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'09.9.10.
俳優座劇場プロデュース『サマーハウスの夢』(高知市民劇場第280回例会)
県民文化ホール・オレンジ
台詞劇だととても承服しがたいような劇的変転も、歌にして見せられると、なんだか納得してしまう。そういう点では、音楽劇の妙味の味わえる好舞台だった。
恋という舞台は、女性の一人芝居と言っても差し支えないということをかくもあからさまに描き出されると、ちょっと感動的でさえある。アマンダを演じた加藤忍のキャラクター作りに感心した。ロバート(畠中洋)の描いたメ美女と野獣モの挿絵を見て「女性の価値の全ては胸にある」とグレイソン(石波義人)が語ったベルを演じた鈴木ほのかの歌と胸元にも感心。
ごく当り前のようにして傍にいたシンクレア(大原康裕)やバルトマー(米谷毅彦)の持つ値打ちへの気づきは、アマンダにしてもベルにしても、己が日常を離れてみなければ叶わないことを示していたように思う。ありがちな教訓話なのだが、ありがちなことだけに少々展開が乱暴でも、顛末に納得感がある。激しい雷雨をイメージ化した吊物が目を惹き、ベルとロバートの歌と声だけで示したベッドシーンの演出が笑えた。歌というものの象徴するさまざまな事柄が幅広く取り込まれていたように思う。舞台の味わいとしては、それで充分なのであって、教訓話への納得感というのは、そのおまけでしかないことを見越して作られた、いかにも音楽劇らしい舞台だったような気がする。
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