|
【コラム】
期限切れの話題、ニュースに現れない日はないくらいになっています。
食品の期限表示には、消費期限と賞味期限があって、字の如く、消費期限のほうが事態が重く、賞味期限のほうは「美味しくないかもね」くらいのことのようです。
ニュースで騒がれる場合、というか、昨今の騒ぎで耳が覚えているのは「賞味期限」のようだと思います。「期限がいちにちふつか過ぎたって、平気平気!」というお母さん的な意見が賞味期限切れ。スーパーのタイムセールで半額になるのを見計らって購入するのは賞味期限切れ。皆がもったいないなぁと思うのが賞味期限切れ。だと思います。
買うほうにしてみれば、冷蔵庫に入れておける日にちが長いほうが何かといいですから、1週間分まとめての買い物であれば、やはり新しいほうを買う。今すぐ食べたいのなら、ちょっと値段が安くなった賞味期限ぎりぎりを買う。というようなことは消費者の常識だと思います。お弁当が、ハンバーガーが棄てられていく、と訴える意見が新聞の投書欄にはよく載っていたけど、最近は見なくなりました。憂えるのは、まっとうだと思うのですが。
騒ぎ過ぎだと思うわけです。そりゃ店頭に並んでいたものを下げて冷凍して解凍して包みなおして売る、とか餡をはがして別のものを作るようなものは論外。いくらお腹に自信があったって嫌です。それは賞味だろうが、消費だろうが期限とは別の悪事です。
きちんと衛生面を管理された場所で作られたものならば、賞味期限の表示にさほど意味はないと思うのです。製造年月日が正直に表示されていて、「要冷蔵」など保管方法を明示していれば、クチにする安全を判断するのは消費者の責任にしていいと思うのです。
「要冷蔵」というのも曲者で、家庭用の冷蔵庫内の温度はインフルエンザや風邪ウィルスが一番活動的な温度です。冬の外気の温度と同じですからね。だから、冷蔵庫に入っているから安心というのはダメ。消費者も自分の健康なんだから気をつけなければいけません。(と、我が母に強く言いたい。お母さん冷蔵庫過信しすぎ)
さて、先日コンビニで「アンパン」を買いました。いいえ、買いたかったのです。レジでピッと精算していたら、「申し訳ございません。こちら期限が切れておりまして、お売りできません」おそらく一日に何度か配送されるものです。作られたのは24時間よりもっと近い時間です。カサカサになっているわけでも、カビが生えているわけでもなく、見た目に美味しそうなピカピカのアンパンです。私がアンパンを手に取ったすぐ後から店内の点検が始まったようなタイミング。だから、時間が過ぎたと言っても5分10分の話でしょう。
10分前に買ってたとしたらどうするんでしょう。家まで帰って、手を洗ってうがいして、コーヒーを煎れて、という時間と「今すぐここで食べる!」と言い張った時間は大して変わらないか、今ここで!と言うほうが早かったかもしれません。
そのコンビニでは、そのアンパンが最後のひとつで次の配送を待たなければ買うことは出来ません。
「私は、お腹には自信があるから売ってくれ」と言っても、コンビニのレジのPOSシステムが許しません。ピッとやって時間切れ、キャンセルにすればOK。そのまま売ってしまったら、そのお店、その店員さんは追及されてマズイ立場になるのでしょう。アンパン一個で。そんな時、お客の了承の記しに指紋照合を取ればいいとか、気紛れに考えてみたけれど、アンパン一個のことですから。
コンビニの都合がわかる大人ならいいけれど、「アンパン買ってきて」とお使いに来た小さな子供だったら、どうするんでしょう?目の前にある「アンパン」を売ってもらえない切なさ。意地悪されたと思ってしまうかもしれません。
いちばん、心が痛むのは、そのアンパンの行く末です。
(2007/12/3 WADA)
|