新宿のギャルリー・タイセイで「アントニン・レーモンドの建築−簡素と豊潤のモダニズム−」展を見ました。(99年5月14日まで)

アントニン・レーモンドはフランク・ロイド・ライトの助手として1919年に来日し、その後日本を舞台に活躍、日本の近代建築の発展に大きく貢献した建築家だそうです。今回の展覧会は彼の12の作品が写真、模型、図面などで紹介されていました。

私が建築に興味を持ちはじめたのは、カンディンスキーやクレーが参加したバウハウスの活動におおいに関心をもったのがきっかけです。専門的な知識は皆無ですが、グロピウスの設計した建物を撮影したモホイ=ナジやファイニンガーの写真のシャープな美しさ。建物のもつ造形美にどきっとさせられます。

昨年閉館してしまった池袋のセゾン美術館で開催されたデ・スティル展やアルヴァー・アールト展にも足を運びましたが、建築の展覧会って、とにかく exciting です。ラフスケッチや詳細な図面などの平面、精密な模型やディテールの習作などの立体、そして写真。それらが一人の建築家のコンセプトに集束していく過程に立ち会っているような感じがして、一枚の絵に向かうのとはまた違う魅力があります。

今回のアントニン・レーモンド展もまた然り。「日本の伝統的な建築の良さを認め、その特徴とモダニズム建築を見事に融合させた」と紹介されていますが、難しいことはさておき、シンプルで簡素なものを求めていくと、そこには豊かでこころ寛ぐ空間が生まれてくるということを教えてくれます。

さて、この展覧会には後日談が。

展示された作品の中にどうしても気になる建物がひとつありました。目黒の聖アンセルモ教会。ポスターの写真にもなっているその建物をこの目で確かめに、風の強い春の日の午後、目黒にでかけてきました。

祭壇に向かって右手、繰り返されるシンプルな開口部から光が差し込みます。
そこにいる、ということが神を経験することであるような錯覚を覚えます。

美しき荘厳。


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