Report/Scandinavian Connection-1

今回、WADA.Map では、公演間近のミュージシャンにスポットを当ててご紹介します。

森泰人さん。コントラバス奏者、作編曲家。

スウェーデンでジャズ・ベーシストとして活躍中の日本人です。

北欧と日本の距離は遠いです。実際の距離も遠いけれど、馴染みのうすい国々ではないでしょうか。
そして、スウェーデン・ジャズというカテゴリーもありますが、依然<ジャズ=アメリカ>の公式は根強い。
そんな状況の中、スウェーデンでジャズをやってるのが、森泰人さんです。

森さんの演奏を初めて聴いたのは、今年の5月。大好きなピアニスト和泉宏隆さんが心酔しているスウェーデンのラーシュ・ジャンソンが参加する「森泰人トリオ」のライブです。

ミーハー気分いっぱいで出掛け、ラ−シュ・ジャンソンの生の演奏に出会えたこと。それにもまして、森泰人さんというベーシストに出会えたこと、『森泰人 スカンジナビアン/ジャパン・コネクション』という活動を知ることができたのが大きな収穫でした。

更に、なんでこんなことになったのだろうと自分でも不思議なくらいの幸運と偶然の出会いがもうひとつ。WADA.Map に書いた「森泰人トリオ」のライブ・レポートがきっかけで、スウェーデン在住の森さんとのメール交換が実現しました。

そして、11月から12月にかけて『森泰人 スカンジナビアン/ジャパン・コネクション』の日本公演が行われると、連絡をいただきました。それはチャンス!とばかりに「アーツ・カレンダー」で取材をさせていただいています。

私が森さんについて、『森泰人 スカンジナビアン/ジャパン・コネクション』について知りたい、と思うと同時に、それをたくさんの人にも知ってもらいたい。

実は、このレポートは森さんとメール交換をはじめてまもなくの夏に構想はありました。

でも、森さんの言葉を受け取るうちに、その“思い”を私が代弁するのはとても難しい作業だと気付きました。書けば書くほど遠くなってしまう。言葉を重ねるほどに無意味になっていくようで…。ただひとつ、音を聴いていただければ、その“思い”は満ちていくのですが。

まずは、森さんのプロフィールをご紹介しましょう。

森 泰人 (もり やすひと)

コントラバス奏者、作編曲家、

1952年(昭和27年)東京に生まれる。

青山学院高等部在学中よりベースの演奏を始める。
当時、NHK交響楽団の首席コントラバス奏者であった、小野崎充氏に師事。
青山学院大学に入学直後より、江夏健二(ウォン・ウィン・ツァン)トリオに加わり、「新宿ピットイン」「タロー」「オスカー」等のジャズスポットで演奏を始める。
その後、青山学院大学時代は、沖至、坂田明、田村博、井上淑彦等多くのグループでも活動。
また、銀座ヤマハが主催していた『リトルジャズコン』を4年にわたりプロデュース。

大学卒業後は、高柳昌行、北条直彦、八城一夫、渋谷毅、中島政雄、阿川泰子、伊藤君子、中本マリ、等数多くのプレーヤーと共演。

1981年スウェーデンに移り住み、北欧を中心に活動を始める。
1983年には、ジョージ・コールマン・カルテットと北欧〜英国ツアー。
また、その頃、スウェーデンに住んでいた米サックス奏者 ボブ・バーグのグループに参加。
1984年にはリー・コニッツとスウェーデンツアー。その他、数多くのスウェーデンのグループでも活躍を始める。
1985年には、フルート/サックス奏者アンダーシュ・ハーグベリと二人で、その後テレビやラジオで有名となったデュオグループ『ウィンデュオ』を結成、またボーヒュスレーン・ビッグバンドにもレギュラーベーシストとして参加。
デュオからビッグバンドまでをこなすベース奏者として定評を得る。
1989年にはスタン・ゲッツのヨーロッパ・ツアーにケニー・バロン、ベン・ライリー等とともに参加。
1992年からトゥーツ・シールマンスのスカンジナビアン・カルテットに起用される。
1998年、ストックホルムが欧州文化首都となった記念事業の一つとして注目を集めたワールドミュージックグループ、『ストックホルム・フォルク・ビッグバンド』に参加。

ワーナーミュージック(アトリウム)より1999年10月にCD発売。

現在、スウェーデンのみならず、デンマークやノルウェー、フィンランドでも多くのセッションで活躍しているベーシスト。

<ここ数年間の主な共演者達の名前の一部>

トゥーツ・シールマンス カーリン・クローグ ボブ・ミンツァー
アート・ファーマー マリア・シュナイダー ホレス・パーラン
ジョルジュ・グルンツ ケン・ペプロフスキー クラーク・テリー
マービン・スタム レイ・アンダーソン ベニー・ベイリー
セシリア・ノールビー等

<現在参加している主なグループ>

Bohuslan Big Band
Lars Jansson Group
Stockholm Folk Big Band
Ewan Svensson Trio
Toots Thielemans Qartet
Peter Almqvist/Horace Parlan Qartet
Anders Persson Trio
Winduo
Tommy Kotter Group
Ulf Wakenius Quartet
etc.

ちょっとジャズを聴く人なら、「えっ?」っていう名前も多く登場のプロフィールです。

これほど活躍している日本人ジャズ・ミュージシャン、知らなかったでしょ?そして、これだけではクエスチョンも山積みです。
その山を消化するには、1回のレポートでは書ききれないので、森泰人さんをご紹介するレポートは、来日公演まですこしづつ掲載していきます。

というわけで『森泰人 スカンジナビアン/ジャパン・コネクション』については、次回のレポートで。

※ラーシュ・ジャンソン=ラース・ヤンソン

 「森泰人トリオ」ライブ・レポートで WADA.Map 掲載時は、「ラース・ヤンソン」と表記していますが、「ラ−シュ・ジャンソン」が本当の発音に近いようです。

※スウェーデン語での表記は、日本語設定では文字化けしてしまうので、英語アルファベットに置き換えて表記します。

 ex.本当は Bohuslan Big Band の Bohuslan の a の上には点が二つ付きます。


WADA Map」の扉へ

無断転載禁止 掲載:アーク編集室