来ます。 街そのものには大学があり、大きな病院があり、地方行政府があり、路面電車も通って、穏やかな人々の暮らしぶりが彷彿とします。 照明係りは4名が常駐、舞台も4名、音響は2名、増員も入り、予想外に豪勢な布陣で公演準備が進みました。この大会場以外にも4つの小会場を抱えている建物なので仕事の進み具合はまずまずの技術力、朝9時から12時、昼食後14時から18時半、夜は19時半から23時までという時間割に、作業ペースがはまっています。 電動の照明バトン以外は手引きのフリーバトンが25cmピッチでびっちりと並んでいて、この綱場専門の技術者がいるわけですが、毎度のことながら、かれらの現場把握力には感服させられますね。 劇場の舞台が、ある種の工事現場で、あるいは工場のような組織で運営されているとすると、フランス全土にあるこの種の会館は、実に良く訓練されているんだな、と改めて思います。オペラハウスでの仕事が続いた経験上、情報の伝達の方式が作業効率に大きく影響するのは確かなことで、オペラは工場というより工房でしょうね。 一つのものを造り上げるのに、その場所・その物に触っている係りの人が、その現場で、その瞬間に、最高の仕事をすることが期待されているオペラハウス。対して、その現場にいない人も、情報の網羅によって間接的に作業に関わりが続いていて、人員の交代があったとしても、とりあえずの進行は担保されている今回のような劇場。 どちらも一長一短ですが、全く新しいものを作り出そうとすると、職人芸の発揮しやすいオペラハウス=工房的な現場運営が良いのかも知れないし、いつでもあるレベル以上の完成度を維持する事が命題となるプログラムシアターでは、技術者の作業効率が犠牲にならない工場的運営システムが求められるという感じ。 (2009/3/5) |
岩村原太の「万国文化中心報告」の扉へ
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