Arts Calendar/Art's Report site/《WADA Map》Anti-Memory
Vol.65
横浜美術館
現代の写真2「反記憶」展
2000年11月23日〜2001年1月21日
横浜美術館HP http://www.art-museum.city.yokohama.jp/
11月22日。展覧会の始まる前日。横浜美術館での「現代の写真2『反記憶』展」のプレス・プレビューに出掛けてきました。
オープニング・セレモニーにはまだ時間のある、人の少ない展示室を見て回りました。ただ白い壁に写真が掛っているだけ。キャプションもなく、写真には番号がふられています。「何を撮った写真?」「なんて言うタイトル?」。美術館でモノを見る時にいかにキャプションの情報に頼っていたか、苦笑してしまいます。いろんな美術館で、見たい展示品の前に立ちはだかって、モノではなくキャプションだけを熱心に読んでいる人を「どいて!」なんて思っていたのですが。
入り口で渡されるパンフレットに書かれた、作品の番号とタイトル、作家、撮影年の文字を見ると始めて安心して写真に集中できるのです。情報のない展示。キャプションを読むことで「見た気」になる「経験」「記憶」を逆手にとったもののようです。
この写真展に出品している作家の特徴は、「記憶に残さない」作風でしょうか。最近の写真の特徴でもあることだそうです。アルバムに貼ってある古い写真。自分の記憶にあるはずもない幼い頃のエピソードを覚えているかのように物語ってしまうことってあるでしょう。衝撃的な写真を残し、作家の体験が時代、見る者の体験に取り込まれてしまうことを避けた、印象に残らない写真が並んでいます。
目の前にある情報が少なすぎる写真を見ることに慣れてくると、自分で情報を与えようと五感が働き始めます。写真や映像の後ろに流れているであろう、街のざわめき、足音、動作に伴う雑音、様々な効果音をつけ、匂いや気温も感じるような気がしてきます。美術館の中の音を遮断するために、耳栓とかヘッドフォンステレオを用意して見に行くとおもしろいと思います。
声高に叫ぶ写真、映像はありません。展示の仕掛けで印象に残る写真はあるでしょう。偶然、自分の記憶にシンクロする写真もあるかも知れません。カメラがその内部に閉じ込めてしまった視覚以外の情報を自分が引き出すことができるのがおもしろい。1枚の写真から「映画」が作れてしまいそうな、自分の感覚が遊ぶのを楽しんでください。
出品作家(予定)は次の14作家で、写真、ビデオ、映像(フィルム)など約90点により構成されます。
テレサ・フッバード/アレキサンダー・ビルヒラー(Teresa Hubbard/Alexander Birchler)
(アメリカ合衆国・スイス)
クォン・ブムン(Kwon Boo Moon)(韓国)
ケン・ラム(Ken Lum)(カナダ)
ジャン=リュック・ムーレーヌ(Jean-Luc Moul熟e)(フランス)
小野博(Ono Hiroshi)(日本)
仙北慎次(Senboku Shinji)(日本)
清野賀子(Seino Yoshiko)(日本)
磯田智子(Isoda Tomoko)(日本)
ユルーン・デ・レイケ/ウィレム・デ・ローイ(Jeroen de Rijke/Willem de Rooij) (オランダ)
ダグ・エイケン(Doug Aitken)(アメリカ合衆国)
ウォルター・ニーダーマイヤー(Walter Niedermayr) (イタリア)
スーザン・ダージェス(Susan Derges)(イギリス)
エスコ・マニッコ(Esko M穫nikk)(フィンランド)
ルイザ・ランブリ(Luisa Lambri) (イタリア)
関連事業
(1)記念講演会
「映像をめぐる記憶と忘却について」
講師 天野太郎(横浜美術館学芸係長)
日時 2001年1月14日(日)14:00-15:30
場所 横浜美術館レクチャーホール
※聴講無料
(2)アーティスト・トーク
※出品作家による作品解説
11月23日(木) ユルーン・デ・レイケ/ウィレム・デ・ローイ
13:30-14:30
ジャン=リュック・ムーレーヌ
14:40-15:40
11月26日(日) ケン・ラム 13:30-14:30
テレサ・フッバード/アレキサンダー・ビルヒラー
14:40-15:40
12月17日(日) 仙北慎次 13:30-14:30
小野 博 14:40-15:40
※横浜美術館円形フォーラム・企画展示室にて
(3)フライデートーク
※担当学芸員による作品解説
会期中毎週金曜日(11/24、12/29を除く)14:00-14:30
横浜美術館企画展示室にて
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