Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》'17. 8.20.


vol.291

'17. 8.20.

ボラ☆ボラ move around JAPAN 2017 “お酢をのんだけど、やわらかくならなかった”

会場:蛸蔵


 人権啓発センターのハートフルセミナー“なぜ私が? 一生消えないネットの書き込み”に行くようにしていたので、見送りかけていたが、講演会を途中で抜けてくるようプッシュされ、それほどまでに言うならと観に行くことにしたものだ。講演会もけっこう面白かったので、中座するのが残念だったが、芝居もけっこう面白かった。

 チラシに「土俵際のアラフォー女子が…現実を目の当たりにして…向き合う 「四十にして惑わず」って、マジっすか?」と記された芝居を観ながら、四十で土俵際と言われたら、まもなく還暦を迎えようとしている僕は「土俵落ちだな」などと思っていたが、不惑の四十に限らず、“惑星”に住む我々には、幾つになっても、見えていると思っていたものが見えていなかったり、見えないと思っていたものが見えたりするものだ。それが、宇宙人の姿をしていたり、してなかったり…というような趣向の芝居を大いに楽しんだ。宇宙人に限らず、自分の限界にしても可能性にしても、いくつになっても、そういうものだと思う。

 オープニングでの全灯を落として暗い中、次第に目が馴れてきてうっすらと見えてきたものが、実は照明で見えたのであって目の馴れではないと知らされたときに、してやられた気がしたことが効いて、そのように感じたような気がしている。

 白蛇ネタで爆笑する客を場内から引き出すなど、終始コミカルな関西人的なノリで繰り広げられていたが、全国8都市縦断を謳った公演だから北は札幌まであるものの、関東以北は東京との二ヶ所のみで、あとは本拠地の大阪を振り出しに、沖縄、北九州、熊本、高知、島根と西日本圏ばかりだ。それにしても、こういう公演が当地でも行われるようになったことが非常に感慨深い。各地の各会場もそう大きな空間ではなさそうで、また、カフェを会場にしている公演地もある。道具類は極小にしていて、現場の空間を生かして舞台設定をするらしいのだが、そういう形でも、地元劇団ではない劇団の創り出す演劇が見られるようになってきたことを嬉しく感じた。



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