Arts Calendar/Art's Report site/《WADA Map》Pipe

vol.63

演劇レポート

「劇団トリのマーク〈通称〉」
【ミアシャムのパイプ】

2000年10月22日
東京・代田 ギャラリー「4GATS-クワトロガッツ-」にて

「劇団トリのマーク〈通称〉」のHP◎劇団(トリのマーク)へ
http://www.bananawani.org/mountain/oec/tori/index.html

夏だか、秋だかわからない天気が続いていましたが、金木犀や柿が実る道を通り、ようやく秋らしくなってきたことを感じます。

半地下にある白いギャラリーの天井からは、大きな蕨のような緑色のものが逆さ吊り(蕨の立場で言えば。)になっています。壁には薄茶色のコップのようなものがたくさん貼りつけてあります。これらは、ギャラリーの展示作品なのか、舞台装置なのか。聞いてみようと思いつつ、この「空間」丸ごとのほうが面白いので、そのまま。

とても明るいところだけど、洞窟か地下、らしい。そこでパイプを作る人(=丹保あずさ)とそれを手伝う人(=櫻井拓見)。手伝う人は、パイプの原料が適正品か不良品かを原料と会話しているかのようにして見分けます。

そこに飛び込んでくる、何だかよくわからない人(=出月勝彦)、女の子(=柳澤明子)、さかなおとこたち。それぞれが出会ったり、出会わなかったり、パイプを作ったり、邪魔(?)したりという小さな場面のくり返し。ストーリーがあるのかないのか不思議なお芝居を「無言劇」で展開します。

初めのうちはセリフのないことに戸惑い(パントマイムという動きではないので)ますが、それぞれの表情に、お互いの関係が現れていて、その強弱が面白い。

連続した時間なのか、別のときのお話なのか、きまりごとの希薄な雰囲気に第一楽章、第二楽章…と、ソナタを連想しました。

穏やかに始まる第一楽章は、バロック風で、丹保あずささんと櫻井拓見さんの静かな「会話」は、チェロとヴァイオリンの前奏曲。「さかなおとこ」たちの登場する場面はロンド?。デュカの「魔法使いの弟子」のよう。ミッキー・マウスが魔法のほうきの暴走に手を焼くように次々に現れる「さかなおとこ」たちに振り回される女の子。パレードが通り、やがて皆その部屋からいなくなっていく静かなエピローグ。

「トリのマーク」の公演は、ささやかな一時なのですが、視点をちょっと変えると現れる空間を見つけて、いつもちょっと得をしたような気分で帰ってきます。


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