今日は先日みてきた横浜美術館の 国領経郎展 の報告を。
入り口のパネルを読んでみると、1919年生まれのその画家は
この展覧会の準備中、3月に79歳で亡くなったとのこと、
自らの回顧展の会場に足を踏みいれる事のなかった画家の魂を伝える展覧会だったと思います。
初期、中期(点描画)、60年代後半〜という大きく三つの時代にわけられた構成は、なんといっても最後の〈砂丘シリーズ〉が圧巻でした。戦争中の中国の砂漠が原体験としてあった、と解説にはありました。確かに芸術を産み出すという行為には経験というのは大切なものでしょう。
しかし、この20世紀も残りわずかといういま、この〈砂〉の数々の作品の前で私が感じたのは、時の流れそのものがとまってしまったような場所=砂丘という空間にいる人間のあまりにも静かな存在。
たとえばマグリットの絵と比べる事ができるかもしれないし、安部公房の「砂の女」と比べて見てもいいと思うのです。国領経郎の描く、〈砂の世界〉は「静謐」を超えた「音のない世界」でした。
横浜美術館は、私が横浜市民ということもあり(税金を払ってる!)大好きな美術館のひとつです。ややバブルのなごりのような印象を与える建築ですが、ゆったりとしたスペース、広く明るいエントランス、充実した講座などなど。2年ほど前には市民のアトリエの陶芸講座に当選して(いつもすごい倍率だそう)とっても楽しい時間を過ごしました。
グランドギャラリーでは毎月コンサートも開かれます。
6月の小曽根真と伊藤君子のデュオ・コンサートに出かける予定。
April 20, 1999 Sumitani
「Sumitani World」の扉へ
無断転載禁止 掲載:アーク編集室