Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》YONDEN*100

vol.66
'03. 2.22.  
よんでん ふれあい チャリティー コンサート vol.100 
中国琵琶と古箏の華麗なデュオ「唐華&蔡愛琴」  
         
会場:ヨンデンプラザ高知

 中国琵琶は、四年ほど前に県立美術館の「安徽省博物館名品展」の関連企画としての二胡とのデュオ・コンサートで聴いたことがある。楊宝元[ヤン・パオウェン]の余りに見事な演奏ぶりが圧巻だった記憶があるが、先の演奏会が女性の二胡に男性の琵琶という組み合わせだったことに対して、今回のデュオは、ともに女性演奏家だ。僕自身は初めて耳にする中国の古箏との組み合わせが楽しみだった。

 演奏は、まず蔡愛琴[ツァイアイチン] の古箏から始まった。中国の宮廷絵画などではよく目にする楽器だと思うのだが、耳にするのが初めてだったせいか、えらく新鮮に聞こえてきた。日本の琴よりもやや小振りではないかという気がする。和琴よりも柔らかく、ハープに近い響きだったように思う。演奏者の蔡愛琴がいかにも聡明そうで背筋の伸びた女性だったからか、古箏の響き自体が優雅というよりも、典雅といったイメージで響いてきた。いずれにしても宮廷音楽にふさわしい“みやび”のイメージは濃厚にある。中国の曲である『瑶族舞曲』の次は、日本の『春が来た』で、三曲目はオリジナル曲だとの紹介のあった『オアシス・タイムズ』だった。前二曲にはない“大きなスケール感”があって魅せられるとともに、古箏のコンテンポラリーな可能性を感じさせる優れた楽曲だった。

 続いて、唐華の中国琵琶の演奏となったが、四年前の楊宝元の余りに見事な演奏ぶりとは比べるべくもないものだった。当日は雨で湿度が高く、楽器の調子が悪いとのことで、空調を整えたきちんとしたホールでの演奏ではないのだから、大いに気の毒だったのだが、『天山の春』『倒睡蓮』の後、日本の『さくら』と、三曲披露してくれた。琵琶の底のほうで弦を弾いて出すハーモニックスの音がなかなか魅力的だった。
 合奏曲としては、まずは宮城道雄作曲の『春の海』。筝曲の二重奏なれば、外すわけにはいかないといった趣で堂々の登場だが、やはり名曲であることを改めて感じさせられた。そして最後が『春江花月夜』というなかなかの大曲だった。

 地方都市では本当に貴重な機会となる民族音楽の生演奏を精力的に企画するだけでなく、地元演奏家の紹介にも目配りの利いた好企画を続けているこのメセナ事業については、以前にも「こういう企画や紹介活動は、文化行政や公設の芸術文化振興財団のようなところが担うべき分野の一つだと思うが、そういったところが地域性よりは東京なり世界志向が強い高知の状況にあっては、ささやかながらも『よんでんキッチンコンサート』は、なおさら貴重で意義深い活動だという気がする。」と綴ったことがあるが、今回100回記念ということで十年近くにわたる企画担当者が姿を見せていたが、フルート演奏家として四国フィルでも活躍している安藤千織さんが、このキッチンコンサートのプログラム企画を立てていたことを初めて知った。道理で地元の演奏家にも目配りが利くはずだ。今回の中国から招いた演奏家のコンサートは、前日に佐川町桜座でもホール演奏会として行われていたが、その佐川町桜座では、最近“高知の音楽家シリーズ”と銘打った自主事業を展開し始めている。『よんでんキッチンコンサート』が続けてきたことが定着のみならず、広がりを見せ始めたのかもしれない。よい企画担当者を得た成果ではないかという気がする。


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