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'09. 1.28.
劇団東京ヴォードヴィルショー公演『見下ろしてごらん、夜の町を。』
(第276回例会)
ほぼ同世代になる者にとっては、時代的共有感とともに重ねることのできる
味わいに格別なものがあって、堪能できる舞台だった。オープニングでいきな
りライブハウス「六弦」でのステージが始まり、「青葉城恋歌」の替え歌で「
有名人恋歌」をやるなかで“早瀬久美”の名が出てきた時、その名を有名人と
して受け取れる世代がターゲットなんだねとほくそえんだが、これがケータイ
の電源を切るよう促す開演前の注意の出し物だとは思いがけなかった。これ以
上に注目を集められる注意アナウンスに今後お目にかかることはないだろうと
思ったが、幕前からこれなのだから、サービス精神たっぷりの愉快で、昭和が
懐かしくなる作品だった。
実際、僕にとっては、出てくる歌手やグループの名前が、それこそ泉谷なら
ぬ「北見しげる」以外の総ての名が覚えのある懐かしいものだったことが、何
よりもの同世代の証なのだろう。それにしても、いかにも当時の楽曲イメージ
を今に蘇らせている楽曲群に感心した。楽曲提供の総てが、ステージで演奏も
していた千葉和臣(元「海援隊」)によるものだったのだろうか。歌っていい
な、楽器が弾けるっていいなぁと“挫折のF”などという言葉に覚えのある笑
いを促されながら、それだけに留まらない“年季”を重ねることの値打ちのよ
うなものにも思いを至らせてくれるところのある芝居を楽しんだ。
一つ気になったのは、劇団を主宰する佐藤B作・あめくみちこ夫妻に当て書
きしたような木下藤吉・順子の夫婦関係。この世代は押しなべてそうだからと
いうことだとしても、若い時分のツケで全く妻に頭があがらなくなっている夫
たちの恐妻家ぶりが少々度を越していて、僕にとっては、笑いよりもやれやれ
感を誘われたことなのだが、演劇鑑賞会の会員のほとんどは中高年の女性であ
り、実際おおいに客席を沸かせていたのだから、作り手としては、狙い通りと
いうところなのだろう。
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