Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》KAKURABA ROBI
vol.14
高知県立美術館民族音楽シリーズ
'98. 2. 8.
「カクラバ・ロビ コンサート」
会場:高知県立美術館ホール
昨年度の美術館民族音楽シリーズ“アフリカン マエストロ コンサート”が御機嫌なコンサートだったので、第2弾も期待して出掛けた。前回ほどではなかったが、アフリカの民族音楽特有の土の香りのする力強い響きを楽しむことができた。加えて、いかにも素朴な民族楽器から、いかにも素朴な響きと音楽が奏でられるなかに、ときおりハッとするような洗練された響きが込められていたりして、アフリカの民族音楽のイメージにある、大地と生活に根ざした骨太さと活力といったものだけに留まらない音楽的知性とでも言うべきものを感じさせてくれたのが印象深い。そこには、長い歴史のなかで改良を重ねてきた楽器の奏でる洗練された響きや音楽を楽しんでいるときに感じるものとは、また違った新鮮さがあった。
ステージでは、珍しい吹奏楽器や弦楽器も紹介されたが、演奏の中心は打楽器でなかでも最も多く演奏された「コギリ」というアフリカン・マリンバは、たいへん魅力的だった。素朴な楽器のように見えて、かなり質の違った音色を持つ響きをいくつも奏でることができる。なんという曲なのかは、手元のチラシに紹介されていないので不明だが、左手で繰り返される低音の響きとリズムが、高校生の時分によく聞いたプログレッシヴ・ロックの名作アルバム『タルカス』(エマーソン、レイク&パーマー)を髣髴させる曲があって感銘を受けた。おそらくは、1970年代に彼らのほうがアフリカの民族音楽の影響を受けたのだろうと思うが、民族音楽の響きとリズムがロック・シーンでは前衛として登場するところがいかにも面白い。
アフリカン・マリンバの高度な演奏技術という点では、一流のマリンバ奏者やヴィヴラフォン奏者の演奏に触れたこともある者からすれば、驚くほどに突出したものだとは思えなかったにしても、確かになかなか見事なものであった。しかし、考えてみれば、楽器そのものが素朴なものであればあるほどに、コンスタントに美しい音を出すのは、むしろむずかしいことなのかもしれない。また、カクラバ・ロビは、声もなかなか魅力的で、わずかに聞き取れた英語の歌詞(?) 「自由よ、アフリカよ、永遠なれ」とか「アフリカよ、目覚めよ」といった特に珍しくもない言葉がいやに力をもって伝わってきた。
ステージからの解説によれば、もともとソロで演奏されることが多い楽器たちだそうだから仕方がないのかもしれないが、ステージ構成という点では、いくつもの楽器を使って紹介された耳慣れないさまざまな響きがどれもそれなりに魅力的だっただけに、ぜひ合奏のなかでも聴いてみたいものだと思った。前回の「アフリカン マエストロ コンサート」が、まさに合奏の醍醐味を堪能させてくれていただけに余計にそう思うのかもしれない。また、ステージからの解説は、通訳という形を取るといたずらに時間を食ってしまって、いささか興をそぐという部分があったように思う。
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