Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》Theatre Lab


vol.116

'07. 7. 8. 
人形浄瑠璃文楽座 『文楽 高知公演』
高知県立県民文化ホール・グリーン

 チラシを見る限りでは判然としないけれども、高知県出身の人形遣い吉田玉翔のプ
ロデュース公演のようだ。文楽と落語をカップリングした親しみやすいステージで、
なかなか楽しかった。

 文楽の演目は、『鬼一法眼三略巻五段目〜五条橋〜』と『傾城阿波の鳴門八段目〜
十郎兵衛住家の段〜』。落語は、桂かい枝による『豊竹屋』とチラシには掲載のな
かった外国人噺家 快楽亭ブラックによる一席。落語の前には、吉田一輔による文楽
の人形解説も添えられていた。

 きちんとした形で生の文楽を鑑賞するのは初めてのことだったので、一輔による人
形解説が役立ったのだが、それを踏まえて振り返ると、やはり演目の最後に設けられ
ていた『傾城阿波の鳴門八段目〜十郎兵衛住家の段〜』での吉田玉佳によるお弓の人
形遣いが際立って目を惹いたように思う。特に白布を口に銜えるようにしていた所作
が鮮やかだった。竹本相子大夫の義太夫節にしても『鬼一法眼三略巻五段目〜五条橋
〜』以上に、なかなか熱が入っていたような気がする。

 人形解説の次に設けられていた落語『豊竹屋』がとてもノリよく楽しくて、加えて
ちょうど義太夫解説の役割も果たしていたことに感心した。そういう点でも初心者に
大変やさしいプログラムだったのが僕には好都合で、落語で大いに笑わせてもらいな
がら、文楽に親しめる好企画だったように思う。

 文楽にしても落語にしても、伝統にのっとった、まさしく芸と言うにふさわしい芸
をきちんと鑑賞することは、芸抜きの娯楽一辺倒に流れているTVのバラエティ番組
に代表される芸能の貧困状況にあって、とても貴重な機会だと思う。弁慶・牛若の五
条大橋や、お弓・おつるの十郎兵衛住家の段なれば、いくら古典芸能に疎い僕でも流
石に知っている話なので、観やすく、人形の所作や義太夫節への注意も働かせやす
かった。古典芸能もいいものだと改めて思った。この7月にオープンしたばかりの、
香南市赤岡町にできた平成の芝居小屋とも言うべき「弁天座(http://wwwa.pikara.ne.jp/bentenza/)」

では、こういうのこそやってもらえるといいように思う。


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