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ライブ・レポート

【HANKOYA Session 】

2000年5月17日 高円寺Jirokichi

西山はんこ屋-史生(g)
住友紀人(SAX/EWI)
小野塚晃(Key)
金森佳朗(b)
鶴谷智生(ds)

西山はんこ屋-史生さん。子供の笑顔につられてしまったような笑顔を絶やすことなく、シャープな、時にブルースっぽい音色が雄弁に1曲、1曲にストーリーを語る。ふわぁっとした音で、「ヒーリング系?癒し系っていうのかな?」という“ROSE QUARTZ”を。渋いブルースもあり、間近にいて、指が弦に触れたかどうかも目に止まらない早弾き、と多彩。

音色の饒舌さとは裏腹の訥々としたおしゃべりは、滞りがちなのだけど、バックの4人が助け舟を出したり、逆に困らせてみたり。仲良しごっこや楽屋落のないその様子は、初めて聴きに行ったグループに好感を持たせるもの。楽屋落の話題ばかりのライブは、仲間はずれになったようで、おもしろくない。 間口の広さも実力のうちだよね、と友人とうなずきあったりして。

ベース(金森佳朗)は、ギターの真後ろにいて、派手さはないけど、着実に堅実に確実にリズムを刻んでいる。気持ちよく聴いている奥底にベースの音が効いているのが伝わる。エレキベースのごりっと太い音、やっぱり好きだなぁ。

ドラム(鶴谷智生)は、シンバルをスティックで叩く音がパーカッションとも言えそう。その金属音は柔らかい一方、シンプルなドラムセットからたたき出されるリズム、骨を貫通するようなビートにどきどき。

リズム隊が静かでいてパワフルな演奏で支え、ギターの温かなメロディーに乗ってぼんやりしていると、突然シャープなフレーズが飛び込んでくる。サックス(住友紀人)がスタイリッシュ!「うまい」と思うより先に聴き入ってしまう。射抜くようなエッジの効いたフレーズと、溜息よりも優しい音を両方とも難なく吹きこなす。

この4人を「壊そう」とするのがキーボード(小野塚晃)。ひとりひとりはシャープな音なのに、集まると穏やかで温かい雰囲気をつくり出している4人の間をスリリングなソロプレイで切り込んで行く。

そして、ソロのラリーが始まる。ソロプレイとバッキングが、いくつもの渦を生み出し、それが大きな渦に集められる。その渦は聴衆も巻き込んで行く。ソロも、バッキングもやがて区別がつかなくなってくる。

とても、大人っぽいフュージョンだと思う。ドラムとべースが骨まで穴を穿ち、そこに熱いメロディーが注ぎ込まれる。発熱したときのように体が熱くなる。その熱さを楽しんでいたい。地下にある小さなライブハウスの洞窟のような空間は、どこへでもなく、いつでもない、音に誘われるひとときの旅の休憩所のよう。小ささは緩やかに一体感を演出している。

終演。地上へ出てみると、雨上がり。数時間のタイムラグ。ライブ中に降った雨で空気はきれいになっていた。深呼吸。

2000年5月17日
高円寺Jirokichi にて。

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