Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》Theatre Lab


vol.125

'07.11.20. 県民文化ホール・グリーン
俳優座劇場プロデュース公演『家族の写真』(第269回例会)

 ロシア現代劇とのことだが、革命前から伝わる家宝の宝石とイコンにまつわる部分を除けば、
まるで古きよきアメリカの、人間の善良さに基盤をおいたハート・ウオーム・コメディみたい
な芝居だったことが思いがけず、そーか、ロシアも変わったんだなぁと妙に新鮮だった。だが、
帰宅して会報の大森雅子氏の転載記事を読むと、コメディ自体は、ソ連時代からも馴染みがあ
り、氏によれば、現実からの反作用で笑いが必要になるのではないかとの見解が示されていた。
なるほど、それはそうなのかもしれない。しかし、ロシア的笑いというのは、風刺とか捻りと
か揶揄が中心ではないのかとの思いが拭えなくて、ハート・ウォームというところの思いがけ
なさは、そのまま残った。

 それにしても、それぞれどこかちょっと難点ありのようでありながらも、根っこのところで
の善良さがきちんと伝わってくる人物像のもたらしてくれる気持ちのよさというのは、いいも
のだ。そして、先頃観たばかりの映画『約束の旅路』でも思ったことが、血縁に頼らない“家
族としての絆”には、選択的意志が働いているところに、ある種のかっこよさが宿るように思
われた。石田圭祐の演じたイーゴリの人物造形がなかなかよくて、気に入っている。


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