- TRY-ANGLE 『Bermuda』
- (演劇祭 KOCHI 2008 観劇ラリー完走指定作品2)
'07. 6.15. グラフィティ蛸蔵
倉持裕が04年に岸田国士戯曲賞を受賞した『不満足な旅』で昨年かなり楽しませてくれたTRY-ANGLEの今年のラリー公演プログラムは、一昨年の『TRIANGLE』よりも笑いネタの側に寄ったコント集だったが、トライアングルの三角形を意識した『Bermuda』というタイトルほどの危険海域にはなく、むしろ真っ当に自分たちの笑いのスタイルを求めていく構えを見せた公演だったように思う。
メ暗がりモメ欲しがりモメしたがりモという言葉を鍵にした三つの狩りのショートコントで区分けした12タイトルの配置に工夫の感じられた構成が良かった。それぞれのタイトルでスタイルや設定を変える配慮がされていたが、充実していたのは、『狩り2』と『狩り3』で括られた後半のタイトル群だったように思う。アイデア面で僕が最も惹かれたのは『フルーツ学園果汁組』。スタイル面での完成度では『トーテムとポール』。少し思想性というかテーマ性を窺わせていた点で異彩を感じたのが『ブラジャーブラザース』だった。
一昨年の長尺コントに感じた、場の流れやリズムが妙な空白感でわずかに途切れたり、改まった接続感が表面に出てくるような感じが、どのタイトルにおいてもなかったのは、やはり各タイトルの長さがコンパクトだったからなのだろう。笑いのネタが少し理に勝ちすぎている印象だったものが随分とこなれてきているように感じられるとともに、昨今のお笑いの潮流が失っている「言葉に対して機知に向かう姿勢」に好感を抱いた。
今回のコント集の各タイトル全てが新作ということでもなかったようなのだが、僕自身は、どれも初見だったなかでけっこう随所でニヤッとさせられたのだが、最も鮮明に記憶に残っているのが『フルーツ学園果汁組』でのメ宮崎産のマンゴーモだというのは、我ながら少々苦笑を禁じ得ないところがある。また、コント集の全体を『Bermuda』と括っているなかで、『ブラジャーブラザース』においてメBar
無駄モという場を舞台に構えていたのは、巧いと思った。
少し気になったのは、言葉遊びのネタは良くても、その受けで解題やヒントを出す際の工夫に、もう一汗かけないものかと感じられたときが幾度かあったことだ。チェックリストを用意して個々に拾っていったわけではないから、全体を通して観終えた後になお、記憶として留まるほどまでに、強く印象づけられてはいないのだが、そのときどきにそういう引っ掛かりを感じた覚えは残っている。
それはともかく、こうしたコント集も面白く楽しく観ることはできるものの、僕自身の趣味としては、昨年の『不満足な旅』のように、芝居の形で彼らの個性とアイデアを活かしたものをもっと見せてもらいたい気がした。
|